こんにちは。神奈川県横須賀市根岸町の一会整骨院です。
「歩き方が痛々しいから、手術した方がいいんじゃない?」
「このまま悪くなったらどうするの?早めに手術を考えた方がいいよ」
変形性股関節症で当院に来られる患者さんの多くが、家族や友人からこのような言葉をかけられた経験があるとおっしゃいます。周りの方々の心配は、もちろん患者さんを思ってのことでしょう。しかし、言われた本人は複雑な思いを抱えています。
「手術は怖い」「できれば手術せずに何とかしたい」「でも、このまま悪化したらどうしよう」
手術に対する抵抗感、不安、そして周囲の期待や心配。様々な思いが交錯する中で、患者さんは悩んでいらっしゃいます。
今回は、変形性股関節症において、手術が本当に必要なのか、それとも保存療法で改善できるのか、その見極めのポイントについて、詳しくお話しします。
手術か保存療法か、その見極めの基準
変形性股関節症の治療において、手術をするべきか、それとも保存療法を続けるべきか。この判断は、医師でも意見が分かれることがあります。なぜなら、絶対的な基準というものが存在しないからです。
しかし、一つの重要な目安があります。それが「日常生活動作がどこまでできるか」という視点です。
自分で爪が切れますか?
一つ目の目安は、「自分で足の爪が切れるか」です。
足の爪を切るという動作を考えてみてください。椅子に座り、足を反対の膝の上に乗せる。あるいは、前かがみになって足先に手を伸ばす。これらの動作には、股関節の屈曲(曲げる)と外旋(外側に開く)が必要です。
変形性股関節症が進行すると、この動作ができなくなります。股関節が十分に曲がらない、痛みで足を持ち上げられない、前かがみになれない。結果として、自分で爪が切れなくなるのです。
自分で爪が切れないということは、日常生活において、他者の助けが必要になっているということです。これは、生活の質(QOL)が著しく低下している一つのサインと言えます。
自分で靴下が履けますか?
二つ目の目安は、「自分で靴下が履けるか」です。
靴下を履くという動作も、足の爪を切るのと同様に、股関節の屈曲と外旋が必要です。立った状態で片足を上げて履く、あるいは座った状態で前かがみになって履く。どちらの方法でも、股関節の可動域が必要です。
靴下が履けないということは、毎朝、誰かの助けを借りなければ外出の準備ができないということです。これもまた、日常生活の自立度が低下している重要なサインです。
なぜこれらの動作が目安になるのか
爪切りや靴下を履くという動作は、日常生活の中で毎日行われる基本的な動作です。これらができないということは、単に股関節の可動域が制限されているというだけでなく、日常生活において継続的に他者の助けが必要になっているということを意味します。
医療の目的は、単に病気を治すことではなく、その人の生活の質を維持し、向上させることにあります。自分でできることが自分でできなくなる。これは、生活の質が著しく低下しているということであり、手術を検討する一つの重要な基準となるのです。
ただし、これはあくまで「一つの目安」であり、絶対的な基準ではありません。爪が切れなくても、靴下が履けなくても、痛みが少なく、他の日常生活動作ができていれば、保存療法を続けるという選択肢もあります。逆に、これらの動作ができていても、激しい痛みで日常生活に支障があれば、手術を検討することもあります。
最終的な判断は、医師との相談の上で、患者さん自身が決めることです。しかし、この「自分で爪が切れるか」「自分で靴下が履けるか」という視点は、今の自分の状態を客観的に評価する上で、非常に有用な指標となります。
手術への抵抗感は当然のこと
「手術は怖い」「できれば手術したくない」
このような気持ちは、決して弱さではありません。体にメスを入れるということに抵抗を感じるのは、ごく自然な感情です。
股関節の手術、特に人工股関節置換術は、大きな手術です。全身麻酔下で行われ、入院期間も数週間に及びます。リハビリテーションも長期間必要です。手術後の制限もあります。感染や脱臼といった合併症のリスクもゼロではありません。
これらのことを考えれば、手術に抵抗を感じるのは当然です。まして、一度入れた人工関節は、いずれ再置換が必要になる可能性もあります。若い方であれば、人生の中で複数回の手術を受けることになるかもしれません。
だからこそ、「できれば手術せずに何とかしたい」と考えるのは、極めて自然で、理性的な判断なのです。
保存療法で何ができるのか
では、手術をしない場合、保存療法で何ができるのでしょうか。変形性股関節症において、保存療法の目的は、痛みを軽減し、機能を維持・改善し、進行を遅らせることにあります。
痛みの強い時期の対応
変形性股関節症には、痛みが強い時期と比較的落ち着いている時期があります。痛みが強い急性期には、まず痛みを軽減することが最優先です。
この時期に無理に体操やトレーニングを行うことは推奨されません。炎症が起きている組織に過度な負荷をかけることで、かえって炎症を悪化させる可能性があるからです。
痛みが強い時期には、安静を保ち、必要に応じて消炎鎮痛剤を使用し、患部を冷やすことが基本となります。日常生活でも、痛みを誘発する動作を避け、杖などの補助具を使用することも検討します。
痛みが軽減してからの運動療法の重要性
そして、痛みが軽減してきたら、ここからが本当の勝負です。運動療法、つまり体操やトレーニングを開始することが、保存療法において最も重要なポイントとなります。
なぜ運動療法が重要なのでしょうか。変形性股関節症では、痛みのために股関節を動かさなくなります。すると、股関節周辺の筋肉が弱くなり、関節の可動域が制限されます。筋肉が弱くなると、股関節を支える力が低下し、関節への負担が増します。可動域が制限されると、日常生活動作が困難になります。
この悪循環を断ち切るのが、運動療法です。適切な運動によって、筋力を維持・向上させ、可動域を保ち、関節への負担を軽減することができます。また、筋肉を動かすことで血流が改善し、組織の修復が促進されます。
