
大腿骨頚部骨折の手術後、リハビリはいつから?入院期間と保険適用期間、退院後に多いお悩みについて
横須賀市根岸町の一会整骨院が、手術後のリハビリの流れ、そして「健側までかばって痛くなる」「腰が曲がってきた」といった退院後によくあるお悩みへの向き合い方をご説明します。
大腿骨頚部骨折とはどのような骨折か
大腿骨頚部骨折は、股関節のつけ根、大腿骨の骨頭を支える細くくびれた部分(頚部)が折れてしまう骨折です。ご高齢の方が転倒した際に起こることが多く、骨密度が低下していると、尻もちをつく程度の衝撃でも骨折してしまうことがあります。血流が乏しい部位のため骨がつきにくく、多くのケースで手術による治療が選択されます。
手術には、骨折した部分をスクリューやプレートで固定する骨接合術と、傷んだ骨頭そのものを人工物に置き換える人工骨頭置換術・人工股関節置換術があります。どちらの術式になるかは骨折の型やご年齢、活動性によって異なりますが、いずれの場合も、手術後のリハビリの進め方が、その後の生活の質を大きく左右します。
手術からリハビリ開始までの流れ
近年の治療方針では、廃用症候群(安静による筋力低下や認知機能低下)を防ぐため、できるだけ早い時期からリハビリを開始する「早期離床・早期荷重」の考え方が主流になっています。全身状態や手術内容によって前後しますが、一般的な流れは次のようなイメージです。
このように、手術直後の数日間から少しずつリハビリが始まり、痛みと相談しながら段階的に負荷を上げていくのが基本的な流れです。ただし持病の有無や骨折の状態、認知機能などによって進み方には個人差が大きく、担当医・理学療法士の判断が優先されます。
入院期間の目安
入院期間は病院の方針や患者さんの状態によって幅がありますが、大まかな目安は以下の通りです。
| 時期 | 目安期間・内容 |
|---|---|
| 急性期病院 | 手術を行った病院での入院は、おおむね2〜3週間程度が目安です。全身状態の管理と、起き上がり・立位・歩行器歩行までのリハビリが行われます。 |
| 回復期リハビリ病棟への転院 | 急性期での治療を終えた後、より集中的なリハビリを行うため回復期リハビリテーション病棟へ転院するケースが多く見られます。入院期間はおおむね1〜2ヶ月程度、長い場合は3ヶ月近くに及ぶこともあります。 |
| 入院期間の合計 | 急性期と回復期をあわせて、およそ2〜3ヶ月程度が一つの目安とされています。ご年齢や合併症、受傷前の生活状況によって、これより短い場合も長くなる場合もあります。 |
回復期リハビリ病棟には入院できる上限日数が定められており、大腿骨頚部骨折を含む運動器疾患の場合、原則として90日(高次脳機能障害を伴う重症例などは150日)が上限とされています。この期間内でどこまで歩行能力を取り戻せるかが、退院後の生活を大きく左右します。
リハビリの保険適用期間について
医療保険によるリハビリ(運動器リハビリテーション)には、算定できる日数の上限が定められています。大腿骨頚部骨折は「運動器リハビリテーション料」の対象となり、発症日または手術日から数えて、標準的算定日数は150日とされています。
| リハビリの種類 | 運動器リハビリテーション(大腿骨頚部骨折はこの区分に該当) |
|---|---|
| 標準的算定日数 | 発症・手術日から起算して150日 |
| 回復期リハビリ病棟の入院上限 | 原則90日(重症例など一部は150日) |
| 150日を超えた場合 | 治療の効果が明らかで、状態の改善が期待できると医学的に判断される場合などは、例外的に継続が認められることがあります。要介護認定を受けている方は、医療保険のリハビリから介護保険の通所・訪問リハビリへ移行していく流れが一般的です。 |
150日という期間は、一見長いようにも思えますが、痛みや可動域制限、歩行能力の改善には個人差が大きく、「まだ思うように歩けないのに、算定日数の関係でリハビリの頻度が減ってしまった」と感じる方が少なくないのが実情です。
退院後のリハビリと、よくあるお悩み
退院後は、外来リハビリに通う方、介護保険の通所リハビリ(デイケア)や訪問リハビリを利用する方など、状況に応じて様々な形でリハビリを継続していきます。ただ、この時期になると、骨折した部位そのものよりも、次のようなお悩みを訴えて当院にご来院される方が増えてきます。
患側をかばうことで、健側まで痛くなってくる
骨折した側の脚(患側)をかばう歩き方が長く続くと、支える側の脚(健側)や腰に負担が集中し、健側の股関節や膝、腰までもが痛み出してしまうケースが非常に多く見られます。これは体が無意識に痛みを避けようとする自然な反応ですが、そのままにしておくと左右のバランスがさらに崩れ、悪循環に陥りやすくなります。
