これは四十肩・五十肩ですか?

    横須賀市根岸町、北久里浜駅エリアにある一会整骨院 です。
    この質問は肩の痛み患者さんからよく聞かれる質問です。


    「腕が上がらない」「夜中に肩が痛くて目が覚める」といった症状でお悩みではありませんか?それはもしかしたら四十肩・五十肩かもしれません。

    四十肩・五十肩は、正式には「肩関節周囲炎」と呼ばれる症状で、多くの方が経験する肩の痛みです。今回は、この四十肩・五十肩について、その原因から当院での施術法まで、患者さんに分かりやすく丁寧にご説明します。


    四十肩・五十肩とは?なぜ起こるの?


    四十肩・五十肩は、その名の通り40代、50代の方に多く見られる肩の痛みや動きの制限を伴う症状の総称です。医学的には**「肩関節周囲炎(かたかんせつしゅういえん)」**と呼ばれます。肩の関節を構成する筋肉、腱、靭帯、関節包といった組織が炎症を起こしたり、硬くなったりすることで痛みが生じます。

    では、なぜ四十肩・五十肩は起こるのでしょうか?主な原因は以下の通りです。

    1. 加齢による組織の変化

    私たちの体は年齢とともに変化します。肩関節周辺の組織も例外ではありません。加齢によって、筋肉や腱、靭帯は弾力性を失い、硬くなっていきます。これにより、小さな負担でも炎症が起きやすくなったり、組織が損傷しやすくなったりします。例えるなら、若い頃のゴムが柔軟なのに対し、年数が経ったゴムは硬くなり、切れやすくなるようなものです。

    2. 血行不良

    肩関節周辺の血流が悪くなることも、四十肩・五十肩の原因の一つです。血流が悪くなると、筋肉や腱に必要な栄養が届きにくくなり、老廃物が蓄積しやすくなります。これにより、組織の回復が遅れたり、炎症が悪化しやすくなったりします。デスクワークなどで長時間同じ姿勢を続けることや、冷えなども血行不良を招く要因となります。

    3. 繰り返しの負担や使いすぎ

    日常生活での肩への負担も原因となります。例えば、重い物を持つ作業、長時間にわたるパソコン作業、スポーツでの肩の酷使などが挙げられます。特に、普段あまり使わない動きを急に行ったり、特定の動作を繰り返したりすることで、肩関節に過度な負担がかかり、炎症を引き起こすことがあります。

    4. 姿勢の悪さ

    猫背や巻き肩といった姿勢の悪さも、四十肩・五十肩のリスクを高めます。姿勢が悪いと、肩関節に不自然な負担がかかり、筋肉や関節のバランスが崩れやすくなります。これにより、特定の筋肉に過剰な負担がかかり、炎症や痛みに繋がりやすくなります。

    5. 炎症と癒着

    肩関節周囲に炎症が起こると、組織同士がくっつきやすくなります。これを「癒着」と呼びます。癒着が起こると、肩の動きがさらに制限され、痛みが悪化することがあります。特に、夜間や朝方に強い痛みを感じたり、腕を上げる動作が困難になるのは、この炎症や癒着が原因となっていることが多いです。


    なぜ夜中に肩が痛むの?「肩の夜間痛」の真相


    四十肩・五十肩の症状で特に辛いのが「夜間痛」ではないでしょうか。夜中に肩がズキズキと痛み、目が覚めてしまう、寝返りも打てない、といったお悩みは非常に多く聞かれます。なぜ、寝ている間にこれほど痛むのでしょうか?

    実は、夜間痛にはいくつかの複雑な要因が絡み合っています。最新の研究に基づいた、夜間痛を引き起こす主な4つの原因について、分かりやすくご説明します。

    1. 関節の袋(関節包)や滑膜が硬くなり、常に引っ張られている状態

    肩の関節は、「関節包」という袋に包まれていて、その内側には「滑膜」という組織があります。四十肩・五十肩になると、これらの組織にコラーゲンが過剰に沈着し、線維化(硬くなること)が進みます。

    例えるなら、ゴムが古くなって伸び縮みしにくく、常にピンと張った状態になるようなイメージです。日中、私たちは体を動かしているのであまり感じませんが、夜になり安静にしていると、この常に張っている状態が痛みとして強く感じられるようになります。

    参考文献:Hand GC et al., J Shoulder Elbow Surg, 2008 / Rodeo SA et al., J Shoulder Elbow Surg, 1999 / Neviaser AS et al., J Bone Joint Surg Am, 2011

