四十肩・五十肩の腱板トレーニング、それだけで本当に良くなりますか?横須賀市の整骨院が解説

    こんにちは。神奈川県横須賀市根岸町の一会整骨院です。

    「整形外科で四十肩と診断されて、腱板のリハビリをしているけど、なかなか良くならない」
    「腱板を鍛えるトレーニングを続けているのに、肩が上がらない」
    「リハビリは頑張っているのに、痛みが改善しない」

    このような悩みで当院に来られる方が先日当院に来院されました。

    実は、四十肩・五十肩の治療では腱板のトレーニングだけでは不十分なケースが多いのです。見落とされがちな重要なポイント、それが「烏口上腕靭帯(うこうじょうわんじんたい)」の問題です。

    今回は、整形外科で行われる腱板トレーニングの意義と限界、そして烏口上腕靭帯へのアプローチの重要性について、詳しく解説します。


    四十肩・五十肩とは?基本を理解する

    四十肩・五十肩は、正式には「肩関節周囲炎」または「癒着性肩関節包炎(凍結肩)」と呼ばれます。

    典型的な経過

    四十肩・五十肩は、3つの時期を経て進行します。

    1. 炎症期(急性期):2〜9ヶ月

    • 激しい痛み
    • 夜間痛が強い
    • 安静時も痛む
    • 徐々に動きが制限される

    2. 拘縮期(慢性期):4〜12ヶ月

    • 痛みは少し落ち着く
    • 肩が固まって動かなくなる
    • 日常生活に大きな支障
    • この時期に腱板トレーニングが開始されることが多い

    3. 回復期:6〜24ヶ月

    • 徐々に可動域が改善
    • 痛みも軽減
    • しかし完全には戻らないことも

    この長い経過の中で、多くの方が整形外科でリハビリを受けることになります。


    整形外科で行われる腱板トレーニングとは

    整形外科のリハビリでは、多くの場合「腱板の強化」が重視されます。では、腱板とは何でしょうか。

    腱板(ローテーターカフ)とは

    腱板は、肩を動かし安定させる4つのインナーマッスルの腱の総称です。

    腱板を構成する4つの筋肉

    1. 棘上筋(きょくじょうきん)

    位置と走行

    • 肩甲骨の上部から始まる
    • 肩峰(肩の出っ張り)の下を通る
    • 上腕骨の大結節(上腕骨の外側の出っ張り)に付着

    役割

    • 腕を横に上げる動作(外転)の開始
    • 特に最初の0〜30度の動きに重要
    • 上腕骨頭を関節窩に引きつけて安定化

    四十肩・五十肩との関係

    • 肩峰との間が狭くなりやすい(インピンジメント)
    • 炎症を起こしやすい
    • 拘縮期には弱化しやすい

    2. 棘下筋(きょくかきん)

    位置と走行

    • 肩甲骨の後面下部から始まる
    • 後ろから肩関節を包むように走る
    • 上腕骨の大結節に付着

    役割

    • 腕を外側に回す動作(外旋)
    • 肩関節の後方安定化
    • 投球動作などで重要

    四十肩・五十肩との関係

    • 四十肩では特に外旋が制限される
    • 棘下筋の弱化・硬さが制限の原因に
    • リハビリで重点的に鍛えられる

    3. 小円筋(しょうえんきん)

    位置と走行

    • 肩甲骨の外側縁下部から始まる
    • 棘下筋の下方を走る
    • 上腕骨の大結節に付着

    役割

    • 棘下筋と同様に外旋
    • 肩関節の後下方安定化
    • 棘下筋の補助

    四十肩・五十肩との関係

    • 棘下筋と共に働く
    • 硬くなると外旋制限の原因に

    4. 肩甲下筋(けんこうかきん)

