仙腸関節炎に対するコルセットの効果と腰痛との関係

    仙腸関節は骨盤の仙骨と腸骨を結ぶ関節で、脊椎の根元に位置し、3-5mmの微小な動きがあると言われ、衝撃吸収や姿勢制御を行っています。中腰作業や繰り返し動作で関節に負荷がかかると、炎症や微小な不適合が生じ、腰痛や臀部・下肢への関連痛を引き起こします。

    当院で腰痛で来られる患者様の多くに仙腸関節の問題を抱えています。産後の腰痛や慢性的な腰痛、坐骨神経痛を伴う腰痛と様々です。仙腸関節炎の治療の一環でコルセットが推奨されています。

    ずっとコルセットを使用することは、筋力低下やコルセットに心意的に頼ってしまう為、お勧め増しませんが、痛みが強い時な特定の動作でコルセットは有効ですのでお伝えしていきます。

    仙腸関節炎の特徴的な症状

    • 片側の腰臀部痛(70%以上が片側性)
    • 動作開始時の疼痛(歩行初期に強く、徐々に軽減)
    • 姿勢制限(長時間の座位困難・仰向け寝苦手)
    • 下肢への放散痛(坐骨神経痛様症状)

    コルセットの作用機序

    骨盤ゴムベルトは仙腸関節を前後から圧迫し

    1. 関節安定化:靭帯の過伸展を防止
    2. 筋活動補助:腹横筋・多裂筋の共同収縮を促進
    3. 姿勢矯正:骨盤前傾・後傾の異常を調整
      臨床研究では、適切な装着で疼痛スコアが平均40%改善し、再発率が32%低下したとの報告があります。

    効果的な装着方法

    タイプ適応ケース効果
    前締め骨盤前傾型仙骨の前方滑り抑制
    後締め骨盤後傾型腸骨の後方移動防止
    ※1日8時間以内の間欠的使用が推奨され、持続的装着は筋萎縮を招くため注意が必要です。

    症例に基づく使用例

    当院(横須賀市根岸町)で実施した30代女性症例:

    • 症状:産後の育児中での中腰の反復動作で右腰部、臀部痛で来院。右仙腸関節炎が見られました
    • 介入:後締めベルト+仙腸関節のアプローチ、 下肢の筋肉調整や背骨の調整を行いました
    • 結果:2週間で疼痛スコア7→2に改善(VAS評価)

    痛みが改善された後は、辛い動作の時だけコルセットを使用するように伝えています。2ヶ月目にはほど痛みなく、コルセットは使用しなくなりました。

    総合的管理の重要性

    コルセット単独では根本治療にならないため、以下の併用療法が必須です

    1. 仙腸関節の調整:股関節や臀部周囲筋、背骨への施術。AKA療法も有効
    2. 安定化エクササイズ:ブリッジ・腹式呼吸
    3. 動作指導:中腰姿勢の指導 正しいしゃがみ方の動作をお伝え

    ブログまとめ(240文字)

    仙腸関節炎には骨盤ゴムベルトが有効です。前締め・後締めを使い分けることで関節安定化と疼痛軽減が期待でき、当院の症例では2週間で疼痛スコア7→2に改善。ただし8時間超の連続使用は筋力低下を招くため、AKA療法や安定化エクササイズとの併用が重要です。横須賀市根岸町、北久里浜・堀ノ内エリアの腰痛に悩む方は、一会整骨院へお越しください。最適なコルセットの使い方や総合的治療プランを個々に合わせて行います。

    参考資料

    1. JCHO仙台病院 腰痛・仙腸関節センター
    2. 日本整形外科学会
    3. 腰痛メディア