こんにちは。神奈川県横須賀市根岸町の一会整骨院です。
「腰痛の治療で、なぜ呼吸の筋肉を診るの?」
当院で施術を受けられた方から、こんな質問をいただくことがあります。実は、呼吸をする時に働く「横隔膜」という筋肉は、腰痛と深い関係があるのです。
今回は、一見すると腰とは関係なさそうな横隔膜が、なぜ腰痛治療に重要なのかを、分かりやすく解説します。この記事を読めば、「腰痛を根本から治すには、体全体を診る必要がある」という当院のアプローチの意味がご理解いただけるはずです。
横隔膜って何?どこにあるの?

横隔膜の位置
横隔膜は、肋骨の内側にあるドーム型の大きな筋肉です。胸とお腹を仕切る「仕切り板」のような役割をしています。
イメージしやすく言うと:
- みぞおちの奥にある
- 肺の真下にある
- 肋骨の下縁に沿って広がっている
- パラシュートを逆さにしたような形
横隔膜の付着部位
横隔膜は以下の場所に付着しています:
- 前側:胸骨(胸の真ん中の骨)の裏側
- 横側:肋骨の内側(第7〜12肋骨)
- 後ろ側:腰椎(腰の骨)の前面
ここが重要なポイント! 横隔膜は実は腰椎に直接付着しているのです。具体的には、第1〜3腰椎(腰の一番上から3番目まで)の前面に、「横隔膜脚」と呼ばれる腱のような部分でしっかりとくっついています。
横隔膜の3つの重要な役割

役割1:呼吸の主役
呼吸のメカニズム
息を吸う時:
- 横隔膜が収縮(力が入る)
- ドーム型が平らになるように下がる
- 胸腔(肺のスペース)が広がる
- 肺に空気が入る
息を吐く時:
- 横隔膜が弛緩(力が抜ける)
- ドーム型に戻る
- 胸腔が狭くなる
- 肺から空気が出る
私たちは1日に約2万回呼吸をしています。つまり、横隔膜は1日2万回も動いている筋肉なのです。
役割2:体幹を安定させる「インナーユニット」の一部
横隔膜は、腰を安定させる4つの筋肉「インナーユニット」の一員です。
インナーユニットとは?
体の中心部を安定させる4つの筋肉:
- 横隔膜(天井)
- 腹横筋(側面と前面)
- 多裂筋(背面)
- 骨盤底筋群(底面)
この4つが協調して働くことで、体幹が安定し、背骨が守られます。
箱をイメージしてください:
- 天井 → 横隔膜
- 壁 → 腹横筋と多裂筋
- 底 → 骨盤底筋群
この「筋肉の箱」がしっかり働くことで、腰椎が安定し、腰痛が予防されるのです。
役割3:腹圧を調整する
腹圧とは? お腹の中の圧力のことです。
重い物を持つ時や力を入れる時:
- 息を止める
- 横隔膜が下がる
- 腹横筋がお腹を締める
- お腹の中の圧力が高まる
- 腰椎が内側から支えられる
この「腹圧」が適切にかかることで、腰への負担が軽減されます。
横隔膜と腰痛の深い関係
関係1:大腰筋との直接的なつながり
ここが最も重要なポイントです!
大腰筋とは?
- 腰椎から太ももの付け根(小転子)までつながる深層筋
- 股関節を曲げる(足を上げる)動作に働く
- 姿勢の維持に重要な役割
驚きの事実:大腰筋と横隔膜は付着部が重なっている!
横隔膜の「横隔膜脚」と大腰筋は、両方とも腰椎の前面に付着しています。具体的には:
- 横隔膜脚:第1〜3腰椎の前面
- 大腰筋:第12胸椎〜第5腰椎の前面
つまり、第1〜3腰椎では、横隔膜と大腰筋が隣り合って、または重なり合って付着しているのです。
これが何を意味するか?
