膝の痛みで整形外科を受診すると決まって言われるのが「軟骨がすり減っている」「膝の骨が変形している」「筋肉が衰えているから歩てい下さい」など決まりセリフのような内容。確かにレントゲン画像上、間違った内容ではありません。しかし他にも着目するところがあります。それが膝蓋下脂肪体です。
近年、理学療法のセミナーでも膝蓋下脂肪体が膝の痛みを発生させていると発表があり、当院でもここにアプローチすることで膝の痛みの改善率をアップすることができています。
今回初めて目にする方もいると思いますから、膝蓋下脂肪体の役割や痛みのメカニズムについて、分かりやすく解説します。
膝蓋下脂肪体とは?

膝蓋下脂肪体は、膝関節内に存在する脂肪組織で、膝蓋骨(お皿)と大腿骨の間に位置しています。この組織は、以下のような重要な役割を果たしています:
- クッション機能:膝関節に加わる衝撃を吸収し、関節を保護します。
- 滑走性の向上:膝の曲げ伸ばしをスムーズにするため、関節運動を補助します。
- 神経と血管が豊富:痛覚を感じやすい構造であり、炎症が起こると痛みをより感じやすい特徴があります。
膝蓋下脂肪体が痛みを引き起こす仕組み
膝蓋下脂肪体は、以下の理由で痛みを引き起こすことがあります
- 炎症:
- 過度な運動や不適切な姿勢により、膝に負担がかかると炎症が発生します。
- 炎症によって余分な血管や神経が形成され、少しの刺激でも強い痛みを感じるようになります。
- 硬化:
- 周辺組織の炎症や筋肉(特に大腿四頭筋)の緊張によって内圧が高まり、脂肪体が硬化します。
- これにより柔軟性が失われ、関節運動時に挟み込まれたり、神経への圧迫が生じて痛みが発生します。
- 変形性膝関節症との関連:
- 関節変形が進行すると膝蓋下脂肪体が委縮し、さらなる痛みを引き起こす可能性があります。
具体的な症状
以下のような症状がある場合、膝蓋下脂肪体が原因となっている可能性があります
- 膝を伸ばしたり曲げたりする際に痛む
- 長時間歩行後に膝下に熱感や腫れを感じる
- 膝をつく動作で強い痛みがある。
当院で行うアプローチ
一会整骨院では、膝蓋下脂肪体由来の痛みに対して以下の施術を提供しています:
- 炎症軽減:超音波治療や冷却療法、テーピングを用いてで炎症を抑えます。
- 筋肉バランス調整:周辺筋肉(特に大腿四頭筋や鵞足に付着する筋肉、膝窩筋)の緊張を緩和する施術を行います。
- 足首や股関節、猫背の施術:膝関節に負担のかかる他の原因へのアプローチ
- 筋肉トレーニング:膝関節の安定性を保つために痛みが出ない範囲でトレーニングを早期に開始します
まとめ
膝の痛みは軟骨や骨の変形だけでなく、膝蓋下脂肪体が関与することがあります。膝蓋下脂肪体は膝の衝撃吸収や滑走性を助ける組織で、炎症や硬化により痛みを引き起こします。一会整骨院では、炎症の軽減や筋肉の調整、関節負担の原因にアプローチし、膝痛改善を目指します。
参考文献
- Edama M et al., Scientific Reports, 2022年:「Morphological characteristics of the infrapatellar fat pad」3。
- 国内研究(科研費プロジェクト):「膝蓋下脂肪体由来神経ペプチドと疼痛発生機序」4。
膝の痛みにお悩みの方は、一会整骨院までお気軽にご相談ください。専門的な知識と技術で、皆様の日常生活をサポートいたします!