「MRIでヘルニアが見つかったのに痛くない」その理由を解説します

    こんにちは、横須賀市北久里浜エリアにある一会整骨院です。

    当院には腰痛でお悩みの患者様が多く来院されますが、中には「MRI検査でヘルニアがあると言われたけれど、実は痺れがない」という方もいらっしゃいます。反対に、「腰が痛くてMRIを撮ったのにヘルニアは見つからなかった」という方もおられます。

    今回は、なぜ画像検査の結果と実際の症状が一致しないことがあるのか、学術的な研究結果を交えながら、わかりやすく解説いたします。

    腰椎椎間板ヘルニアとは

    まず、腰椎椎間板ヘルニアについて簡単にご説明します。

    背骨は椎骨という骨がいくつも積み重なってできており、その間には「椎間板」というクッションの役割を果たす組織があります。椎間板は中心部にゼリー状の「髄核」と、それを取り囲む「線維輪」という構造でできています。

    椎間板ヘルニアとは、この椎間板の一部が本来の位置から飛び出してしまった状態のことです。飛び出した部分が神経を圧迫すると、腰痛や足のしびれ、痛みなどの症状が現れることがあります。

    驚くべき研究結果:症状のない人の多くにもヘルニアが存在

    ここで注目すべき研究結果をご紹介します。

    1994年に医学雑誌「New England Journal of Medicine」に発表された有名な研究では、腰痛の症状が全くない健康な成人98名にMRI検査を行いました。その結果、驚くべきことが判明しました。

    60歳未満の症状のない人の約20%に椎間板ヘルニアが発見されました。さらに、60歳以上では約36%の人にヘルニアが見つかったのです。

    つまり、腰痛がない健康な人でも、5人に1人(60歳以上では3人に1人)の割合でヘルニアの画像所見があるということです。

    また、2015年に発表されたより大規模な研究では、症状のない人3,110名を対象にMRI検査を実施しました。その結果:

    • 20代:症状のない人の約19%にヘルニアが存在
    • 30代:約20%
    • 40代:約27%
    • 50代:約32%
    • 60代:約40%
    • 70代:約43%
    • 80代:約50%

    年齢が上がるにつれて、症状がなくてもヘルニアを持つ人の割合が増加することがわかります。

    なぜ画像と症状が一致しないのか?

    1. ヘルニアがあっても神経を圧迫していない場合

    椎間板が飛び出していても、神経に触れていない位置にある場合や、圧迫の程度が軽い場合は症状が現れません。人によって神経の走行や感受性も異なるため、同じようなヘルニアがあっても症状の有無や程度に差が生じます。

    2. 体の適応能力

    私たちの体には優れた適応能力があります。時間をかけてゆっくりとヘルニアが形成された場合、周囲の組織が徐々に適応し、神経への圧迫を回避するような変化が起こることがあります。

    3. 炎症の有無

    ヘルニアによる症状は、単純な物理的圧迫だけでなく、飛び出した髄核が引き起こす炎症反応も大きく関わっています。炎症が少ない場合は、ヘルニアがあっても症状が軽微になることがあります。

    4. 個人差による影響

    痛みの感じ方や神経の敏感さには大きな個人差があります。同じ程度のヘルニアでも、人によって症状の現れ方が大きく異なることは珍しくありません。

    逆のケースも:症状があっても画像に異常がない場合

    一方で、腰痛や足の症状があってもMRIで明らかなヘルニアが見つからない場合もあります。このような場合、以下のような原因が考えられます:

    • 筋肉や靭帯の問題
    • 椎間関節の異常
    • 精神的・社会的要因
    • その他、内科的疾患

    当院での取り組み

    一会整骨院では、画像検査の結果だけでなく、患者様の症状や生活状況を詳しく問診し、整形外科徒手検査や体全体の歪みや癖を総合的に評価して治療方針を決定しています。

    「MRIでヘルニアがあるから手術」「腰痛はあるけど、ヘルニアでないから大丈夫」という単純な判断ではなく、一人ひとりの状態に合わせたアプローチを心がけています。

    腰痛や痺れがある場合は画像結果に関わらず適切にお体全体の治療を行い、症状が消失されたら予防的なケアやアドバイスをお伝えしています。

    まとめ

    腰椎椎間板ヘルニアの画像所見と症状は必ずしも一致しません。学術研究により、症状のない健康な人でも20-50%の方にヘルニアの画像所見があることが明らかになっています。

    大切なのは、画像検査の結果に一喜一憂するのではなく、現在の症状や生活への影響を総合的に評価することです。

    腰痛でお悩みの方、検査結果について疑問をお持ちの方は、ぜひ一度当院にご相談ください。患者様一人ひとりに最適な治療とアドバイスを提供いたします。


    ヘルニアの施術につていはこちらをクリック

    横須賀市で腰痛・ヘルニアでお困りの方は一会整骨院へ

    〒239-0807
    神奈川県横須賀市根岸町5丁目21−38 奥山ビル 1階右号室

    (診療は予約制です)
    【電話受付】
    046-845-9171 施術中は電話にでられない為、新規ご予約の方はline、メールをご活用下さい
    月・火・木・金: 8:30~12:30,15:00~20:00
    水・土8:30~12:30

    診療時間日(祝)
    08:30 – 12:30
    15:00 – 20:00