- 一方が硬くなれば、もう一方も硬くなる
- 横隔膜が硬い → 大腰筋も硬くなりやすい
- 大腰筋が硬い → 横隔膜も硬くなりやすい
- 腰椎への影響が重複する
- 両方とも腰椎を前に引っ張る
- 同時に硬くなれば、腰椎への負担が倍増
- 腰椎のカーブが乱れる
- 相互に影響し合う
- 呼吸が浅い → 横隔膜が硬い → 大腰筋も硬い → 腰痛
- 長時間座る → 大腰筋が短縮 → 横隔膜も影響 → 呼吸が浅い
関係2:筋膜でのつながり
筋膜とは? 筋肉を包む薄い膜のことです。全身の筋肉がこの膜でつながっており、まるで全身タイツのように体全体を覆っています。
深層前面ライン(Deep Front Line)
解剖学者トーマス・マイヤーズが提唱した「アナトミー・トレイン」理論によると、横隔膜と大腰筋は「深層前面ライン」という筋膜のつながりの中で、直接つながっています。
深層前面ラインの流れ:
足底 ↓ ふくらはぎ深層 ↓ 膝裏 ↓ 太もも内側深層 ↓ 大腰筋 ↓ 横隔膜 ↓ 心膜(心臓を包む膜) ↓ 首の深層
このように、横隔膜と大腰筋は筋膜を通じて連結しており、一方の緊張や動きの制限は、もう一方に直接影響を与えます。
具体例:
- 足首を捻挫 → 深層前面ラインに影響 → 大腰筋が緊張 → 横隔膜にも影響 → 呼吸が浅くなる
- ストレスで呼吸が浅い → 横隔膜が硬い → 筋膜を通じて大腰筋に伝わる → 腰痛
関係3:呼吸パターンの乱れによる影響
正常な呼吸:
- 横隔膜が主役
- お腹が膨らむ「腹式呼吸」
- リラックスした呼吸
乱れた呼吸:
- 首や肩の筋肉が主役に
- 胸が上がる「胸式呼吸」
- 浅く速い呼吸
呼吸の乱れが腰痛を引き起こすメカニズム:
- ストレスや不安 ↓
- 呼吸が浅く速くなる ↓
- 横隔膜をあまり使わなくなる ↓
- 横隔膜が硬くなる ↓
- 大腰筋にも影響(筋膜と付着部のつながり) ↓
- 腰椎への負担増加 ↓
- 腰痛発症
さらに:
- 腰痛による不安・ストレス ↓
- 呼吸がさらに浅くなる ↓
- 悪循環
関係4:姿勢への影響
猫背と横隔膜:
猫背の姿勢では:
- 胸が縮こまる
- 横隔膜が十分に下がれない
- 呼吸が浅くなる
- 横隔膜が硬くなる
- 大腰筋も硬くなる
- 腰椎への負担増加
デスクワークと横隔膜:
長時間座っていると:
- 大腰筋が短縮(股関節が曲がったまま)
- 横隔膜も影響を受ける(付着部と筋膜のつながり)
- 呼吸が浅くなる
- インナーユニットが働かない
- 腰痛発症
横隔膜が硬くなる原因
1. ストレス・不安
精神的ストレスは、呼吸を浅く速くします。これにより横隔膜が十分に動かなくなり、硬くなります。
2. 長時間のデスクワーク
前かがみの姿勢が続くと、横隔膜の動きが制限され、硬くなります。
3. 運動不足
体を動かさないと、横隔膜を大きく使う機会が減り、柔軟性が失われます。
4. 口呼吸
鼻呼吸ではなく口呼吸の習慣があると、横隔膜をあまり使わない浅い呼吸になります。
5. 慢性的な腰痛
腰痛があると、無意識に呼吸が浅くなり、横隔膜が硬くなります。これがさらに腰痛を悪化させる悪循環に。
横隔膜が硬いとどうなる?
