膝の痛み、本当に軟骨のすり減りだけが原因?横須賀市の一会整骨院

    こんにちは。神奈川県横須賀市根岸町の一会整骨院、院長です。

    「膝が痛くて整形外科に行ったら、変形性膝関節症と言われた」
    「レントゲンで軟骨がすり減っていると言われ、痛み止めとシップだけ渡された」
    「ヒアルロン酸注射を打っているけど、その場しのぎにしかならない」
    「まだ手術するほどではないから、ひどくなったら手術と言われた」

    膝の痛みで当院に来られる方の多くが、このような経験をされています。整形外科でレントゲンを撮り、「軟骨がすり減っている」「半月板が傷んでいる」と診断される。そして、痛み止め、シップ、水抜き、ヒアルロン酸注射という治療を受ける。しかし、なかなか良くならない。

    実は、膝の痛みの原因は、軟骨のすり減りや半月板の損傷だけではありません。鵞足炎、腸脛靭帯炎、膝蓋下脂肪体炎、膝蓋上嚢の問題、そして大腿神経由来の痛みなど、様々な原因があります。そして、これらは一つだけではなく、複数が併発していることが非常に多いのです。

    今回は、膝の痛みの様々な原因について医学的に詳しく解説し、なぜ当院では膝だけでなく全身からアプローチするのかについて、お話しします。


    整形外科での一般的な治療とその限界

    膝が痛くて整形外科に行くと、ほとんどの場合、まずレントゲン検査が行われます。そして、レントゲン画像を見ながら「軟骨がすり減っていますね」「変形性膝関節症です」と説明されます。

    一般的な治療法

    整形外科での治療は、主に以下のようなものです。

    痛み止めの飲み薬が処方されます。NSAIDsと呼ばれる消炎鎮痛剤が一般的です。これは痛みを和らげる効果はありますが、軟骨を修復したり、根本的な原因を改善したりするものではありません。

    シップも処方されます。冷湿布や温湿布がありますが、これも表面的な症状を和らげるだけで、根本治療にはなりません。

    膝に水が溜まっている場合は、注射器で水を抜きます。水が溜まると膝が腫れて曲げにくくなるため、抜くことで一時的に楽になります。しかし、水が溜まる原因が解決されなければ、また溜まってしまいます。

    ヒアルロン酸注射は、軟骨の潤滑を改善する目的で行われます。週に一回、5回を1クールとして行うことが多いです。効果を感じる方もいらっしゃいますが、効果が持続しない、あるいはほとんど効果を感じないという方も少なくありません。

    炎症が強い場合は、ステロイド注射が行われることもあります。ステロイドは強力な抗炎症作用がありますが、繰り返し使用すると軟骨や靭帯を弱くする副作用があるため、使用回数が制限されます。

    「ひどくなったら手術」という説明の問題

    多くの方が医師から「まだ手術するほどではないから、様子を見ましょう。ひどくなったら手術ですね」と言われています。

    この説明には大きな問題があります。それは、「手術する前提」になっているということです。保存療法として、ただ薬を飲んで様子を見るだけでは、根本的な改善は期待できません。むしろ、筋力は落ち、関節は硬くなり、確実に悪化していきます。

    そして、いざ手術となった時には、筋力が大幅に低下し、リハビリに時間がかかるという状況になってしまいます。

    本来、保存療法とは、積極的に運動療法や手技療法を行い、膝の機能を維持・改善させることを指します。ただ様子を見るだけでは、保存療法とは言えないのです。


    膝の痛みの様々な原因

    レントゲンで「軟骨がすり減っている」と言われても、実は痛みの原因は他にあることが非常に多いのです。

    変形性膝関節症

    変形性膝関節症は、膝の軟骨がすり減り、骨同士がぶつかることで痛みや変形が起こる病態です。

    しかし、重要な事実があります。それは、軟骨には神経がないということです。つまり、軟骨がすり減っても、それ自体は痛みを感じません。

    では、何が痛いのでしょうか。軟骨がなくなって骨同士がぶつかると、骨に痛みが出ます。また、関節を包む滑膜が炎症を起こすと、痛みと腫れが出ます。さらに、膝の周辺の筋肉や靭帯、脂肪体などが炎症や緊張を起こすことでも痛みが生じます。

    つまり、レントゲンで軟骨のすり減りが見えても、痛みの本当の原因は他の組織にあることが多いのです。

    鵞足炎(がそくえん)

    鵞足炎は、膝の内側の痛みの代表的な原因です。

    鵞足とは何か

    鵞足は、3つの筋肉(縫工筋、薄筋、半腱様筋)の腱が膝の内側に付着する部分の総称です。この3本の腱が並んで付着している様子が、ガチョウの足に似ていることから「鵞足」と名付けられました。

