反り腰の原因・症状・応急処置について

    骨盤と腰痛が過度に前傾している姿勢の事をいいます。

    解剖的には骨盤の上前腸骨棘と下前腸骨棘を結んだ線が前に15度以上傾いている状態、または指2本以上の差がある状態だとが反り腰と判定されます。

    通常、正しい姿勢はS字姿勢であり、骨盤がまっすぐに立ち、背骨がゆるやかなS字カーブを描いています。この緩やかなS字カーブが骨盤、腰椎で強くなっている状態です。

    反り腰の重症度が高まると、より前傾が強く、見た目も下腹部がポッコリお腹でお尻が後ろに出っ張っている(でっちり)姿勢となります。

    素人目でも判断できるほど、上記のような姿勢だとより重症度が高いと考えられます。

    どんな症状があらわれますか?

    慢性的な腰痛や、首肩のこり、股関節の痛みや膝の痛みなど、お体全体に影響を及ぼします。

    放置すると、坐骨神経痛、頭痛、変形性膝関節症、変形性股関節症と症状が重篤化してしまいます。

    反り腰の原因

    日々の生活での不良姿勢や運動不足や妊娠、出産などが原因で大腿四頭筋、腸腰筋の収縮が強く、反対にハムストリングや大殿筋、腹筋が弱くなることで骨盤を前方に傾けてしまいます。

    また、ヒールの高い靴を履くことも反り腰の原因となります。

    ヒールが高い靴は、つま先や足の前方に体重がかかりやすくなります。

    身体が前方に傾いた姿勢を正すために反り腰になってしまいます。

    反り腰になりやすい人はどんな人?

    反り腰は女性に多いと聞きましたがなぜでしょうか?

    女性の骨盤は横長の形をしています(男性の骨盤は縦長の形)。なぜ横長の形をしているかというと、女性は妊娠出産するために骨盤は横長になります。そうすると、立った時の股関節の角度に違いが生じてしまいます。

    女性特有の女の子座りがありますが、男性には股関節がきつくて出来ません。

    つまり女性の股関節は内股になりやすく、前に傾きやすい形状である為反り腰は女性にとても多く見られます。

    また女性は男性に比べ筋力が弱いです。その為、定期的な運動習慣がない方であれば20歳が筋力のピークで年々衰えていきます。

    それに加え妊娠出産での体重の増加、育児での負担が重なり反り腰がより強くなります。

    子供でも反り腰になりますか?

    小学校低学年では、みたことはありませんが高学年、中学生になるとある程度体が発達してきますので反り腰のお子さんも施術して経験があります。

    椅子に座っている時に背中が丸まっている。いつもやらかいソファーに座っている。歩ている姿勢が悪い。このようなお子さんは反り腰、黄色信号です。

    反り腰を放置するリスク

    反り腰を放置すると、慢性的な腰痛・肩こり、膝の痛み、股関節の痛みのリスクが高まります。これを放置すると坐骨神経痛、頭痛、変形性膝関節症、変形性股関節症に繋がります。

    反り腰の治し方

    まず硬くなっている筋肉(腸腰筋、大腿四頭筋、中殿筋)を緩め、弱くなっている筋肉(大殿筋、内側ハムストリング、腹筋)を鍛えます。
    これはどこの院で行っている基本的な骨盤矯正かと思います。
    
    当院では加えて、左右の筋肉のバランス、足の着き方を診て正しく体が使えているのか、患者さんの体の癖を確認し、施術を行います。
    
    腰だけを診るだけでなく、上半身の姿勢(猫背なのか、巻き肩なのか、ストレートネック)を調整します。
    
    体の中心である腰が悪くなることで、上半身や下肢への悪影響が出来ています。その上半身、下肢の悪影響がさらに腰へ負担を増悪させます。
    この痛みの負の連鎖を断ち切るため、当院では腰だけでなく、姿勢、左右のバランス、筋肉が衰えていないか等全体を診て施術にあたっています。

    どれくらいの期間で治りますか?

    根本的な姿勢の改善には3~4ヶ月ほどかかります。

    施術だけでなく、自宅で出来るエクササイズを継続して続ける事と、普段の姿勢の意識を変えていくことで反り腰は改善されます。

    反り腰に関するQ&A

    猫背と反り腰は関係がありますか?

    とても関係があります。

    反り腰と猫背はセットで起きている方も多く見られます。

    反り腰とは骨盤が前傾する状態です。

    猫背は背中が丸まった状態です。

    猫背の判断としては、横から見た時に、耳、肩の骨、大転子(大腿骨の横の骨のでんぱり)が一直線になっているのが正しい姿勢ですが、耳が前にきている姿勢が猫背の判断となります。

    正しい姿勢は背骨は軽いS字のカーブを描きますが、骨盤腰椎の反りが強いと背中の丸まりも当然強くなります。

    上記の理由から反り腰と猫背はセットで起きる事が多いと考えられます。

    妊娠中の反り腰で注意することはありますか?

    妊娠中に段々とお腹が大きくなると、反り腰がきつくなってきます。

    その結果、腰痛や肩まわりの張り感が出てきます。

    慢性的な痛みやコリは、心身ともに疲労させ、母体にも良くないと考えています。

    出産しないと、妊娠中の反り腰は治りませんが、筋肉の硬さや弱さようなバランスの悪さ、コリを何か月も患ってしまうと産後の不調にも繋がりますので、安定期に入った際、担当の医師、助産師の確認の上、施術を受けることをお勧めします。

    当院でも安定期に入り、マタニティ整体を受けられてる患者さんもいらっしゃいますし、私自身2児の父親であり、妻が妊娠中のマタニティ整体、産後の骨盤矯正を行ってました。

    妊娠中の腰痛や肩こりがありましたら我慢せずご相談下さい。