こんにちは!神奈川県横須賀市根岸町にある一会整骨院の杉田友康です。
「走った後に腰が痛くなるんですけど、何が原因ですか?」
当院に来院されるランナーや運動習慣のある方から、よくいただくご相談です。ランニングは全身運動ですが、繰り返すうちに特定の部位に負担が蓄積し、腰に痛みとして現れることがあります。
今回は「ランニング後に腰が痛くなる原因」について、特に見逃されがちな3つの要因に注目して解説します。
- 足底腱膜の硬さ
- 股関節の可動域の左右差
- 背骨(特に胸椎)の可動性低下
これらの問題が、なぜ腰痛につながるのか?どうすれば予防・改善できるのか?専門的な知識をベースに、分かりやすくお伝えしていきます!
ランニング後の腰痛、その原因は「足」にあるかもしれない?
足の裏には「足底腱膜(そくていけんまく)」という厚くて丈夫な結合組織があります。この足底腱膜は、足のアーチ構造を支える重要な組織であり、走る・歩くといった動作で常に衝撃を吸収する役割を果たしています。
足底腱膜が硬くなると、体全体が「連動」しなくなる
ランニングでは、地面からの衝撃が足裏から全身に伝わります。この時、足底腱膜が硬くなっていると、本来バネのように働くはずの足裏がクッションの役割を果たせず、衝撃がダイレクトに膝・骨盤・腰へと伝わってしまいます。
さらに、足底腱膜が硬いことで足首の可動域が狭くなり、ランニング中のフォームが崩れる原因になります。このフォームの乱れが骨盤の歪みや腰椎の不安定さを引き起こし、結果として腰痛につながるのです。
📚参考文献:
- 鈴木俊明ほか「足底筋膜の機能と障害」『臨床スポーツ医学』
- 木村誠司「足部のメカニズムと体幹への影響」『整形外科リハビリテーション』
次に注目すべきは「股関節の可動域の左右差」
ランニングは左右の脚を交互に動かす運動ですが、無意識のうちに「利き足」に頼る動きが偏ってしまう人が多く見られます。この偏りが股関節の可動域の左右差を生み、骨盤のねじれ、ひいては腰椎へのストレス増大を引き起こします。
可動域の左右差が骨盤をズラし、腰痛を誘発する
股関節の柔軟性が低い側の脚ではストライド(歩幅)が狭くなり、骨盤が左右非対称に動くようになります。結果として、腰の片側だけに負荷が集中しやすくなり、特に腰の下部(腰椎4番・5番あたり)に痛みが出やすくなるのです。
また、左右差によってフォームが崩れやすくなるため、ランニング中に必要以上のエネルギーを使ってしまい、筋肉の疲労が蓄積しやすくなります。
📚参考文献:
- 中野隆「股関節可動域の左右差と腰痛との関連性」『理学療法科学』
- 竹中祥一「走動作における股関節の役割」『スポーツ動作と運動学』南江堂, 2015
見逃されがち!背骨(胸椎)の可動性が腰に与える影響
「背骨が硬いと腰が痛くなる」——これはあまり知られていない事実です。特に胸椎(背中の部分の背骨)の柔軟性が低いと、ランニング中の体幹の回旋運動がスムーズに行えず、腰に無理な動きが加わる原因になります。
胸椎が硬いと、代わりに「腰が回る」→腰痛に直結
通常、ランニング中の上半身のひねり(回旋運動)は胸椎が主に担います。しかし胸椎の可動性が低下していると、その代償として腰椎が必要以上にねじれる動きになり、腰にストレスが集中します。
また、背骨全体の柔軟性が低下している場合、走る際の振動吸収力も下がるため、腰に疲労が溜まりやすくなります。
📚参考文献:
- 髙橋一郎「胸椎の可動性と体幹機能」『日本整形外科スポーツ医学会雑誌』
- 吉岡俊治「体幹の安定性と脊柱の柔軟性の関係」『整形外科と災害外科
腰痛を予防・改善するために整えるべき3つのポイント
ここまで解説してきたように、ランニング後の腰痛は「局所的な腰の問題」だけではなく、「足」「股関節」「背骨」といった全身のバランスが深く関係しています。
以下の3つを整えることで、腰痛の予防・改善が期待できます。
- 足底の柔軟性アップ
→ 足裏のストレッチやゴルフボールを使ったセルフマッサージがおすすめ。 - 股関節の左右差のチェックと修正
→ ランジ動作やストレッチで、両脚のバランスを整えましょう。 - 背骨のモビリティ向上
→ キャット&ドックや胸椎回旋エクササイズなど、背骨に動きを出す体操を取り入れる。
一会整骨院でのアプローチ
当院では、腰痛の原因を局所だけでなく全身のつながりから評価・施術しています。具体的には、
- 足底の柔軟性チェックと筋膜リリース
- 股関節の可動域検査とモビリティ向上ストレッチ
- 背骨の可動性を高める体幹エクササイズ
- ランニングフォームのアドバイスとホームケア指導
など、患者様一人ひとりの状態に合わせた施術を提供しています。
まとめ:腰痛の根本原因を見逃さないために
ランニング後の腰痛に悩んでいる方は、まず「腰そのもの」ではなく全身の連動性に問題がないかを見直してみましょう。足裏の硬さ、股関節の左右差、背骨の可動性――これらが改善されるだけで、腰の痛みが軽減するケースも多くあります。
痛みを我慢して走り続けるのではなく、早めのケアが大切です。気になる症状がある方は、ぜひ一度、一会整骨院までご相談ください。
一会整骨院の場所
〒239-0807 神奈川県横須賀市根岸町5-21-38 1F右
☎046-845-9171
ちょうど北久里浜駅、堀ノ内駅の間にあります。駐車場完備 予約制