通院の頻度と回復曲線について
~急性期と慢性期でこんなに違う理由~
「どのくらいのペースで通えばいいですか」というご質問は、来院された方からとても多くいただきます。答えは症状によって大きく変わるのですが、実はこの通院ペースこそが回復のスピードを左右する、非常に重要な要素です。今日は急性期と慢性期、それぞれの回復のたどり方の違いについてお話しします。
急性期は「最初の72時間」が勝負を分ける
ぎっくり腰や捻挫など、痛めた直後の急性期には、体の中で炎症が急激に強くなっていく時間帯があります。多くの場合、受傷から72時間ほどでこの炎症がピークを迎えます。ちょうど、鍋を火にかけたときに一気に沸騰していくようなイメージです。この沸騰しきる前の段階でしっかりと手を打てるかどうかで、その後の回復の速さがまったく変わってきます。
当院ではこの時期にPRICE処置を丁寧に行います。PRICE処置とは、捻挫や打撲などのケガをした際に腫れや痛みを最小限に抑え、回復を早めるための「保護・安静・冷却・圧迫・挙上」という5つの応急処置のことです。ここで炎症の広がりを抑えられると、そこから先の組織の修復がスムーズに進み、1ヶ月ほどでかなりの改善を実感される方が多くいらっしゃいます。逆に言えば、この72時間の対応が遅れたり不十分だったりすると、炎症が余計に広がってしまい、同じ怪我でも治りが長引いてしまうことがあります。
先日いらした30代男性の方は、スポーツ中に足首を捻ってしまい、その日のうちに来院されました。腫れが本格的に出る前のタイミングでPRICE処置を開始できたため、初診から1週間で歩行時の痛みがかなり軽減し、1ヶ月後にはスポーツ復帰の目処が立つところまで回復されました。同じ捻挫でも、受傷直後に対応できたケースとそうでないケースとでは、その後の経過が大きく変わることを実感する事例でした。
体が「良い状態」を覚えていくまでのリズム
一方、長年付き合ってきた腰痛や、繰り返す肩こりのような慢性の症状は、事情がまったく異なります。急性期のように一気に良くなるものではなく、体に染み付いた負担のかけ方や姿勢のクセを、少しずつ修正しながら整えていく必要があります。そのため慢性の場合は、まず週1回のペースで通院をスタートしていただくことが多くなっています。この頻度は、体が変化に慣れて安定していくまでの、いわば「土台づくり」の期間だと考えていただくと分かりやすいかもしれません。なお、ご年齢が高く骨や関節に変形がある方や、しびれなどの神経症状でお辛い思いをされている方には、より早く楽になっていただけるよう週2回のペースをご提案することもあります。もちろん、これは一人ひとりの体の状態に合わせてご相談しながら決めていくものです。
ここでひとつ知っておいていただきたいのが、通院のリズムと体の変化の関係です。週1回のペースで少しずつ体を整えているとき、体は「良い状態」を少しずつ覚えていく途中にあります。この時期に極端に間隔があいてしまうと、せっかく覚えかけた良い状態を体がまだキープしきれず、元のクセに戻ろうとする力の方が勝ってしまうことがあります。ちょうど、覚えたての自転車の乗り方をしばらく練習しないと、また少し不安定になってしまうのと似ています。逆に言えば、ここさえ乗り越えれば、体は良い状態を自分で保てる時期に入っていきます。
自宅でのケアは「歯磨き」と同じ感覚で
慢性の症状を根本から整えていくには、通院時の施術だけでなく、ご自宅でのケアの継続が欠かせません。当院では、その方の体の状態に合わせた体操やストレッチを指導させていただいていますが、これは特別な時間を作って頑張るものというより、毎日の歯磨きのように、生活の中に自然と組み込んでいただきたいものです。
正しいフォームを忘れてしまわないように、指導した体操はご自身のスマホで撮影していただいても構いません。実際に動画で確認しながら行っていただくと、フォームのズレに気づきやすく、効果も安定しやすくなります。通院と自宅ケアの両輪がそろって初めて、崩れにくい体へと変わっていきます。
一人ひとりに合わせた施術で、根本的な改善を目指します
その場しのぎの対症療法ではなく、ご自身の症状としっかり向き合い、一人ひとりに合わせた施術で根本的な改善を目指す治療院です。まずは体の状態を確認させてください。
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