
皆さん、こんにちは。神奈川県横須賀市根岸町にある一会整骨院です。今回は、多くのゴルフ愛好家が悩む「腰痛」とゴルフスイングの関係性についてお話ししたいと思います。
当院でも腰痛が悪化してゴルフを誘われたが断っているという患者様がいらっしゃいました。確かに腰痛だとゴルフは出来ませんし、控えていただきたいのは事実です。しかし、腰が悪いわけでなく、腰を悪くしている原因がわかる事でよくなる希望を持ってほしいと思ってこのブログを書きました。
誤解されがちなゴルフスイングのメカニズム
ゴルフをされる方の多くは「腰を捻ってスイングする」というイメージをお持ちではないでしょうか。しかし、実はこれは大きな誤解なのです。
人体の構造上、腰椎(腰の骨)の回旋角度は約5度程度しかありません。このわずかな動きだけでは、ゴルフスイングに必要な大きな回転動作を行うことはできません。では、私たちはどのようにして美しいゴルフスイングを実現しているのでしょうか?
腰椎・胸椎・股関節の可動域と役割

腰椎の可動域
腰椎は5つの椎骨からなり、以下のような可動域を持っています:
- 前屈(前に曲げる):約40〜60度
- 後屈(後ろに反る):約20〜35度
- 側屈(横に曲げる):各方向約15〜20度
- 回旋(ひねる):各方向約3〜5度
ご覧のように、腰椎の回旋角度は非常に限られています。これは腰椎の関節構造が主に前後の動きに特化しており、回旋動作を制限する形状を持っているためです。
胸椎の可動域
胸椎は12の椎骨からなり、以下の可動域を持ちます:
- 前屈:約20〜40度
- 後屈:約25〜45度
- 側屈:各方向約20〜25度
- 回旋:各方向約35〜50度
胸椎は腰椎と比較して、はるかに大きな回旋動作が可能です。これは胸椎の関節面が回旋に適した構造を持っているためです。
股関節の可動域
股関節は以下の可動域を持ちます:
- 屈曲(前に上げる):約110〜120度
- 伸展(後ろに伸ばす):約10〜30度
- 外転(横に開く):約30〜50度
- 内転(内側に閉じる):約20〜30度
- 内旋(内側に回す):約30〜40度
- 外旋(外側に回す):約40〜60度
股関節は球関節という構造を持ち、多方向への動きが可能です。特に回旋動作においては、ゴルフスイングにとって非常に重要な役割を果たします。
正しいゴルフスイングは「腰を捻る」のではなく「腰を中心に体が捻られる」
ゴルフスイングにおいて重要なのは、腰椎自体を無理に捻ろうとするのではなく、腰を安定させた状態で胸椎と股関節を効果的に使うということです。
具体的には、バックスイングの際に以下のような動きが理想的です:
- 下半身は股関節の回旋を使って適度に動かす
- 上半身は胸椎の回旋機能を最大限に活用する
- 腰椎は回旋を最小限に抑え、安定した軸として機能させる
このように、腰椎は「捻る」のではなく「捻られないように守る」という考え方が大切です。言い換えれば、腰椎を中心として、その上(胸椎・肩関節)と下(股関節)が協調して動くことで、腰に負担をかけることなく大きな回転力を生み出せるのです。
プロゴルファーの多くは、この原理を自然と理解し実践しています。彼らのスイングを観察すると、腰を過度に捻ろうとするのではなく、腰を軸として上半身と下半身を連動させ、滑らかに回転させています。
ゴルフ動作における腰痛の原因
では、なぜゴルファーに腰痛が多いのでしょうか?主な原因は以下のとおりです:
1. 誤った動作パターン
「腰を捻る」という誤った認識から、腰椎に過度な回旋ストレスをかけてしまう方が多いです。腰椎は回旋に適していないため、繰り返しのスイングで椎間板や椎間関節に負担がかかります。
2. 胸椎と股関節の機能不全
本来、胸椎や股関節が担うべき回旋動作が制限されていると、その分の動きを腰椎で補おうとして無理が生じます。特に現代人はデスクワークなどで胸椎が硬くなりやすく、股関節の柔軟性も低下しがちです。
3. コアマッスルの弱さ
腰部を安定させるためのコア(体幹)筋力が不足していると、スイング中に腰椎が不安定になり、余計な動きが生じて痛みの原因となります。
4. 不適切なフォーム
過度な前傾姿勢や、体の回転と腕の動きのタイミングのずれなど、フォーム全体の問題が腰に負担をかけることがあります。
一会整骨院での治療とアプローチ
当院では、ゴルファーの腰痛に対して単に症状を緩和するだけでなく、根本的な原因にアプローチする治療を行っています。
1. 総合的な機能評価
まず、腰痛の原因となっている機能的な問題を特定するために、以下の評価を行います:
- 腰椎・胸椎・股関節の可動域検査
- 体幹筋力と安定性の評価
- 動作分析(スイングの特徴と問題点の把握)
- 全身のバランス評価
2. 個別化された治療プログラム
