ゴルフ膝の原因と治し方

ゴルフ膝の原因と治し方

ゴルフ膝は、ゴルフのプレー中や練習時に膝に過度の負担がかかることで生じる様々な症状を総称します。主な症状には内側側副靱帯損傷、外側側副靭帯損傷、鵞足炎、変形性膝関節症などがあります。

内側側副靱帯損傷

内側側副靱帯損傷は、スイング時に膝関節が内側に入ることで靭帯を強く伸ばし、損傷を引き起こします。膝を内側に入れる動作(knee-in)で痛みを感じ、膝の内側に症状が現れます。重度の場合、内出血や腫脹、不安定性が生じることがあります。また、膝のロッキング(動きが制限される状態)が見られる場合は、半月板損傷を合併している可能性があります。

外側側副靭帯損傷

外側側副靭帯損傷は、内側側副靱帯損傷とは逆の受傷機転で発生します。症状や痛みは膝関節の外側に現れるのが特徴です。

鵞足炎

鵞足炎は、縫工筋、薄筋、半腱様筋という3つの筋肉の付着部(鵞足と呼ばれる)に起こる炎症です。膝関節より下の脛骨上内側に痛みが出現します。内側側副靭帯損傷とは異なり、筋肉の付着部に生じる炎症性の症状です。スイング動作や歩行時に膝が内側に入る動作を繰り返すことで炎症が起き、痛みや腫脹が現れます。

変形性膝関節症

変形性膝関節症は、加齢や関節の過度の使用により関節軟骨がすり減り、膝の関節が変形する症状です。

ゴルフだけでなく、日常生活や仕事など長年の負担が徐々に関節軟骨を摩耗させ、痛みや可動域制限、変形をもたらします。初期段階では歩き始めに軽い痛みを感じる程度ですが、症状が進行すると歩行時や就寝中の寝返り動作でも膝関節に痛みが生じるようになります。

これらの症状は、適切なフォーム、適度な休息、そして予防的なケアによって軽減できる場合があります。しかし、持続的な痛みや機能障害がある場合は、専門医の診断を受けることが重要です。早期の適切な治療と管理により、ゴルフを楽しみ続けながら、膝の健康を維持することが可能です。

ゴルフ膝の原因とは?

ゴルフのスイング動作では、足首・膝関節・股関節・背骨・肩甲骨が正しく動くことで膝への負担なくゴルフスイングすることが出来ます。

どこかの関節が硬いと代償が膝関節にかかり、膝のケガへと繋がります。

猫背や巻き肩の方は上半身の回旋可動域が低下しているため、下半身を無理に捻り膝を痛める方が一番多く来院されています。

ゴルフ膝であらわれる症状とは?

内側側副靭帯損傷は膝関節の内側に痛みが現れます。膝内側にストレッチをかけるような動作や膝を内側に入れ込む動作で痛みが増悪します。靭帯が完全に断裂すると関節の不安定性が出現します。

外側側副靭帯損傷は膝関節の外側に痛みが現れます。あぐらのように膝外側にストレッチをかける動作で痛みが増悪します。靭帯が完全に断裂すると関節の不安定性が出現します。

鵞足炎は膝関節内側の下、ちょうどスネの骨の上端内側に痛みが現れます。歩行時やしゃがむ動作で痛みが増悪します。腫脹が強くなるとさするだけでもヒリヒリとして痛みが見られることがあります。

変形性膝関節症は初期は歩き始めに膝に痛みを感じるが、動いていると痛みが緩和されます。症状が進行すると、膝全体の腫脹や曲げにくさ、可動域制限が現れます。放置すると、O脚変形してがに股のような脚になります。

ゴルフ膝のセルフチェック

ゴルフ膝の症状は様々ですが、自己診断の手がかりとなるいくつかの特徴的な兆候があります。以下に、ゴルフ膝の主な症状とそのセルフチェック方法をご紹介します。

これらのチェックは、医療機関を受診する前の予備的な確認として役立ちますが、持続的な痛みや違和感がある場合は、必ず専門医の診断を受けることをお勧めします。自己判断だけで処置を行うことは避け、適切な治療を受けることが重要です。

スイングの瞬間に痛みを感じたのであれば、靭帯損傷を考えます。

自分で膝を内側、外側に入れ込むように動かしたときに痛みが現れます。

鵞足炎は膝内側の下の鵞足付着部が腫れてきて、自分で押してみても痛みが見られます。しゃがんで立ち上がる時に膝内側に痛みがある場合は鵞足炎を疑います。

変形性膝関節症の初期症状は動かし始めに痛みがあり、動かしていると緩和されます。段々悪くなると、階段の上り下りで痛みが出てきたり長く歩くことが難しくなってきます。変形が進行するとO脚変形してきます。

ゴルフ膝を放置すると?

膝の痛みを放置すると、日常生活動作でも痛みが増してきます。

段々と可動域に制限が現れ、変形性膝関節症が進行してしまいますので、いつもとは異なる違和感や痛みを感じた場合は早期にご来院下さい。

ゴルフ膝の治し方【当院のアプローチ】

ゴルフ膝の治療において、膝関節の炎症や痛みを管理することは非常に重要です。この初期段階での適切な対応が、症状の改善と回復の速度に大きく影響します。

膝関節に炎症や痛みがある場合、まず考慮すべき対処法の一つがテーピングです。

テーピングは、患部を適切に固定し、過度の動きを制限することで安静を保つ効果的な方法です。正しく施されたテーピングは、膝関節への負担を軽減し、炎症の悪化を防ぐとともに、痛みを和らげる働きがあります。

テーピングの利点は、単に固定するだけでなく、適度な圧迫により血流を促進し、腫れの軽減にも寄与することです。また、テーピングをすることで患部の状態を意識しやすくなり、無意識のうちに過度な負担をかけてしまうリスクを減らすことができます。

また、テーピングだけでなく、適切な冷却や温熱療法など複合的なアプローチを取ることで、より効果的な治療が可能になります。

安静を保ちつつ、徐々にリハビリテーションを進めていくことが、ゴルフ膝からの回復と再発防止につながります。

ゴルフ膝の予防方法

ゴルフ前にはしっかりとストレッチを行ってください。

特に背中や肩周りが硬い方が多いので、肩甲骨を回すエクササイズや背骨の可動域をつけるような体操をお勧めしています。

膝が痛むようでしたら、キネシオテープやサポーターも用いて膝を固定することも有効です。

保険を使って治療することはできますか?

はい、保険適用となります。来院時は健康保険証をお持ち下さい。

痛みがひどい場合は冷やすべきですか?温めるべきですか?

急性期である受傷直後から3日間は冷やしてください。

アイシングを行うことで炎症を抑え痛みを下げてくれる効果があります。