    なぜ炎症が起こるのか

    歩く、走る、階段の昇降といった動作で、膝は繰り返し曲げ伸ばしされます。この時、鵞足部分では腱が骨の上を滑るように動きます。この摩擦が繰り返されることで、腱や腱の下にある滑液包に炎症が起こります。

    特に、X脚の方、内股歩きの方、ランニングをされる方に多く見られます。

    症状の特徴

    膝の内側、やや下の部分に痛みがあります。押すと痛みがあり、階段の昇降や立ち上がる時に痛みが増します。腫れや熱感を伴うこともあります。

    変形性膝関節症と診断されている方の中にも、実は鵞足炎が主な痛みの原因になっているケースが少なくありません。

    腸脛靭帯炎(ちょうけいじんたいえん)

    腸脛靭帯炎は、膝の外側の痛みの代表的な原因です。

    腸脛靭帯とは何か

    腸脛靭帯は、骨盤の外側(腸骨)から太ももの外側を通り、膝の外側(脛骨)に付着する長い靭帯です。太ももの外側を触ると、硬い帯状の組織を感じることができます。これが腸脛靭帯です。

    なぜ炎症が起こるのか

    膝を曲げ伸ばしする時、腸脛靭帯は大腿骨の外側の出っ張り(外側上顆)の上を前後に移動します。この摩擦が繰り返されることで、靭帯や骨の表面に炎症が起こります。

    特に、O脚の方、外股歩きの方、ランナーに多く見られます。また、腸脛靭帯が硬い方、お尻の筋肉(大殿筋・中殿筋)が弱い方にも起こりやすくなります。

    症状の特徴

    膝の外側に痛みがあります。走る、階段を降りる時に痛みが強くなります。膝を曲げ伸ばしすると、パキッという音がすることもあります。

    膝蓋下脂肪体炎(しつがいかしぼうたいえん)

    膝蓋下脂肪体炎は、意外と知られていませんが、非常に多い膝の痛みの原因です。

    膝蓋下脂肪体とは何か

    膝蓋骨(膝のお皿)のすぐ下、膝蓋腱の後ろ側に、脂肪の塊があります。これが膝蓋下脂肪体です。この脂肪体は、膝の動きに合わせて形を変え、クッションの役割を果たしています。

    なぜ炎症が起こるのか

    膝を深く曲げたり、強く打ったりすると、膝蓋下脂肪体が膝蓋骨と大腿骨の間に挟まれます。これが繰り返されると、脂肪体に炎症が起こります。

    また、膝が腫れて水が溜まると、脂肪体が圧迫されて炎症を起こすこともあります。

    症状の特徴

    膝のお皿の下、膝の前面に痛みがあります。膝を深く曲げる、しゃがむ、階段を降りる時に痛みが強くなります。膝のお皿の下を押すと、強い痛みがあります。

    変形性膝関節症と診断されている方でも、実は膝蓋下脂肪体炎が主な痛みの原因になっていることがあります。脂肪体には豊富な神経が分布しているため、炎症が起こると強い痛みを感じます。

    膝蓋上嚢の問題(しつがいじょうのうのもんだい)

    膝蓋上嚢は、膝蓋骨の上に位置する袋状の構造です。

    膝蓋上嚢とは何か

    膝関節の関節包は、膝蓋骨の上に袋状に伸びています。この部分を膝蓋上嚢と呼びます。通常、この袋は柔らかく、膝の曲げ伸ばしに合わせて伸び縮みします。

    なぜ問題が起こるのか

    膝に炎症があると、膝蓋上嚢に水が溜まります。また、長期間膝を動かさないでいると、膝蓋上嚢が癒着して硬くなります。すると、膝を曲げる時に引っかかりを感じたり、完全に曲げられなくなったりします。

    症状の特徴

    膝を深く曲げられない、膝の上が腫れぼったい、膝を曲げる時に引っかかる感じがする、といった症状が現れます。

    大腿神経由来の痛み

    膝の痛みは、必ずしも膝の局所的な問題だけではありません。神経の問題で膝に痛みが出ることもあります。

    大腿神経とは何か

    大腿神経は、腰椎(第2〜4腰椎)から出て、骨盤の前を通り、太ももの前面、そして膝の前面・内側まで分布する神経です。

    なぜ膝に痛みが出るのか

    大腿神経が腰椎の出口や、骨盤の前を通る部分で圧迫されると、太ももから膝にかけて痛みや痺れが出ます。これを「関連痛」と言います。

    圧迫の原因としては、腰椎椎間板ヘルニア、腰椎の変性、大腰筋という筋肉の過緊張などがあります。

    症状の特徴

    膝の前面や内側に痛みや痺れがあります。太ももの前面にも痛みや痺れを伴うことが多いです。膝を動かしても痛みが変わらず、むしろ腰や股関節の動きで痛みが変化することがあります。