運動療法は、変形した股関節を元に戻すことはできません。しかし、今ある機能を最大限に活かし、痛みを軽減し、日常生活を快適に送れるようにすることは可能なのです。
YouTubeの動画をすべて鵜呑みにしてはいけない理由
「変形性股関節症 運動」と検索すれば、数多くのYouTube動画が見つかります。理学療法士や医師が解説する運動方法、実際に改善した方の体験談など、有益な情報がたくさんあります。
しかし、注意していただきたいのは、これらの動画で紹介されている運動がすべての方に適しているわけではないということです。
運動の強度は人によって様々
変形性股関節症の程度は、人によって大きく異なります。初期の方もいれば、進行期の方もいます。痛みの程度も、筋力の状態も、可動域の制限も、一人一人違います。
ある方にとって適切な運動が、別の方にとっては過度な負荷になることがあります。逆に、ある方にとっては物足りない運動が、別の方にとってはちょうど良いこともあります。
YouTube動画は、不特定多数の視聴者に向けて作られています。そのため、一般的に安全とされる運動が紹介されることが多いのですが、それが必ずしもあなたに最適とは限りません。
間違った運動で症状が悪化することも
適切でない運動を行うことで、症状が悪化するリスクもあります。可動域を超えて無理に動かそうとすると、関節包や靭帯を痛めることがあります。痛みがあるのに無理に筋トレを行うと、炎症を悪化させることがあります。
また、フォームが間違っていると、本来鍛えるべき筋肉ではなく、別の筋肉に負荷がかかってしまいます。これでは、いくら頑張っても効果が出ないばかりか、余計な場所に痛みが出てしまうこともあります。
専門家の指導を受けることの重要性
だからこそ、運動療法を始める際には、整骨院や理学療法士など、専門家の指導を受けることが非常に重要なのです。
専門家は、あなたの股関節の状態を詳しく評価します。可動域はどの程度か、どの筋肉が弱いのか、どの動作で痛みが出るのか。これらを総合的に判断した上で、あなたに最適な運動プログラムを組み立てます。
そして、実際に運動を行う際には、フォームをチェックし、負荷が適切かを確認します。痛みが出ていないか、正しい筋肉が使えているか。細かく観察しながら、必要に応じて修正します。
また、経過を見ながら、運動の内容を調整していきます。最初は簡単な運動から始め、筋力がついてきたら徐々に負荷を上げる。可動域が改善してきたら、新しい運動を追加する。このような段階的なアプローチが、安全で効果的な運動療法には不可欠です。
YouTube動画は、知識を得るため、運動の参考にするためには非常に有用です。しかし、それをそのまま実践する前に、一度専門家に相談することをお勧めします。「この運動は私に合っていますか?」「正しいフォームでできていますか?」このような確認を受けることで、安全で効果的な運動療法が可能になります。
保存療法を成功させるために大切なこと
保存療法で変形性股関節症を管理していくためには、いくつかの大切なポイントがあります。
継続すること
運動療法は、一度や二度行っただけでは効果は出ません。筋力をつけるには時間がかかります。可動域を維持するには、継続的に動かし続ける必要があります。
週に数回、できれば毎日、少しずつでも運動を続けることが大切です。一度にたくさん行うよりも、少量でも毎日続ける方が、長期的には効果的です。
無理をしないこと
継続することは大切ですが、無理は禁物です。痛みを我慢して運動を続けることは、かえって症状を悪化させます。
「少し頑張れば痛い」程度の運動は効果的ですが、「かなり痛い」「痛みが翌日まで続く」というような運動は、やりすぎです。痛みと相談しながら、適切な負荷を見つけることが大切です。
日常生活での工夫
運動療法だけでなく、日常生活での工夫も重要です。体重管理、適切な靴の選択、杖などの補助具の使用、生活環境の整備。これらの小さな工夫の積み重ねが、股関節への負担を軽減します。
定期的な評価
保存療法を続けていく中で、定期的に状態を評価することも大切です。症状は改善しているのか、悪化しているのか、現状維持なのか。客観的に評価することで、今の治療方針が適切かどうかを判断できます。
もし、保存療法を十分に行っているにもかかわらず、症状が進行し、日常生活動作が著しく制限されるようになったら、その時は手術を検討する時期かもしれません。
まとめ
変形性股関節症において、手術をするべきか、それとも保存療法を続けるべきか。この判断は簡単ではありません。
一つの目安として、「自分で爪が切れるか」「自分で靴下が履けるか」という日常生活動作があります。これらができなくなっているということは、生活の質が著しく低下しているということであり、手術を検討する時期かもしれません。
しかし、これはあくまで一つの目安です。手術に抵抗を感じることは、決して弱さではありません。できる限り保存療法で管理していきたいと考えることは、極めて自然な判断です。
保存療法において最も重要なのは、痛みが軽減してからの運動療法です。適切な運動によって、筋力を維持・向上させ、可動域を保ち、痛みを軽減することができます。
ただし、YouTube動画などの情報をすべて鵜呑みにすることなく、整骨院や理学療法士など、専門家の指導のもとで、あなたに合った運動プログラムを組み立てることが重要です。
そして、継続すること、無理をしないこと、日常生活で工夫すること、定期的に評価すること。これらを守りながら、保存療法を続けていくことで、手術をせずに、快適な日常生活を送れる可能性は十分にあります。
「手術しかない」と諦める前に、まずは適切な保存療法を試してみてください。当院では、変形性股関節症の患者さん一人一人の状態に合わせた、オーダーメイドの運動療法を提案しています。
あなたの股関節と、これからも長く付き合っていくために。一緒に最善の方法を見つけていきましょう。
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