1. 腰痛が起こりやすい・治りにくい
- 大腰筋への影響
- インナーユニットの機能低下
- 腰椎の安定性低下
2. 呼吸が浅くなる
- 酸素が十分に取り込めない
- 疲れやすい
- 集中力の低下
3. 自律神経の乱れ
- リラックスできない
- 睡眠の質が低下
- ストレスが溜まりやすい
4. 姿勢が悪化する
- 猫背になりやすい
- 肩こりが起こりやすい
一会整骨院での横隔膜へのアプローチ
当院では、腰痛治療において横隔膜の状態を必ず評価し、必要に応じてアプローチを行います。
1. 横隔膜の評価
呼吸パターンのチェック
- 腹式呼吸ができているか
- 呼吸の深さ
- 呼吸のリズム
触診
- 横隔膜の硬さ
- 肋骨の動き
- みぞおち周辺の緊張
姿勢評価
- 胸郭の形
- 肋骨の位置
- 全身のバランス
2. 横隔膜へのアプローチ
筋膜リリース
- 横隔膜周囲の筋膜の癒着を解放
- 深層前面ライン全体への調整
- 大腰筋との連結部への施術
肋骨の調整
- 肋骨の動きを改善
- 横隔膜が動きやすい環境を作る
呼吸指導
- 正しい腹式呼吸の練習
- 横隔膜を意識した呼吸法
3. 大腰筋へのアプローチ
横隔膜と大腰筋は密接につながっているため、両方にアプローチすることで相乗効果が生まれます。
大腰筋のリリース
- 硬くなった大腰筋をほぐす
- 横隔膜への影響も軽減
ストレッチ指導
- 大腰筋のストレッチ
- 横隔膜の動きも改善
自宅でできる横隔膜ケア
1. 腹式呼吸の練習←とても大切””
やり方
- 仰向けに寝る
- 片手をお腹、もう片手を胸に置く
- 鼻からゆっくり息を吸う
- お腹が膨らむのを感じる(胸は動かない)
- 口からゆっくり息を吐く
- お腹がへこむのを感じる
- 5分間続ける
ポイント
- リラックスして行う
- 吸う時間:吐く時間 = 1:2
- 毎日寝る前に実践
2. 肋骨の動きを良くする運動
やり方
- 四つん這いになる
- 大きく息を吸いながら背中を反らす(猫の逆)
- 大きく息を吐きながら背中を丸める(猫のポーズ)
- 10回繰り返す
ポイント
- 呼吸と動きを連動させる
- ゆっくりとした動作で
3. 大腰筋ストレッチ
横隔膜と大腰筋はつながっているため、大腰筋のストレッチも横隔膜に良い影響を与えます。
- 片膝立ちの姿勢
- 後ろの足の付け根を前に押し出す
- 15〜30秒キープ
- 左右それぞれ
まとめ
横隔膜と腰痛の関係(まとめ)
- 解剖学的つながり
- 横隔膜と大腰筋は腰椎で付着部が重なる
- 筋膜(深層前面ライン)でつながっている
- 機能的つながり
- インナーユニットの一員として体幹を安定
- 腹圧の調整で腰椎を支える
- 相互影響
- 横隔膜が硬い → 大腰筋も硬くなる → 腰痛
- 腰痛がある → 呼吸が浅くなる → 横隔膜が硬くなる → 悪循環
腰痛の根本治療には全身アプローチが必要
当院では:
- ✓ 腰だけでなく全身を診る
- ✓ 横隔膜の状態も必ず評価
- ✓ 筋膜のつながりを考慮
- ✓ 呼吸パターンも改善
- ✓ 根本からの改善を目指す
「なかなか良くならない腰痛」 「すぐに戻る腰痛」 「呼吸が浅い、息苦しさもある」
そんな方は、横隔膜にも問題があるかもしれません。 ぜひ一度、当院にご相談ください。
院情報・アクセス
院詳細
| 店舗名 | 一会整骨院 |
|---|---|
| 営業時間 | 午前8:30~12:30 午後15:00~20:00 水曜日、土曜日は午前診療のみ |
| 定休日 | 日曜、祝日 |
| 住所 | 〒239-0807 神奈川県横須賀市根岸町5-21-38 奥山ビル1階右号室 |
| 交通 | バス停「妙真寺」徒歩5分 |
| 駐車場 | 2台 |
| 電話番号 | 046-845-9171 |