腰が曲がってきて、腰や背骨も診てほしい
長期の入院や、患側をかばう姿勢が続くことで、背中や腰が丸くなる、いわゆる円背姿勢が進んでしまう方もいらっしゃいます。骨折部位のリハビリだけでは、こうした姿勢の変化や腰・背骨の負担にまで対応しきれないため、「腰も一緒に診てもらいたい」というお声を多くいただきます。
保険リハビリでできること・できないこと
病院や整形外科でのリハビリは、医師の指示のもとで理学療法士が専門的に行う、大切な治療です。ただし医療保険制度の枠組み上、いくつかの制約があることも事実です。
運動器リハビリテーション料は、算定できる部位や疾患名との関連づけが必要になる仕組みのため、骨折した部位に関連しない範囲、たとえば健側の股関節や腰・背骨全体のケアまで、同じ枠の中で十分に時間をかけて対応することが難しい場合があります。また1回あたりの実施時間や頻度にも制約があり、「もっと時間をかけてじっくり診てほしい」というご要望に応えきれないこともあります。
こうした背景から、病院でのリハビリに満足しきれず、「もっと全身を診てほしい」「かばって痛くなった部分もケアしてほしい」という思いで、当院のような整骨院を頼ってくださる患者さんが少なくありません。
保険リハビリのメリット・デメリット
メリット
- 自己負担額が1〜3割程度に抑えられ、経済的な負担が少ない
- 医師の診断・指示のもとで進められるため、安全性が高い
- 手術直後の不安定な時期に、専門的な管理を受けられる
- 画像検査や薬物療法など、医療機関ならではの対応と一体的に受けられる
デメリット
- 算定日数(150日など)に上限があり、それ以降は継続が難しくなる場合がある
- 1回あたりの時間や頻度に制約があり、じっくり時間をかけにくい
- 骨折部位に関連しない範囲(健側や腰・背骨全体など)まで踏み込んだケアが難しいことがある
- 混雑状況によっては、希望する頻度で通えないこともある
どちらが良い悪いということではなく、保険リハビリには「安全性・経済性」という大きな強みがある一方で、「範囲や時間の制約」という限界もある、という両面を理解しておくことが大切です。
整骨院である当院にできること
当院は整骨院であり、手術やレントゲン検査など、医療機関でなければできない処置を行うことはできません。骨折の直後や、手術が必要な急性期の対応は、必ず整形外科・病院にて受けていただく必要があります。
ただ、手術を終えて保険でのリハビリを受けておられる方、あるいは保険でのリハビリ期間を終えられた方が、「疼痛の緩和」や「かばったことで生じた健側や腰・背骨の不調」に対して、当院で治療を受けられるケースは数多くございます。当院では自費診療を取り入れているため、部位や時間の制約にとらわれず、骨折部位だけでなく健側の股関節や腰・背骨まで含めた全身のバランス調整を行うことができます。
また当院での施術は、整形外科での保険リハビリと並行して受けていただくことも可能です。「病院でのリハビリはこれまで通り継続しながら、当院では痛みの緩和や全身の調整を自費で受ける」という併用の形をとられる患者さんが多くいらっしゃいます。骨盤や背骨の傾きの根本にあるアンバランスにアプローチし、かばい動作によって生まれた負担を少しずつ解消していくことを目指します。
実際にいただくご相談の声
A. 問題ございません。整形外科での保険リハビリと当院での自費施術は、目的や範囲が異なるため、多くの患者さんが併用されています。現在受けておられる治療の内容を伺いながら、無理のない形でご提案いたします。
A. かばい動作による健側の痛みは、当院にご相談いただくことが多いお悩みの一つです。全身のバランスを確認しながら施術いたします。
A. はい、可能です。当院は自費診療のため、算定日数の制限を受けずに継続してケアを行うことができます。
よくあるご質問
A. 状態が安定していれば、手術翌日から座位訓練が、術後数日以内に立位・歩行訓練が始まるケースが一般的です。ただし全身状態や骨折の型によって個人差があります。
A. 急性期病院で2〜3週間、その後回復期リハビリ病棟へ転院した場合は追加で1〜2ヶ月程度、合計で2〜3ヶ月程度が一つの目安です。
A. 運動器リハビリテーションとして、発症・手術日から150日が標準的な算定日数の目安です。状態によって例外的な継続が認められる場合や、介護保険リハビリへの移行が検討される場合があります。
大腿骨頚部骨折の手術後、健側の痛みや腰・背骨のお悩みでお困りの方は、まずは一度ご相談ください。整形外科でのリハビリとの併用も可能です。
ご予約・お問い合わせはこちら駐車場2台完備(横須賀オートパーキング 57・58番)