    位置と走行

    • 肩甲骨の前面(肋骨側)全体から始まる
    • 前方から肩関節を包む
    • 上腕骨の小結節(上腕骨の前側の出っ張り)に付着

    役割

    • 腕を内側に回す動作(内旋)
    • 肩関節の前方安定化
    • 上腕骨頭を後方に引く

    四十肩・五十肩との関係

    • 拘縮期に最も硬くなりやすい
    • 関節包と密着しているため癒着しやすい
    • 内旋制限の主な原因

    なぜ整形外科は腱板トレーニングを重視するのか

    腱板が弱くなると、上腕骨頭(肩の球体部分)が関節窩(受け皿)の中で不安定になります。すると:

    1. 上腕骨頭が上方に移動しやすくなる
    2. 肩峰との間が狭くなる(インピンジメント)
    3. さらに炎症が悪化する
    4. 痛みと可動域制限が増す

    このため、腱板を強化して上腕骨頭を安定化させることは、理論的には正しいアプローチです。

    腱板トレーニングの具体例

    整形外科でよく行われるトレーニング:

    • セラバンドを使った外旋運動(棘下筋・小円筋)
    • 横向きに寝ての外転運動(棘上筋)
    • 前方挙上運動
    • プーリーを使った内旋運動(肩甲下筋)

    これらは確かに重要です。しかし、これだけでは良くならない方が多いのも事実なのです。


    腱板トレーニングだけでは良くならない理由

    当院に来られる患者さんの多くが、「整形外科で何ヶ月もリハビリしたけど良くならない」とおっしゃいます。なぜでしょうか。

    理由1:関節包の癒着は筋トレでは改善しない

    四十肩・五十肩の本質は、関節包の癒着です。関節包は関節を包む袋状の組織で、これが炎症を起こし、硬く縮んで癒着します。

    筋肉をいくら鍛えても、関節包の癒着は改善しません。硬い関節包が可動域を制限している状態で筋トレをしても、無理な力がかかるだけで、かえって痛みが増すこともあります。

    理由2:靭帯の硬さが見落とされている

    肩関節には複数の靭帯があり、これらが硬くなることで可動域が制限されます。特に重要なのが「烏口上腕靭帯」です。

    多くの治療では、この靭帯の問題が見落とされています。腱板をいくら鍛えても、靭帯が硬いままでは肩は上がりません。

    理由3:痛みがあるまま無理にトレーニングしている

    拘縮期に入ると痛みは落ち着きますが、それでも動かすと痛む場合があります。この状態で無理に筋トレを続けると、炎症が再燃し、改善が遅れることがあります。


    見落とされがちな重要ポイント:烏口上腕靭帯

    ここが最も重要なポイントです。四十肩・五十肩で肩が上がらない原因の一つに、烏口上腕靭帯の硬さ・短縮があります。

    烏口上腕靭帯とは

    烏口上腕靭帯(うこうじょうわんじんたい )は、肩関節の安定性に関わる重要な靭帯です。

    位置と走行

    起始:烏口突起(うこうとっき)

    • 肩甲骨の前上部にある、カラスのくちばしのような突起
    • 鎖骨の下、胸の前側に触れることができる

    停止:上腕骨の大結節と小結節

    • 上腕骨の上部、前側と外側の出っ張り部分

    走行の特徴

    • 烏口突起から扇状に広がる
    • 肩関節の前上方を覆う
    • 関節包の一部と融合している
    • 棘上筋の腱、肩甲下筋の腱の上を横切る

    烏口上腕靭帯の役割

    1. 肩関節の安定化

    烏口上腕靭帯は、肩関節が過度に動きすぎないように制限する役割があります。

    • 下垂時(腕を下ろしている時)の安定性
    • 外旋(腕を外に回す)の制限
    • 後方への過度な動きの制限

    2. 関節包の補強

    関節包の前上部を補強し、肩関節全体の構造的な強度を保ちます。

    3. 二頭筋長頭腱の保護

    上腕二頭筋の長頭腱が通るトンネル(結節間溝)の上に屋根のように張っており、腱が外れないように保護しています。

    烏口上腕靭帯が硬くなると何が起こるか

    四十肩・五十肩では、烏口上腕靭帯が硬く・短くなります。すると:

