はじめに
頭痛と一言で言っても様々な原因があります。今回のブログは整骨院で対応できるケースと出来ないケースについて、頭痛で悩まれている患者様の情報になればと思い作成しました。皆様のお役に立てれば幸いです。
突然襲ってくる頭痛は、日常生活に大きな支障をきたすことがあります。軽い痛みであれば自己対処できることもありますが、中には命に関わる重篤な症状が隠れていることもあります。当院では様々な頭痛の患者様にご来院いただいていますが、症状によっては整骨院での対応に限界があり、適切な医療機関への受診が必要なケースもあります。
このブログでは、頭痛の種類や特徴を理解し、どのような場合に当院での施術が効果的か、またどのような症状が出たら脳神経外科や神経内科などの専門医を受診すべきかについてお伝えしていきます。
頭痛の基本的な分類
頭痛は大きく分けて「一次性頭痛」と「二次性頭痛」に分類されます。
一次性頭痛:それ自体が病気であり、他に原因となる疾患がないもの(片頭痛、緊張型頭痛、群発頭痛など)
二次性頭痛:脳腫瘍、くも膜下出血、髄膜炎などの別の疾患が原因で起こる頭痛
当院では主に一次性頭痛に対する施術を行っていますが、二次性頭痛の可能性がある場合は、適切な医療機関への受診を必ずお願いしています。
当院で対応できる主な頭痛
1. 緊張型頭痛
特徴
- 頭の両側または全体がじわじわと痛む
- 締め付けられるような、圧迫されるような痛み
- 痛みの程度は軽度から中程度
- 肩こりや首の凝りを伴うことが多い
当院での対応: 首や肩の筋肉の緊張を緩和するための手技療法、ストレッチ指導、姿勢改善のアドバイスなどが効果的です。デスクワークが多い方や、長時間同じ姿勢を続ける方に多く見られる頭痛であり、定期的なケアで改善することが多いです。
2. 筋筋膜性疼痛からくる頭痛
特徴
- 首や肩、頭皮の筋肉に緊張や痛みがある
- 特定の部位を押すと痛みが再現される(トリガーポイントがある)
- 頭の特定の部分に痛みが集中する
- 長時間のデスクワークやスマホ使用後に悪化することがある
当院での対応: 筋膜リリース、トリガーポイント治療、ストレッチングや関節モビライゼーションなどを組み合わせた施術が効果的です。また、日常生活での姿勢指導や、セルフケアの方法もお伝えしています。
3. 軽度の一次性穿刺様頭痛
特徴
- 突然のズキッとする痛み(電気ショックのような痛み)
- 数秒から数分で治まることが多い
- 不規則に繰り返すことがある
- 痛みが強くても短時間で終わる
軽度のものであれば、当院での全身調整や首周りのケアが症状緩和に役立つことがあります。ただし、頻度が増したり、痛みが強くなったりする場合は、専門医への受診をお勧めしています。
専門医への受診を勧めるべき頭痛の特徴
以下のような症状が見られる場合は、整骨院での施術だけでなく、脳神経外科や神経内科などの専門医への受診が必要です。
1. 突然発症の激しい頭痛(サンダークラップ頭痛)
特徴
- 今までに経験したことのないような激烈な痛み
- 「人生最悪の頭痛」と表現されるほどの強さ
- 数秒から数分で最大の強さに達する
注意点: これはくも膜下出血などの重篤な脳血管障害の可能性があり、緊急の医療対応が必要です。当院にこのような症状でご連絡があった場合は、すぐに救急車を呼ぶようにお伝えしています。
2. 神経痛が疑われる頭痛
後頭神経痛
- 後頭部(首から頭の後ろ側)にするどい痛みがある
- 頭皮を触ると痛みが誘発される
- 後頭部に圧痛点がある
- 片側に起こることが多い
三叉神経痛
- 顔の片側に電撃的な痛みが走る
- 食事、会話、洗顔など軽い刺激でも痛みが誘発される
- 痛みの持続時間は短いが、非常に強い
- 痛みがない時は普通に過ごせる
首回り筋肉や表情筋(側頭筋など)の過緊張が原因で神経痛を伴う場合は当院でも治療はとても有効です。しかし、顔面や頭部神経走行は複雑です。これらの神経痛は専門的な診断と治療(薬物療法や神経ブロック注射など)が必要なケースもあります。
一度、神経内科や脳神経外科の受診をお勧めしています。
3. 以下の危険信号(レッドフラッグ)を伴う頭痛
- 50歳以上で初めて現れた頭痛
- 頭痛の性質や場所が変化してきた
- 発熱を伴う頭痛
- 嘔吐を繰り返す
- 意識レベルの変化や混乱
- 手足のしびれや麻痺
- 視力障害や複視(物が二重に見える)
- 言語障害
- 首の硬直
- 運動失調(ふらつき)
