◆ 足根管とは?


足の内くるぶし(内果)とかかとの骨(踵骨)の間には、「屈筋支帯」と呼ばれる帯状の組織があります。
この屈筋支帯と、内果・距骨・踵骨に囲まれたトンネル状のスペースが「足根管」です。
この足根管の中には、脛骨神経、後脛骨動脈・静脈、後脛骨筋腱・長趾屈筋腱・長母指屈筋腱などが通っています。
このような狭い空間の中で、神経や血管が圧迫されることで、足の裏や指に痛みやしびれが出る状態を「足根管症候群」と言います。これは絞扼性神経障害の一つです。
※内側足底神経・外側足底神経は、足根管を出た後に母指外転筋のトリガーポイントなどで圧迫される場合もあり、膝から下、足にかけて痛みが出ることがあります。
◆ 足根管症候群の症状
足根管の中で、脛骨神経はいくつかの枝に分かれています。
- 内側足底神経
- 外側足底神経
- 内側踵骨枝
このうち、どの神経が圧迫されるかによって、しびれや痛みの出る場所が変わります。
すべての範囲に出る場合もあれば、一部の神経だけが障害されるケースもあります。
※内側踵骨枝は足根管の手前で分かれることが多いため、踵(かかと)にしびれや痛みが出ることは比較的まれです。
主な症状は以下の通りです:
- 足の裏や足指のしびれ(ピリピリ・ジンジンとした感覚)
- 感覚の鈍さ、夜間の痛み、灼熱感(熱い・ほてる感じ)、冷え
- 足裏に何かが貼りついているような違和感
歩くことで症状が悪化し、安静にすると楽になりますが、症状が進行すると安静にしていても痛みが続くことがあります。
また、足の裏の筋肉は内側・外側足底神経により支配されているため、神経の圧迫が続くと、足の指の付け根の関節付近で筋力低下や筋萎縮が起きることもあります。
ただし、長趾屈筋や長母指屈筋はふくらはぎで神経支配されているため、足指の先の方の関節の動きは比較的保たれる傾向があります。
◆ 原因として考えられるもの
足根管症候群にはさまざまな原因が考えられます。以下のようなケースにご注意ください:
- ガングリオン、腫瘍などの腫れ物
- 骨の異常(足根骨癒合症など)
- 外傷(ねんざ、骨折)後の腫れや変形
- 妊娠や出産、更年期などのホルモンバランスの変化
- 関節リウマチ、糖尿病、甲状腺疾患
- 長時間の立ち仕事や歩行
- きつい靴やハイヒールによる圧迫
- 扁平足や足首の変形
- 動脈硬化、静脈瘤による圧迫
◆ 診断方法
一会整骨院では、問診・検査を丁寧に行い、以下のような評価を行います。
- ティネル徴候:足根管の部位を指や器具で叩いた際に、足の裏や指先にしびれが走るかを確認します。
- 関節の誘発テスト:足の内返し・外返しを強制的に保持することで痛みやしびれが増悪するかを見ます。
- 画像検査:必要に応じて、提携医療機関にてレントゲンやMRI、超音波検査を行い、骨や軟部組織の異常の有無を確認します。
- 鑑別診断:腰椎椎間板ヘルニアや糖尿病性ニューロパチー、筋肉由来の関連痛などとの区別も重要です。
◆ 一会整骨院の治療方針
一会整骨院では、症状の出ている箇所だけでなく、全身のバランスに注目してアプローチします。
骨盤・背骨の調整
骨盤、腰椎、胸椎、頸椎の歪みやズレがあると、足首にも影響を及ぼし、足根管内の圧力が高くなります。特に骨盤の前後の傾きによって足首が内反・外反しやすくなり、これが足根管症候群の引き金になることがあります。
足関節・足根骨の矯正
局所的には、足関節や足根骨のアライメント調整を行い、足根管内の物理的な圧迫を軽減します。
筋膜・筋肉へのアプローチ
屈筋支帯はふくらはぎの筋肉の筋膜と連続しているため、ふくらはぎの筋緊張が高まると足根管の圧迫が増します。
鍼灸や手技による筋膜リリース、トリガーポイント療法により緊張を緩和します。
また、母指外転筋や長母指屈筋・長趾屈筋・後脛骨筋といった神経周囲の筋肉にも反応点(トリガーポイント)が存在するため、必要に応じてその部分の調整も行います。
まとめ
【横須賀市で足根管症候群にお悩みの方へ|一会整骨院】
足根管症候群は、足首の内くるぶし付近にある「足根管」で神経が圧迫され、足裏や指にしびれ・痛みが出る症状です。原因は、足首の歪みや骨盤の傾き、筋肉や靴の影響、神経の障害など多岐にわたります。
一会整骨院では、骨盤・背骨のバランス調整、足関節の矯正、ふくらはぎや足裏の筋膜リリースなどにより、足根管内の圧迫を改善し、根本からの症状緩和を目指します。
歩行時のしびれや足裏の違和感でお悩みの方は、早めのご相談をおすすめします。