    2. クッション材(脂肪パッド)が硬くなったり、なくなったりする

    肩の関節の中には、「ローテーターカフインターバル」と呼ばれる隙間があり、そこには「脂肪パッド(fat pad)」という脂肪組織がクッションのように存在しています。これは関節がスムーズに動くための潤滑油のような役割や、圧力を吸収するクッションの役割を担っています。

    しかし、四十肩・五十肩、特に肩が凍りついたように動かなくなる「凍結肩(とうけつかた)」の状態では、この脂肪パッドが線維化して硬くなったり、時には消失してしまったりすることがあります。これにより、肩関節内の圧力が上昇し、痛みが誘発されやすくなります。寝ている間に肩にかかるわずかな圧力でも、強い痛みを感じてしまうのです。

    参考文献:Sofka CM et al., AJR Am J Roentgenol, 2008 / Aubry S et al., Eur Radiol, 2019 / Ahn JH et al., Diagnostics, 2023

    3. 異常な血管が増え、夜間に血流が滞り、炎症が悪化する

    四十肩・五十肩の炎症が起きている部分(特にローテーターカフインターバルや関節包)では、**「異常な微小血管」**が増えていることが分かっています。これは、本来必要のない細い血管が新しくできてしまう現象です。

    夜間は日中に比べて体の活動量が減り、体温も下がるため、肩の血流が滞りやすくなります。このような血流の停滞や冷えが、異常な血管内で「うっ血」を引き起こし、痛みを感じる神経(痛覚受容器)を刺激して痛みを強くします。

    さらに、炎症が強い場合は「滑膜炎(かつまくえん)」という状態になっていることがあります。この滑膜炎では、肩の前面にある「前上腕回旋動脈」という血管の血流速度が上がっているという研究結果もあります。これは、血液が流れ込んでくる量が多いにも関わらず、排出がうまくいかないために滑膜の内圧が上がり、それが夜間痛の原因の一つになっている可能性が考えられています。

    参考文献:Okuno H et al., J Shoulder Elbow Surg, 2014 / Lin YH et al., Korean J Radiol, 2024 / Connell D et al., Radiology, 2002 / Asano H,et al:JSES Int 2022

    4. 自律神経(交感神経)と末梢神経が過敏になる

    炎症が起きている時期(炎症期)には、私たちの体の防御反応である「交感神経」が過剰に活動することがあります。これにより、痛みを感じるセンサー(痛覚)が非常に敏感になり、わずかな刺激でも強い痛みとして感じてしまいます。

    また、肩周りの末梢神経(手足の神経)の滑走が悪くなったり、痛みを伝えるC線維という神経が過敏になったりすることも関係しています。そのため、**「触れていないのに痛い」「じっとしているのに痛い」**といった、通常では考えにくい痛みが現れることがあります。これは、神経が異常に興奮している状態と言えます。

    参考文献:Wright A, Manual Therapy, 1995 / Farrell J, Lampe L, Physiother Theory Pract, 2014 / Woolf CJ, Pain, 2011


    夜間痛がある場合の「臨床でのポイント」

    これらのことから、夜間痛が強い場合は、単に筋肉が硬くなっているだけではなく、**「神経」「血管」「関節包などの膜組織」**といった、より複雑な病理的要素が絡んでいると考える必要があります。

    特に、**「触れていないのに痛い」**という場合は、神経や血管、膜組織の問題が強く関与しています。このような状態では、無理に肩を動かして可動域を広げようとするよりも、まずは「静的な状態での肩の緊張を和らげる」ことに焦点を当てることが重要です。

    炎症が非常に強い時期(急性期)の夜間痛は、体内で発生する化学物質による「化学性疼痛」であることが多いため、この時期には、痛み止めなどの医療的なアプローチが適切である場合があります。当院では、患者様の状態を正確に判断し、必要に応じて専門医への受診もご提案させていただきます。

    つまり、炎症期の強い夜間痛は、非常にデリケートな状態であり、闇雲に揉んだりストレッチしたりするだけでは効果が得られないどころか、悪化させてしまう可能性もあります。当院では、この時期の患者様には特に慎重に、そして専門的な知識に基づいた施術を行ってまいります。


    四十肩・五十肩の進行ステージと症状


    四十肩・五十肩は、時間の経過とともに症状が変化していくのが特徴です。大きく分けて以下の3つのステージがあります。

    1. 炎症期(急性期):痛みが強い時期

    この時期は、肩の痛みが最も強く現れる時期です。特に、夜間痛(夜中にズキズキと痛む)や、安静時痛(動かしていなくても痛む)が特徴です。腕を動かすと激痛が走り、日常生活に支障をきたすことが多いです。例えば、髪を洗う、服を着替える、高い所の物を取るなどの動作が困難になります。この時期は無理に動かそうとせず、安静にすることが大切です。