これらの症状は、脳腫瘍、脳炎、髄膜炎、脳血管障害など命に関わる疾患のサインである可能性があります。速やかに専門医療機関を受診するべきです。
特に注意が必要な一次性頭痛の例
1. 一次性咳嗽性頭痛
特徴
- 咳やくしゃみ、いきみなどの動作で突然痛みが出現
- 痛みは直後にピークに達し、数分で消失することが多い
- 後頭部に多いが、全体に広がることもある
注意点
一見すると単純な頭痛に思えますが、脳腫瘍や頭蓋内圧亢進、キアリ奇形などの重篤な疾患が隠れていることがあります。当院ではこのような症状が見られる場合、まず脳神経外科での精密検査をお勧めしています。
2. 帯状疱疹による頭痛
特徴
- 片側の頭部や顔面に痛みが出現
- 数日後に同じ部位に赤い発疹や水ぶくれが現れる
- 痛みが先に出て、発疹は後から現れることが多い
- 発熱やリンパ節の腫れを伴うことがある
注意点: 帯状疱疹は早期の抗ウイルス薬治療が重要です。発疹が出る前の痛みだけの段階で来院されることもありますが、特徴的な痛みの分布から帯状疱疹を疑った場合は、皮膚科や神経内科への受診をお勧めしています。
当院での頭痛アセスメント
当院では患者様が来院された際、以下のような観点から症状を詳しく伺い、適切な対応を判断しています:
- 痛みの性質と部位:ズキズキする、締め付けられる、刺すような痛みなど
- 発症の仕方:徐々に始まったか、突然始まったか
- 持続時間と頻度:どのくらい続くか、どのくらいの頻度で起こるか
- 随伴症状:吐き気、光過敏、音過敏、めまいなどの有無
- 誘発・増悪因子:特定の動作や姿勢で悪化するか
- 既往歴:過去の頭部外傷や疾患の有無
- 家族歴:家族に同様の頭痛持ちがいるか
- 日常生活への影響:仕事や生活にどの程度支障があるか
整骨院での頭痛ケアと限界
当院では、主に筋肉の緊張や姿勢の問題から生じる頭痛に対して、以下のようなアプローチで症状改善を目指しています:
- 手技療法:首や肩の筋緊張を緩和するための施術
- 姿勢改善:頭痛の原因となる不良姿勢に対して骨盤矯正や猫背矯正
- 生活習慣のアドバイス:睡眠、座り方や姿勢保持、ストレス管理などの指導
- セルフケア指導:自宅でできるストレッチや対処法の紹介
しかし、以下のような場合は当院での対応に限界があることをご理解いただいています
- 投薬が必要なケース
- 画像検査(MRIやCTなど)が必要なケース
- 神経ブロック注射などの医療行為が必要なケース
- 二次性頭痛が疑われるケース
患者様へのアドバイス
頭痛日記をつけましょう
頭痛の頻度、強さ、持続時間、誘因などを記録することで、パターンが見えてくることがあります。これは診断の助けになるだけでなく、ご自身の頭痛の理解にも役立ちます。
「いつもと違う頭痛」に注意
普段から頭痛持ちの方でも、いつもと異なる性質、強さ、部位の頭痛が現れた場合は注意が必要です。特に以下の場合は速やかに医療機関を受診してください:
- 今までで最も強い頭痛
- 急に始まった激しい頭痛
- 徐々に悪化し続ける頭痛
- 新たな神経症状を伴う頭痛
セルフケアの限界を知る
市販の鎮痛薬でコントロールできない、または3日以上続く頭痛は、専門家の診察を受けるべきです。自己判断での薬の長期服用は、薬物乱用頭痛という新たな問題を引き起こすことがあります。
まとめ
頭痛は日常的に多くの方が経験する症状ですが、その原因や種類は多岐にわたります。軽微な筋肉の緊張から命に関わる重篤な疾患まで、様々な可能性を考慮する必要があります。
当院では、患者様の症状を丁寧に伺い、整骨院での対応が適切なケースではしっかりとした施術を提供し、医学的な対応が必要なケースでは適切な医療機関への受診をお勧めしています。
「痛みがあるのは辛いけれど、どこに行けばいいのかわからない」という方も多いと思います。そんな時は、まずは当院にご相談ください。適切な判断と対応をさせていただきます。
患者様の頭痛の性質を理解し、最適な対処法を見つけることが、快適な日常生活を取り戻す第一歩です。痛みと上手に付き合い、健やかな毎日を過ごしましょう。
【要約】
頭痛には様々な原因があり、整骨院で対応できるものと医療機関の受診が必要なものがあります。本記事では、整骨院で改善が期待できる緊張型頭痛や筋筋膜性頭痛と、危険なサインを伴う頭痛の見分け方を解説。施術の限界や専門医受診の目安も紹介し、適切な対処の一助となることを目指しています。