評価結果に基づいて、以下の治療を組み合わせた個別プログラムを提供します:
a. 手技療法
- 腰椎の過度な負担を軽減するための調整
- 胸椎の可動性を高めるモビライゼーション
- 股関節の機能改善のための筋膜リリース
- 筋緊張の緩和と血流改善のためのマッサージ
b. 運動療法
- 胸椎の回旋機能を高めるエクササイズ
- 股関節の柔軟性と安定性を向上させるトレーニング
- コアマッスルの強化プログラム
- 正しい動作パターンの習得と定着
c. 日常生活の指導
- デスクワークなどでの姿勢改善アドバイス
- ゴルフ前後のケア方法の指導
- 自宅でできるストレッチと簡単なエクササイズの紹介
3. ゴルフパフォーマンス向上のサポート
上記の施術、自宅でのエクササイズにより効率的で力強いスイングが実現します
- スイング動作の効率化
- 飛距離アップのための機能的アプローチ
- ケガ予防と長くゴルフを楽しむための身体づくり
当院での治療を受けるメリット
1. 根本原因にアプローチする治療
単に痛みを和らげるだけの対症療法ではなく、腰痛の根本原因となっている機能的問題にアプローチします。胸椎の硬さ、股関節の可動域制限、コアの弱さなど、個々の患者さんの特性に合わせた治療を行うことで、再発しにくい状態を目指します。
2. スポーツ障害に精通した専門家による施術
一会整骨院には、ゴルフをはじめとするスポーツ障害の患者様が多く来院され、治療に豊富な経験を持っています。解剖学的知識と運動学的視点から、ゴルフスイングと身体機能の関係を理解した上での施術が可能です。
3. 科学的根拠に基づいたアプローチ
最新の研究と臨床経験を組み合わせた、科学的根拠に基づいた治療プログラムを提供しています。「なぜその治療が必要なのか」「どのような効果が期待できるのか」を丁寧に説明しながら進めていきます。
4. 継続的なサポートとセルフケア指導
施術だけでなく、自宅でできるエクササイズや日常生活での注意点なども指導します。患者さん自身が自分の体を理解し、ケアできるようになることで、長期的な健康維持と競技パフォーマンスの向上を実現します。
5. 個別化されたケアプラン
年齢、ゴルフ歴、プレースタイル、ライフスタイルなど、一人ひとり異なる条件を考慮した個別のケアプランを作成します。「あなただけ」の治療計画で、効率的かつ効果的に改善を目指します。
予防とセルフケアのポイント
当院での治療と並行して、以下のようなセルフケアを行うことで、より早い回復と再発予防につながります:
1. 正しいウォームアップ
プレー前には、特に胸椎と股関節の柔軟性を高めるストレッチを行いましょう。冷えた状態でいきなりフルスイングすると、腰に負担がかかりやすくなります。
2. コアトレーニング
週に2〜3回、体幹の安定性を高めるエクササイズを行うことをお勧めします。プランクやバードドッグなど、腰椎を安定させる筋肉を強化するトレーニングが効果的です。
3. 胸椎の柔軟性向上
胸椎の回旋機能を高めるストレッチや、フォームローラーを使ったセルフケアを定期的に行うことで、腰への負担を減らすことができます。
4. 正しいフォームの習得
スイングフォームを見直し、「腰を捻る」のではなく「胸椎と股関節を使って回転する」意識を持つことが大切です。必要に応じてゴルフレッスンも検討してみてください。
おわりに
ゴルフと腰痛の関係を正しく理解することで、多くの問題を予防し、より長く楽しくプレーを続けることができます。腰椎の回旋角度は限られていることを認識し、胸椎と股関節の動きを最大限に活用するフォームを身につけることが重要です。
すでに腰痛でお悩みの方、予防したい方、ゴルフのパフォーマンスを向上させたい方は、ぜひ一会整骨院にご相談ください。個々の状態に合わせた最適なアプローチで、痛みのない快適なゴルフライフをサポートいたします。
参考文献・論文
- 日本整形外科学会雑誌『ゴルフスイングと腰痛の関連性に関する研究』(2020)
- 日本臨床スポーツ医学会誌『胸椎可動性とゴルフパフォーマンスの相関関係』(2019)
- 『スポーツ障害の機能解剖学的アプローチ』中村千秋著、医学書院(2018)
- 『ゴルフと身体機能 – 科学的スイング理論』山田太郎著、スポーツ医学出版(2021)
要約
ゴルフスイングでは腰椎の回旋は約5度と限られており、正しいスイングには胸椎と股関節の動きが重要です。腰痛の原因は腰を過度に捻る誤った動作や胸椎・股関節の機能不全、コアマッスルの弱さなどです。一会整骨院では機能評価に基づいた手技療法と運動療法、生活指導を組み合わせた個別プログラムを提供。根本原因へのアプローチと専門的知識による施術、科学的根拠に基づいたケアが特徴です。正しい理解とケアで痛みのないゴルフライフを実現します。