    1. 外旋制限

    烏口上腕靭帯は外旋を制限する役割があるため、硬くなるとさらに外旋が制限されます。

    • 髪を洗う動作ができない
    • エプロンの紐が結べない
    • 背中に手が回らない

    2. 挙上制限

    腕を上げる動作(屈曲・外転)では、上腕骨が外旋しながら上がります。烏口上腕靭帯が硬いと、この外旋が制限されるため、腕が上がりにくくなります。

    3. 関節包全体の癒着を促進

    烏口上腕靭帯は関節包と融合しているため、靭帯が硬くなると関節包全体の癒着を促進します。

    4. 腱板の動きを制限

    烏口上腕靭帯は棘上筋や肩甲下筋の腱の上を横切っているため、硬くなるとこれらの腱の滑走(滑らかな動き)を妨げます。

    つまり、腱板をいくら鍛えても、烏口上腕靭帯が硬いままでは、肩は十分に動かないのです。


    烏口上腕靭帯を緩めると起こる変化

    当院で烏口上腕靭帯へのアプローチを行うと、多くの患者さんが以下のような変化を実感されます。

    1. 外旋可動域の即座の改善

    烏口上腕靭帯を緩めた直後、外旋の可動域が改善することが非常に多いです。

    施術前:外旋20度しかできない
    施術後:外旋40〜50度できるようになる

    このような劇的な変化を、その場で実感される方も少なくありません。

    2. 挙上可動域の改善

    外旋ができるようになると、腕を上げる動作も改善します。

    理由:腕を上げる時には上腕骨が外旋する必要があるため、外旋ができないと腕は上がりません。烏口上腕靭帯が緩むことで外旋が可能になり、結果として挙上も改善します。

    3. 痛みの軽減

    烏口上腕靭帯が硬いと、動かすたびに靭帯が引っ張られて痛みが出ます。靭帯を緩めることで、この痛みが軽減します。

    4. 腱板の機能改善

    烏口上腕靭帯が緩むと、その下を通る腱板(特に棘上筋・肩甲下筋)の滑走性が向上します。すると、腱板トレーニングの効果も出やすくなります。

    つまり、烏口上腕靭帯を緩めることは、腱板トレーニングの効果を最大化するための前提条件なのです。


    一会整骨院での四十肩・五十肩へのアプローチ

    当院では、腱板のトレーニングも大切ですが、それと同時に(あるいはそれ以前に)烏口上腕靭帯を含めた関節包・靭帯へのアプローチを重視しています。

    ステップ1:詳細な評価

    可動域の測定

    • 屈曲(前に上げる)
    • 外転(横に上げる)
    • 外旋(外に回す)
    • 内旋(内に回す)

    どの動きが、どの程度制限されているかを正確に把握します。

    組織の硬さの評価

    • 関節包の硬さ
    • 烏口上腕靭帯の硬さ
    • 腱板の状態
    • 肩甲骨の動き

    触診で、どの組織が問題の原因になっているかを特定します。

    ステップ2:烏口上腕靭帯へのアプローチ

    烏口上腕靭帯の位置の特定

    烏口突起を触診で特定し、そこから上腕骨に向かう靭帯の走行を確認します。

    リリーステクニック

    烏口上腕靭帯に対して、優しく持続的な圧をかけながら、ゆっくりと伸ばしていきます。

    重要なポイント

    • 強い力は使わない(靭帯は急に伸ばすと損傷する)
    • 患者さんの呼吸に合わせて行う
    • 痛みが出ない範囲で行う
    • 数分間かけてゆっくりと

    モビライゼーション

    靭帯を緩めながら、肩関節を優しく動かします。これにより、靭帯と関節包の癒着を解放します。

    ステップ3:関節包全体へのアプローチ

    烏口上腕靭帯だけでなく、関節包全体の癒着を解放します。

    前方関節包

    • 肩甲下筋と融合している部分
    • 内旋制限の主な原因

    後方関節包

    • 棘下筋・小円筋と関連
    • 内旋制限、屈曲制限の原因

    下方関節包

    • 挙上制限の主な原因
    • 最も癒着しやすい部分

    ステップ4:肩甲骨の動きの改善

    肩関節だけでなく、肩甲骨の動きも重要です。

    肩甲骨の動きが悪いと:

