こんにちは、横須賀市根岸町にある一会整骨院です。横須賀タウンユースで膝についての掲載をしてから膝の痛みの患者様からの問い合わせを多く頂ております。
新規の患者様との問診の中で多く伺うのが、『ヒアルロン酸注射を打っている』『新聞に載っていたグルコサミンやサプリメントは効果があるのか』という内容です。
そんな質問に簡単に答えるために今回、ブログをまとめました。日々、膝痛で悩む患者さんを診てきた経験から、今日は膝痛に関する「常識」と思われていることの中で、実は誤解されていることについてお話ししたいと思います。
あなたの膝の痛みはよくなる!
最近はテレビやYouTubeで膝の痛みに関する情報が多く出てきています。「この体操を続ければ膝の痛みが治る」や「靴の減り方に左右差がある方は要注意」など様々です。
今回、当院がお伝えするのは、そういった一般的な注意点ではなく、皆さんが病院でお医者さんに伝えられた情報そのものが正しいと思い込んでいる知識が実は間違っているという事です。何をしても良くならない膝の痛みの多くは、正しい知識に基づいた適切な施術が受けられてない可能性が極めて高いと考えれらます。
「医者が勧めるように手術をするしかないのか」と諦めてほしくありません!
科学的な研究結果や文献に基づいて、膝痛治療に関する誤解を解説していきます。えっ?と思う内容もあるかと思います。
軟骨は「すり減る」のではない
整形外科でレントゲン検査を受けた際、多くの方が「軟骨がすり減っているから痛みが出ている」と説明されます。しかし、実は軟骨が物理的に「すり減る」という現象は人体では起こり得ません。
なぜでしょうか?「すり減る」というのは物体同士の間に摩擦が生じることで起こる現象です。この摩擦の強さを表す「摩擦係数」という指標があります。軟骨と軟骨が接触する際の摩擦係数はおよそ「0.005」と言われています。
これがどれほど滑らかかというと、スケートリンクを滑る時の摩擦係数は「0.1」程度。つまり、軟骨の表面はスケートリンクの約20倍も滑らかな状態なのです。このような状態では物理的に「すり減る」ことは考えにくいでしょう。
「でも実際にレントゲンでは軟骨がなくなっているように見えるじゃないか」
そう思われる方もいるでしょう。軟骨がなくなるメカニズムの真実は、「すり減る」のではなく**「溶け出す」または「破壊される」**ことにあります。
関節内に炎症が起こると、関節包という袋の中に関節液が溜まります。この炎症によって軟骨に含まれるコラーゲンなどの組織が変性し、骨を吸収する細胞と骨を作る細胞のバランスが崩れます。結果として、骨が過剰に吸収されることで軟骨が「溶ける」または「破壊される」状態になるのです。
「軟骨がすり減る」という表現は、医師が患者さんに説明しやすいように便宜上使っている言葉であって、実際の生体内のメカニズムとは異なります。
ヒアルロン酸注射の効果は限定的
膝痛治療で最も一般的な方法の一つがヒアルロン酸注射です。当院に来られる膝痛患者さんの約8割以上の方が、過去に整形外科でヒアルロン酸注射を受けた経験があります。
しかし、最新の研究結果によると、ヒアルロン酸注射には大きな効果が見込めないことが明らかになっています。さらに、効果がないだけでなく、有害事象(副作用など)のリスクが1.5倍に増加するという結果も報告されています。注入したヒアルロン酸が体内で吸収されず膝内に残存してしまい腫れが引かないケースもあります。
これまで多くの膝痛患者さんを診てきた私の経験からも、ヒアルロン酸注射の効果は限定的であると感じていました。時折、「注射をしてから痛みが取れた」という方もいらっしゃいますが、これは注射に含まれる微量の鎮痛成分による一時的な効果であることが多いと考えられます。
また、当院には「過去にヒアルロン酸注射で痛みが取れたものの、数年後にまた痛みが再発した」という方も多く来院されます。つまり、ヒアルロン酸注射は根本的な解決にはならず、一時的な対処療法に過ぎないと言えるでしょう。
グルコサミン・コンドロイチンの効果は?
膝痛改善のためにグルコサミンやコンドロイチンのサプリメントを摂取している方も非常に多いです。しかし残念ながら、最新の研究結果によると、これらのサプリメントが膝痛改善に効果があるという明確な証拠は得られていません。
実際の臨床試験では、グルコサミンやコンドロイチンを摂取したグループと摂取していないグループの間に、統計的に有意な差は見られませんでした。
一部の方がサプリメントによって症状が改善したと感じる場合もありますが、これらの結果はプラセボ効果(偽薬効果)による可能性が高いと考えられます。
また、摂取したサプリメントが体内でどのように処理されるかを考えても、効果が現れるメカニズムは疑問が残ります。
サプリメントは胃で消化され、腸で吸収された後、肝臓で代謝され、血流に乗って全身を巡ります。この過程で有効成分がどれだけ残っているのかは定かではありません。
さらに、人体には軟骨成分が全身に存在しています。グルコサミンやコンドロイチンが特定の膝関節だけに選択的に作用するとは考えにくいでしょう。
これらの観点から、グルコサミンやコンドロイチンが膝痛に対して効果を発揮するかについては、科学的根拠が十分でないと言わざるを得ません。
まとめ
膝痛に関する「常識」と思われていることの多くが、実は科学的根拠に基づいていない可能性があります。
- 軟骨は「すり減る」のではなく、炎症によって「溶ける」または「破壊される」
- ヒアルロン酸注射は一時的な効果はあっても根本的な解決にならない場合が多い
- グルコサミン・コンドロイチンのサプリメントは明確な効果が証明されていない
膝痛で悩んでいる方は、これらの情報を踏まえた上で、適切な治療法を選択することが大切です。「もう治らない」と諦めるのではなく、正しい知識に基づいた治療を受けることで改善の可能性はあります。
一会整骨院
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