お尻や太ももの痺れ、「ふくらはぎの筋肉」も原因?|横須賀市の一会整骨院

    こんにちは。神奈川県横須賀市根岸町の一会整骨院です。

    「お尻から太ももの裏にかけて痺れがある」
    「整骨院や鍼灸でお尻の筋肉をほぐしてもらっているけど、なかなか良くならない」
    「腰の治療を受けているのに、足の痺れが取れない」

    先日、坐骨神経痛でお悩みの方から、このようなお悩みがありました。多くの治療院では、お尻の筋肉(梨状筋)や腰椎へのアプローチを行います。これは決して間違いではありません。

    しかし、意外と見落とされているのが「ふくらはぎの筋肉」、特にヒラメ筋の問題です。

    実は、お尻や太ももの痺れの原因が、ふくらはぎにあることは珍しくありません。ヒラメ筋が硬くなることで、坐骨神経の枝である脛骨神経が圧迫され、お尻や太もも裏に痺れや痛みが出るのです。

    今回は、なぜふくらはぎの筋肉が坐骨神経痛を引き起こすのか、そのメカニズムと改善方法について、詳しく解説します。


    坐骨神経は実は最初から2本ある

    まず、坐骨神経の構造について、重要な事実をお伝えします。

    坐骨神経の正体

    坐骨神経は、人体で最も太く長い神経です。腰椎から出て、お尻、太ももの裏、ふくらはぎ、足先まで走っています。

    一般的に「坐骨神経」は1本の太い神経として認識されていますが、実は解剖学的には最初から2本の神経が存在しています。それが「脛骨神経(けいこつしんけい)」と「総腓骨神経(そうひこつしんけい)」です。