    • 肩関節だけで腕を上げようとする
    • 肩関節に過度な負担
    • 可動域が制限される

    肩甲骨周囲筋のリリース

    • 僧帽筋
    • 菱形筋
    • 前鋸筋
    • 小胸筋

    これらの筋肉を緩め、肩甲骨が滑らかに動くようにします。

    ステップ5:腱板のトレーニング(適切なタイミングで)

    烏口上腕靭帯や関節包が十分に緩んだ段階で、腱板のトレーニングを開始します。

    ポイント

    • 痛みが出ない範囲で
    • 軽い負荷から始める
    • 正しいフォームで
    • 段階的に負荷を増やす

    当院で指導するトレーニング

    棘上筋のトレーニング

    • 横向きに寝て、軽いダンベルで外転
    • 500g〜1kgから始める

    棘下筋・小円筋のトレーニング

    • セラバンドで外旋運動
    • 肘を体側につけて行う

    肩甲下筋のトレーニング

    • セラバンドで内旋運動
    • 適度な負荷で

    ステップ6:日常生活指導

    避けるべき動作

    • 痛みを我慢して無理に動かす
    • 重い物を持ち上げる
    • 急な動作

    推奨する動作

    • 痛みのない範囲でこまめに動かす
    • 温める(入浴など)
    • 良い姿勢を保つ

    よくある質問

    Q1. 整形外科のリハビリは無駄だったのですか?

    A. いいえ、無駄ではありません。腱板のトレーニング自体は重要です。ただし、それだけでは不十分なケースが多いということです。烏口上腕靭帯や関節包を緩めた上で腱板トレーニングを行えば、より効果的です。

    Q2. 烏口上腕靭帯を緩めるのは痛いですか?

    A. 当院では、痛みが出ない範囲で施術となりますが、多くの方が最初は痛みを感じます。どうしても硬くなっている部位ですので、お話を伺いながら行います。無理に強く押したり引っ張ったりすることはありません。

    Q3. どのくらいで良くなりますか?

    A. 症状の程度や経過した期間によりますが、多くの方が8〜12回の施術で大きな改善を実感されます。烏口上腕靭帯が緩めば、初回から可動域の改善を実感できることも多いです。

    Q4. 自分で烏口上腕靭帯を緩めることはできますか?

    A. 位置の特定や適切な力加減が難しいため、専門家に任せることをおすすめします。ただし、セルフケアとしてできる方法もお伝えしますので、ご相談ください。


    まとめ:腱板トレーニングと烏口上腕靭帯、両方が大切

    整形外科で行われる腱板トレーニングは重要です

    • 棘上筋・棘下筋・小円筋・肩甲下筋の4つの筋肉
    • 肩関節の安定化に不可欠
    • 四十肩・五十肩のリハビリの基本

    しかし、それだけでは不十分なケースが多い

    • 関節包の癒着は筋トレでは改善しない
    • 烏口上腕靭帯の硬さが見落とされている

    烏口上腕靭帯を緩めることが重要

    • 外旋制限の主な原因
    • 挙上制限にも影響
    • 腱板の滑走性を改善
    • 腱板トレーニングの効果を最大化

    一会整骨院でのアプローチ

    1. 詳細な評価
    2. 烏口上腕靭帯のリリース
    3. 関節包全体のモビライゼーション
    4. 肩甲骨の動き改善
    5. 適切なタイミングで腱板トレーニング

    「整形外科で腱板トレーニングを頑張っているのに良くならない」
    「リハビリを続けているけど、肩が上がらない」
    「本当の原因を知りたい」

    そんな方は、ぜひ一度当院にご相談ください。
    腱板だけでなく、烏口上腕靭帯にも着目した総合的なアプローチで、根本改善を目指します。


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