    2. 拘縮期(こうしゅくき):動きが悪くなる時期

    炎症期の痛みが少し落ち着いてくると、次に肩の動きが悪くなる「拘縮(こうしゅく)」という状態に入ります。肩関節が硬くなり、腕を上げたり後ろに回したりすることが難しくなります。痛みは炎症期ほど強くないものの、動かせる範囲が狭まるため、日常生活での不便さが続きます。この時期は、固まってしまった関節を少しずつ動かしていくリハビリが重要になります。

    3. 回復期:徐々に動きが良くなる時期

    拘縮期を過ぎると、徐々に肩の動きが改善し、痛みも和らいでくる回復期に入ります。しかし、完全に元の状態に戻るまでには時間がかかることがあります。この時期も、適切なリハビリを継続することで、肩の可動域をさらに広げ、再発を防ぐことが大切です。


    四十肩・五十肩を放っておくとどうなる?


    「そのうち治るだろう」と四十肩・五十肩を放っておくと、症状が悪化したり、回復が遅れたりする可能性があります。

    • 痛みの慢性化: 炎症が長引き、痛みが慢性化してしまうことがあります。
    • 可動域の制限: 関節の癒着が進行し、肩の動きがさらに制限され、完全に腕が上がらなくなってしまうこともあります。
    • 筋力低下: 痛みを避けるために肩を使わなくなることで、周囲の筋肉が衰えてしまいます。
    • 日常生活への影響: 着替え、入浴、家事、仕事など、あらゆる場面で不自由を感じ、生活の質が低下します。
    • 精神的ストレス: 痛みが続くことで、不眠やイライラなど精神的なストレスも大きくなります。

    このような状況を避けるためにも、早期に適切な施術を受けることが非常に重要です。


    四十肩・五十肩と間違えやすい症状


    肩の痛みは、全てが四十肩・五十肩というわけではありません。似たような症状でも、原因が異なる病気もあります。

    • 腱板損傷(けんばんそんしょう): 肩を構成する腱が切れてしまう病気です。四十肩・五十肩と異なり、特定の動きで急激な痛みが走ることがあります。
    • 石灰性腱炎(せっかいせいけんえん): 肩の腱に石灰が沈着し、激しい痛みを伴う病気です。
    • 頚椎症(けいついしょう): 首の骨の変形が原因で、肩や腕に痛みやしびれが生じることがあります。

    自己判断せず、専門家による正確な診断を受けることが大切です。


    一会整骨院の四十肩・五十肩へのアプローチ


    横須賀市根岸町の一会整骨院では、四十肩・五十肩でお悩みの方に対して、お一人お一人の症状や進行度合いに合わせた丁寧な施術を行っています。当院では、単に痛みを和らげるだけでなく、根本的な原因にアプローチし、再発しにくい身体づくりを目指しています。

    1. 丁寧なカウンセリングと検査

    まず、患者さんの症状や日常生活での困りごとを詳しくお伺いします。いつから痛みがあるのか、どんな時に痛むのか、過去の怪我や病歴なども確認します。その後、肩の動きの範囲(可動域)や筋肉の状態などを丁寧に検査し、痛みの原因を特定していきます。これにより、患者さん一人ひとりに最適な施術計画を立てることができます。特に、夜間痛の有無や、「触れていないのに痛い」といった症状がある場合は、その原因を深く掘り下げていきます。

    2. 手技によるアプローチ:オーダーメイドの施術

    当院では、熟練した施術者が手技を用いて、以下のようなアプローチを行います。患者様の症状のステージ(炎症期、拘縮期、回復期)に合わせて、施術内容を細かく調整します。