    これら2本の神経は、ファシアという薄い膜に包まれて、1本の太い神経のように見えているだけなのです。そして、膝の裏あたりで、はっきりと2本に分かれます。

    2本の神経、それぞれの役割

    脛骨神経

    脛骨神経は、坐骨神経のうち、より内側を走る神経です。太ももの裏からふくらはぎの深層を通り、足の裏まで走っています。

    この神経は、ふくらはぎの筋肉を動かす運動神経と、足の裏の感覚を伝える感覚神経の両方の役割を持っています。

    総腓骨神経

    総腓骨神経は、坐骨神経のうち、より外側を走る神経です。膝の外側を回り込んで、すねの外側やふくらはぎの外側を通り、足の甲まで走っています。

    この神経は、すねの筋肉を動かす運動神経と、足の甲や指の感覚を伝える感覚神経の役割を持っています。

    症状が出る場所の違い

    この2本の神経のどちらが圧迫されるかによって、症状が出る場所が変わります。

    総腓骨神経が圧迫された場合

    お尻、ふくらはぎの外側、足の甲などに痺れや痛みが出ます。つま先が上がりにくくなる「下垂足(かすいそく)」という症状が出ることもあります。

    脛骨神経が圧迫された場合

    お尻、太ももの裏、ふくらはぎ(特に内側)、足の裏などに痺れや痛みが出ます。つま先立ちがしにくくなることもあります。

    坐骨神経痛の多くは、この脛骨神経の問題です。そして、脛骨神経の圧迫は、ふくらはぎのヒラメ筋で起こることが非常に多いのです。


    ヒラメ筋とは何か

    ヒラメ筋は、ふくらはぎの深層にある筋肉です。

    ヒラメ筋の位置と構造

    ふくらはぎには、大きく分けて2つの筋肉があります。表層にある腓腹筋(ひふくきん)と、深層にあるヒラメ筋です。

    腓腹筋は、膝の裏から始まり、アキレス腱を通って踵(かかと)に付着します。ふくらはぎの表面に盛り上がって見える筋肉です。

    ヒラメ筋は、腓腹筋の下(深層)にあります。脛骨(すねの骨)と腓骨(すねの外側の細い骨)の後面から始まり、腓腹筋と合流してアキレス腱となり、踵に付着します。

    ヒラメ筋という名前は、その形がヒラメという魚に似ていることから名付けられました。腓腹筋に隠れて見えませんが、実はふくらはぎの筋肉の大部分を占める大きな筋肉です。

    ヒラメ筋の役割

    ヒラメ筋の主な役割は、足首を底屈(つま先を下に向ける)させることです。つま先立ちをする時、歩く時に地面を蹴る時などに働きます。

    また、立っている時に体が前に倒れないように支える、姿勢保持の役割も担っています。そのため、ヒラメ筋は「姿勢筋」とも呼ばれ、持久力に優れた筋肉です。


    ヒラメ筋が脛骨神経を圧迫するメカニズム

    ここが最も重要なポイントです。なぜヒラメ筋が坐骨神経痛を引き起こすのでしょうか。

    脛骨神経はヒラメ筋のすぐ裏を通る

    解剖学的に、脛骨神経はヒラメ筋のすぐ後ろ(深層)を走っています。ヒラメ筋と骨の間を通過するのです。

    つまり、ヒラメ筋が硬くなると、その後ろを通る脛骨神経が圧迫されやすい位置関係にあるということです。

    ヒラメ筋が硬くなる原因

    ヒラメ筋は、以下のような理由で硬くなります。

    長時間の立ち仕事

    立っている時、ヒラメ筋は常に体を支えるために働いています。長時間立ち続けることで、ヒラメ筋は疲労し、硬くなります。

    歩き方の問題

    つま先で地面を蹴らずに歩く、ペタペタ歩きをするなど、歩き方に問題があると、ヒラメ筋が適切に使われず、硬くなります。

    運動不足

    ふくらはぎの筋肉を使わない生活を続けると、筋肉は硬く短縮します。

    足首の硬さ

    足首が硬く、背屈(つま先を上に向ける)の可動域が制限されると、ヒラメ筋は常に短縮した状態になります。

    硬くなったヒラメ筋が神経を引っ張る

    ヒラメ筋が硬くなると、その後ろを通る脛骨神経を圧迫します。しかし、圧迫だけでなく、もう一つ重要なメカニズムがあります。それが「牽引(けんいん)」です。

    脛骨神経は、腰から足先まで連続した1本の神経です。ふくらはぎの部分で神経が引っ張られると(牽引されると)、その張力は神経全体に伝わります。

    ヒラメ筋が硬くなって脛骨神経を引っ張ると、お尻や太もも裏の部分でも神経が引っ張られた状態になります。これが、お尻や太ももの痺れや痛みを引き起こすのです。

    ギターの弦を想像してみてください。弦の一部を引っ張ると、弦全体に張力が伝わります。神経も同じです。ふくらはぎで引っ張られた張力が、お尻や太ももにまで伝わるのです。