    レントゲンでは膝に異常がないのに痛みがある場合、大腿神経由来の痛みを疑う必要があります。

    複数の原因が併発している

    ここで非常に重要なポイントがあります。それは、これらの痛みは一つだけではなく、複数が併発していることが非常に多いということです。

    例えば、変形性膝関節症がある方が、同時に鵞足炎と膝蓋下脂肪体炎も併発している。あるいは、腸脛靭帯炎があり、さらに大腿神経由来の痛みも加わっている。

    このような場合、一つの原因だけを治療しても、他の原因が残っているため、痛みは完全には改善しません。全体を評価し、それぞれに適切にアプローチする必要があるのです。


    なぜ当院では膝だけでなく全身からアプローチするのか

    当院では、膝の痛みに対して、膝だけを診るのではなく、足首、骨盤、股関節、姿勢など、全身からアプローチします。なぜでしょうか。

    足首の硬さが膝に負担をかける

    足首が硬いと、歩く時やしゃがむ時に、足首が十分に動きません。すると、その分を膝が代償しなければなりません。膝が過度に動くことで、膝への負担が増し、痛みが生じます。

    特に、足首の背屈(つま先を上に向ける動き)が制限されると、しゃがむ時に膝が前に出すぎたり、内側に入ったりします。これが、膝蓋下脂肪体や鵞足への負担を増やします。

    当院では、足首の可動域を評価し、硬くなっている筋肉(ふくらはぎなど)をリリースし、関節の動きを改善します。足首がスムーズに動けば、膝への負担が減ります。

    骨盤の歪みが膝の向きを変える

    骨盤が歪むと、股関節の位置が変わり、太ももの骨(大腿骨)の向きが変わります。すると、膝の向きも変わります。

    骨盤が前傾すると、大腿骨が内旋しやすくなり、膝が内側を向きます(X脚方向)。逆に、骨盤が後傾すると、大腿骨が外旋し、膝が外側を向きます(O脚方向)。

    X脚では膝の内側に、O脚では膝の外側に負担が集中します。これが、鵞足炎や腸脛靭帯炎の原因となります。

    当院では、骨盤の傾きを評価し、調整します。骨盤が正しい位置に戻ることで、膝への負担の偏りが解消されます。

    股関節の硬さが膝に負担をかける

    股関節が硬いと、歩く時や階段を上る時に、股関節が十分に動きません。すると、膝が過度に動いて代償します。

    特に、股関節の伸展(後ろに伸ばす動き)が制限されると、歩く時に膝を過度に曲げて歩くことになります。これが、膝への負担を増やします。

    また、股関節の外転(外に開く動き)や外旋(外に回す動き)が制限されると、膝が内側に入りやすくなります。これが、鵞足炎の原因となります。

    当院では、股関節の可動域を評価し、硬くなっている筋肉(腸腰筋、大腿直筋、内転筋など)をリリースし、股関節の動きを改善します。

    反り腰が膝に負担をかける

    反り腰の方は、骨盤が前傾し、腰が過度に反っています。すると、重心が前方に移動し、膝に過度な負担がかかります。

    また、反り腰では大腿四頭筋(太ももの前の筋肉)が常に緊張します。この筋肉は膝蓋骨を介して膝蓋腱につながっているため、大腿四頭筋の過緊張は膝蓋下脂肪体への圧迫を増やします。

    当院では、反り腰を改善するために、骨盤の調整、腹筋の強化、大腰筋のストレッチなどを行います。正しい姿勢になることで、膝への負担が軽減されます。

    全身のバランスを整えることの重要性

    膝は、体の中で「中間関節」と呼ばれます。上には股関節、下には足首があり、その間にある関節です。

    中間関節は、上下の関節の影響を強く受けます。足首が硬ければ、股関節が硬ければ、骨盤が歪んでいれば、その影響がすべて膝に集中します。

    逆に言えば、足首、股関節、骨盤を整えることで、膝への負担は大幅に軽減されます。

    当院では、膝だけを診るのではなく、全身のバランスを評価し、それぞれの問題に適切にアプローチします。これが、根本的な改善につながるのです。


    まとめ

    膝の痛みの原因は、軟骨のすり減りや半月板の損傷だけではありません。鵞足炎、腸脛靭帯炎、膝蓋下脂肪体炎、膝蓋上嚢の問題、大腿神経由来の痛みなど、様々な原因があります。そして、これらは複数が併発していることが非常に多いのです。

    整形外科での一般的な治療(痛み止め、シップ、水抜き、ヒアルロン酸注射)は、対症療法であり、根本的な改善にはつながりません。ただ様子を見るだけでは、確実に悪化していきます。

    当院では、膝だけでなく、足首、骨盤、股関節、姿勢など、全身からアプローチします。なぜなら、膝の痛みの多くは、膝以外の問題が原因で起こっているからです。

    全身のバランスを整えることで、膝への負担が軽減され、痛みは改善します。手術を検討する前に、まだできることはたくさんあります。

    膝の痛みでお悩みの方は、一人で悩まず、ぜひ一度ご相談ください。


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