    • 炎症期(急性期)への慎重なアプローチ: 強い夜間痛があるなど、炎症が強く出ている時期は、無理なマッサージやストレッチは行いません。この時期は、炎症を鎮めることを最優先し、肩関節以外への施術超音波療法などの物理療法を中心に、患部への負担を最小限に抑えながら、鎮痛と回復を促します。場合によっては、提携医療機関への受診をお勧めすることもあります。
    • 筋肉の緩和(筋膜リリース・トリガーポイント療法): 炎症が落ち着き、拘縮期に入ったら、硬くなった肩関節周囲の筋肉や筋膜を丁寧にほぐしていきます。特に、痛みの原因となっている「トリガーポイント」と呼ばれる部分に集中的にアプローチすることで、痛みの軽減と可動域の改善を図ります。筋肉や筋膜の癒着を剥がすように、深部の組織にアプローチします。
    • 関節モビライゼーション: 固まってしまった肩関節の動きを改善するため、関節にアプローチし、動きを滑らかにしていきます。これにより、制限された可動域を広げ、スムーズな腕の動きを取り戻すことを目指します。肩関節の構造を熟知した上で、患者様の痛みに配慮しながら、安全かつ効果的に関節の動きを引き出します。
    • 姿勢矯正: 猫背や巻き肩など、姿勢の悪さが四十肩・五十肩の原因となっている場合、骨盤や背骨の歪みを整え、身体全体のバランスを改善する施術を行います。これにより、肩への不自然な負担を軽減し、痛みの根本的な改善と再発予防を目指します。

    3. 運動療法・リハビリ指導:自宅でのケアをサポート

    痛みが軽減し、ある程度の可動域が回復してきたら、ご自宅でできる簡単な運動療法やストレッチを指導します。

    • ストレッチ: 硬くなった筋肉や関節を柔軟にするためのストレッチ方法を個別に指導します。関節包や筋肉の線維化による拘縮を改善するために、患者さん一人ひとりの可動域に合わせて、無理なく続けられる内容をお伝えします。
    • 筋力トレーニング: 弱ってしまった肩周りの筋肉を強化するためのトレーニングを指導します。適切な筋肉をつけることで、肩関節の安定性を高め、スムーズな動きを取り戻し、再発予防に繋げます。

    これらの運動療法は、単に指導するだけでなく、正しいフォームで行えているかを確認しながら、患者さんの状態に合わせて段階的に進めていきます。動画や書面での説明も可能ですので、ご自宅でも安心して取り組めます。

    4. 生活習慣のアドバイス:根本改善と再発予防のために

    四十肩・五十肩は、日々の生活習慣が大きく影響します。当院では、施術だけでなく、患者さんの生活習慣についても具体的なアドバイスを行います。

    • 姿勢の改善: デスクワークやスマートフォンの使用時など、日常生活での正しい姿勢の意識付けや、座り方、立ち方のアドバイスを行います。
    • 身体の使い方: 肩に負担をかけない動作の仕方や、物の持ち方、寝る時の姿勢などを具体的に指導します。特に夜間痛がある方には、寝具の選び方や寝る姿勢の工夫など、痛みを和らげるための具体的なアドバイスをいたします。
    • 温熱療法や冷却: 炎症期には冷やす、慢性期には温めるなど、症状に応じた対処法を分かりやすくお伝えします。

    四十肩・五十肩の予防のために


    症状が改善された後も、再発を防ぐためにご自宅でできる予防策を続けることが大切です。

    • 適度な運動とストレッチ: 肩周りの筋肉を柔軟に保ち、血行を促進するために、日頃からストレッチや軽い運動を取り入れましょう。特に、肩甲骨周りの動きを意識したストレッチは効果的です。
    • 正しい姿勢の維持: デスクワークなどで長時間同じ姿勢を取る場合は、こまめに休憩を取り、姿勢を意識しましょう。肩や首への負担を減らすことが、四十肩・五十肩の予防に繋がります。
    • 身体を冷やさない: 肩を冷やすと血流が悪くなり、痛みを悪化させる可能性があります。特に冬場は肩を冷やさないように、ストールやカイロなどを活用して温めましょう。
    • バランスの取れた食事と十分な睡眠: 身体の回復力を高めるために、規則正しい生活を心がけましょう。質の良い睡眠は、特に夜間痛の改善にも繋がります。

    最後に:横須賀市根岸町の一会整骨院へご相談ください


    四十肩・五十肩は、適切な施術とセルフケアで改善が期待できる症状です。「もう歳だから仕方ない」「我慢していれば治るだろう」と諦めずに、ぜひ一度、横須賀市根岸町の一会整骨院にご相談ください。

    当院では、患者さんの痛みや不安に寄り添い、一人ひとりの症状、特に辛い夜間痛の原因まで深く掘り下げて分析し、最適な施術をご提案いたします。最新の知識と技術で、あなたの肩の痛みを改善し、快適な日常生活を取り戻すお手伝いをさせていただきます。

    私たちは、あなたの「もう一度、思い切り腕を上げたい」「ぐっすり眠りたい」という願いを全力でサポートします。

    ご予約やご相談は、お電話またはWebサイトからお気軽にお問い合わせください。

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