
こんにちは、横須賀市根岸町、北久里浜駅、堀ノ内駅から車で2分のところにある一会整骨院です。今回は多くの方が悩まされている「膝の痛み」について、意外と見落とされがちな「足首との関係性」についてお話しします。
先月に横須賀タウンニュースに膝の痛みについて掲載しましたが、とても反響がよかった為、ブログでもご説明いたします。
膝の痛みの意外な原因
膝の痛みでお悩みの方は非常に多いですが、その原因が実は足首にあるケースをご存知でしょうか?私たちの体は、足の指先から頭まで全てが繋がっており、ある部位の問題が別の部位に影響を及ぼすことがよくあります。特に歩行や立ち上がりなど、日常動作において膝と足首は密接に連動しています。
足首の基本構造と役割
まず、足首の構造について簡単に説明しましょう。足首は解剖学的には「距腿関節(きょたいかんせつ)」と呼ばれ、脛骨(けいこつ)、腓骨(ひこつ)、距骨(きょこつ)の3つの骨で構成されています。特に腓骨は、膝から足首まで伸びる細長い骨で、足首の安定性に大きく貢献しています。
足首の主な動きには:
- 底屈(そくくつ):つま先を下に向ける動き
- 背屈(はいくつ):つま先を上に向ける動き
- 内反(ないはん):足の裏を内側に向ける動き
- 外反(がいはん):足の裏を外側に向ける動き
があります。正常な歩行では、これらの動きがスムーズに行われることが重要であり、どれかの動きが出来ない、動かしずらい場合、足首の機能が低下し膝への負担が増えてしまいます。
足首と膝の運動連鎖
人間の歩行は「運動連鎖」と呼ばれる一連の動きによって成り立っています。足が地面に着地すると、衝撃を吸収するために足首が少し外反・背屈します。このとき、腓骨が微妙に動き、その動きが膝にも伝わります。
施術では腓骨に動きがとても重要です!腓骨は車に例えるとサスペンションの役割をしています。
例えば、歩行時の着地の瞬間、足首がうまく背屈できないと、本来足首で吸収すべき衝撃が膝に伝わり、膝への負担が増大します。これが長期間続くと、膝の痛みの原因となることがあるのです。
腓骨の重要性
腓骨は一見すると脛骨の陰に隠れた目立たない骨ですが、実は足首と膝の両方に関わる非常に重要な骨です。腓骨の上端は膝関節の外側に位置し、下端は足首の外果(がいか)と呼ばれる出っ張りを形成しています。
腓骨が正常に機能するためには、上下にわずかに滑る動きが必要です。しかし、足首の捻挫や不適切な姿勢が続くと、腓骨の動きが制限されることがあります。これが「腓骨頭亜脱臼(ひこつとうあだっきゅう)」と呼ばれる状態で、膝の外側に痛みを引き起こすことがあります。
足首の硬さが膝に与える影響
足首、特に背屈(つま先を上に上げる動き)が制限されていると、歩行時に次のような問題が生じます:
- 代償動作の発生:足首が十分に曲がらないと、膝や股関節が過剰に動いて代償しようとします。
- 衝撃吸収能力の低下:足首の動きが悪いと、着地時の衝撃を吸収できず、その力が膝に伝わります。
- 歩行パターンの変化:足首が硬いと、つま先が外側に向く「外向き歩行」になりがちで、これが膝の内側に負担をかけます。
よくある症例:O脚と足首の関係
O脚(膝が外側に開いた状態)の方は、足首の内反制限(足の内側に傾ける動きの制限)がよく見られます。足首が内側に十分傾けられないと、膝が代わりに外側に開く動きが強調され、膝の内側に過度な負担がかかります。これが膝の内側の痛み(内側型変形性膝関節症)につながることがあります。
足首のケアで膝の痛みを改善する方法
膝の痛みがある方は、足首の状態もチェックしてみましょう。以下に自宅でできるケア方法をご紹介します:
1. 足首のストレッチ
壁に向かって立ち、片足を前に出して膝を曲げ、かかとを床につけたまま前に体重をかけます。後ろ足のふくらはぎと足首が伸びるのを感じてください。各足20-30秒ずつ、1日2-3回行うと効果的です。
2. 腓骨の動きを促すマッサージ
膝の外側、腓骨頭(ひこつとう)と呼ばれる出っ張りを見つけ、その周りを優しく円を描くようにマッサージします。強く押しすぎないよう注意してください。
3. バランストレーニング
片足立ちを行い、足首の安定性を高めます。可能であれば、不安定な面(クッションやバランスディスクなど)の上で行うとより効果的です。
まずは施術を受けて下さい!
自己ケアも大切ですが、膝の痛みが続く場合は、当院による施術が必要です。当院では、膝だけでなく足首を含めた下肢全体の機能評価を行い、根本的な原因に対するアプローチを行っています。
例えば、足底筋や足根骨の調整や、足首の関節モビライゼーション(関節の動きを改善する手技)、腓骨の適切な位置を促す治療などが効果的な場合が多々あります。
まとめ:膝の痛みは足元から見直そう
膝の痛みでお悩みの方は、ぜひ足首の動きにも注目してみてください。特に以下のような方は足首が原因の可能性があります:
- 階段の上り下りで膝が痛む
- 長時間の歩行後に膝が痛む
- 膝の外側や内側に痛みがある
- 以前に足首の捻挫をしたことがある
体は繋がっています。一か所の問題が別の場所に影響することを理解し、全体的な視点からケアすることが大切です。当院では、そうした「繋がり」を重視した施術を心がけています。
膝の痛みでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。足首からアプローチすることで、長年の膝の痛みが改善するケースも少なくありません。一人ひとりの状態に合わせた施術プランをご提案いたします。