    神経と筋肉の癒着

    さらに、ヒラメ筋が長期間硬い状態が続くと、筋肉と脛骨神経が癒着することがあります。

    本来、神経は周辺組織の間を滑るように動きます。これを「神経の滑走性」と言います。体を動かす時、神経も伸びたり縮んだり、左右に移動したりします。

    しかし、筋肉と癒着すると、この滑走性が失われます。神経が動けなくなると、体を動かす度に神経が引っ張られ、痛みや痺れが出ます。


    なぜお尻や腰の治療だけでは良くならないのか

    多くの治療院では、坐骨神経痛に対して、お尻の筋肉(梨状筋)や腰椎へのアプローチを行います。これは正しいアプローチです。

    しかし、お尻や腰だけを治療しても良くならない場合、ヒラメ筋の問題が見落とされている可能性があります。

    お尻の治療の効果と限界

    梨状筋症候群という病態があります。お尻の深層にある梨状筋という筋肉が硬くなり、その下を通る坐骨神経を圧迫する状態です。

    梨状筋をほぐすことで、確かに症状が改善することがあります。しかし、ふくらはぎのヒラメ筋が硬いままでは、脛骨神経は引っ張られ続けます。

    お尻の圧迫は解消されても、ふくらはぎでの牽引が残っていれば、症状は完全には改善しません。

    腰の治療の効果と限界

    腰椎椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症で、腰椎で坐骨神経が圧迫されることもあります。

    腰への治療も重要ですが、同様に、ふくらはぎでの神経の牽引が残っていれば、症状は改善しにくいのです。

    全体を診ることの重要性

    坐骨神経は、腰から足先まで走る長い神経です。その経路のどこで問題が起きているのか、複数の場所で問題が起きているのか、全体を評価する必要があります。

    お尻だけ、腰だけ、ふくらはぎだけを診るのではなく、全体を診ることが根本的な改善には不可欠なのです。


    一会整骨院でのヒラメ筋へのアプローチ

    当院では、坐骨神経痛に対して、お尻や腰だけでなく、ふくらはぎのヒラメ筋も必ず評価します。

    ヒラメ筋の評価

    まず、ヒラメ筋の硬さを触診で確認します。膝を軽く曲げた状態で、ふくらはぎの深層を押さえていきます。

    硬さだけでなく、圧痛(押すと痛い)があるか、どの部位が特に硬いかを細かく評価します。

    また、足首の背屈可動域も測定します。足首が硬いということは、ヒラメ筋が短縮しているということです。

    ヒラメ筋のリリース

    ヒラメ筋のリリースは、正確なポイントと適切な圧が重要です。

    ポジション

    患者さんにうつ伏せになっていただき、膝を軽く曲げた状態で行います。膝を曲げることで、表層の腓腹筋が緩み、深層のヒラメ筋にアプローチしやすくなります。

    ポイント

    膝の裏のしわから、指4本分ほど下の、ふくらはぎの真ん中あたりを狙います。このあたりに、ヒラメ筋の付着部である「ヒラメ筋線」があります。

    また、脛骨神経が最も圧迫されやすいポイントでもあります。

    手技

    筋肉に対して垂直に圧をかけます。そして、円を描くように、あるいは筋線維に沿って上下に、30秒から1分ほどゆっくりとほぐしていきます。

    強すぎる圧は逆効果です。「痛気持ち良い」程度の圧で、じっくりと筋肉を緩めます。

    神経の滑走性を改善する運動療法

    筋肉をほぐすだけでなく、神経と筋肉の癒着を剥がし、神経の滑走性を改善することも重要です。

    方法

    施術者がヒラメ筋のポイントを指で押さえたまま、患者さん自身に足首を上下(背屈・底屈)に動かしていただきます。

    これを30回ほど繰り返します。

    効果

    足首を動かすことで、ヒラメ筋が伸び縮みします。筋肉が動く中で、その後ろを通る脛骨神経も動きます。

    施術者が筋肉を押さえることで、筋肉と神経の間に「剥がれる力」が働き、癒着が解消されます。

    この運動療法を行うと、多くの方が「足が軽くなった」「お尻や太ももの痺れが楽になった」と実感されます。

    足首の可動域改善

    ヒラメ筋が硬い方の多くは、足首の背屈可動域が制限されています。足首が硬いままでは、ヒラメ筋はまた硬くなってしまいます。

    当院では、足首の関節のモビライゼーション(優しく動かす手技)を行い、可動域を改善します。

    また、ご自宅でできる足首のストレッチも指導します。

    全身のバランス調整

    ヒラメ筋だけでなく、お尻の筋肉、腰椎、骨盤など、全身のバランスも評価し、必要に応じて調整します。

    坐骨神経痛は、一箇所だけの問題ではなく、複数の要因が重なっていることが多いからです。


    ご自宅でできるセルフケア

    当院での治療に加えて、ご自宅でのセルフケアも効果的です。

    ヒラメ筋のストレッチ

    壁に手をついて立ち、片足を後ろに引きます。後ろ足の膝を軽く曲げたまま、踵を床につけ、体重を前にかけます。ふくらはぎの奥(ヒラメ筋)が伸びるのを感じながら、30秒キープします。

    膝を曲げることがポイントです。膝を伸ばすと、表層の腓腹筋は伸びますが、深層のヒラメ筋は十分に伸びません。

    ふくらはぎのマッサージ

    床に座り、片膝を立てます。立てた足のふくらはぎに、反対側の膝を当てて、上下に動かします。ふくらはぎの真ん中あたりを中心に、30秒ほど行います。

    テニスボールやマッサージボールを使うのも効果的です。

    足首の運動

    椅子に座り、足を床から少し浮かせます。足首を上下に30回、円を描くように30回動かします。

    これを1日3セット行うことで、足首の柔軟性が改善し、ヒラメ筋が硬くなりにくくなります。


    まとめ

    お尻から太ももの裏にかけての坐骨神経痛、実はふくらはぎの筋肉「ヒラメ筋」が原因かもしれません。

    坐骨神経は、実は最初から脛骨神経と総腓骨神経という2本の神経から成っています。そして、脛骨神経はヒラメ筋のすぐ後ろを通っています。

    ヒラメ筋が硬くなると、脛骨神経を圧迫し、さらに引っ張ります(牽引)。この牽引の力は神経全体に伝わり、お尻や太ももの裏に痺れや痛みを引き起こします。

    お尻や腰の治療だけでは良くならない坐骨神経痛は、ヒラメ筋の問題が見落とされている可能性があります。

    当院では、ヒラメ筋を正確にリリースし、神経の滑走性を改善する運動療法を行います。さらに、足首の可動域改善や全身のバランス調整も行い、根本的な改善を目指します。

    「お尻や太ももの痺れがなかなか良くならない」
    「整骨院でお尻をほぐしてもらっているけど効果がない」
    「坐骨神経痛と言われたが、原因がはっきりしない」

    このような方は、一度ふくらはぎの状態をチェックすることをお勧めします。意外な場所に原因があるかもしれません。


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