冬場の腰部椎間板ヘルニア悪化を防ぐ!今すぐできる対策と注意点

    先日、春一番が吹き荒れましたがまだまだ寒い時期が続いています。特に朝晩の冷え込みが強い今の時期は、腰部椎間板ヘルニアの症状が悪化しやすい時期です。

    当院でも、ヘルニア症状を訴える患者様が多く来院されています。今回は、今の時期に役立つ日常生活での具体的な注意点と対策についてお伝えします。

    なぜ寒い季節は要注意なのか?

    気温が低下すると、以下のような体の変化が起こります

    • 筋肉が硬くなりやすい
    • 血行が悪くなる
    • 体が硬くなり、急な動きで痛みが出やすい
    • 寒さで体が縮こまり、悪い姿勢になりやすい

    結果として、神経が圧迫されやすい状態となってしまい、ヘルニア特有の症状が出現しやすくなります。

    今すぐできる具体的な対策

    温度管理と保温

    • 就寝時は電気毛布やカイロを使用(ただし直接患部には当てない)
    • 腰回りを温める下着や腹巻きの活用
    • 入浴時は38~40度のぬるめのお湯で、ゆっくり温まる
    • 急激な温度変化を避ける(特に暖房の効いた室内と外の温度差に注意)

    特に私は湯船に浸かることをお勧めしています。現代人は風呂に入らず、シャワーだけで済ます方が多く20代では4割が湯船に浸からないと報告されています。

    湯船に浸かることで腰痛だけなく、血管や内臓にも良い効果があります

    1. 筋肉の緊張緩和
      • 温かいお湯が筋肉を温め、硬くなった腰周りの筋肉の緊張を和らげます
      • 筋肉が弛緩することで、痛みの原因となっていた筋肉のこわばりが軽減されます
    2. 血行促進
      • 温熱により毛細血管が拡張し、腰部の血流が改善します
      • 血流が良くなると、老廃物の排出や酸素・栄養素の供給が促進されます
    3. 痛み物質の排出
      • 腰痛部位に溜まっていた乳酸などの疲労物質や炎症物質が、血流増加により排出されやすくなります
    4. 温熱による鎮痛作用
      • 温かさが脳内の痛みを抑制する物質(エンドルフィンなど)の分泌を促進します
      • 温覚刺激が痛みを伝える神経信号を遮断する「ゲートコントロール理論」の効果も期待できます

    湯船に浸かることの血管への作用

    1. 末梢血管の拡張
      • 皮膚や筋肉の毛細血管が拡張し、体表面の血流量が増加します
      • 血管の拡張により血圧の一時的な低下も起こります(ただし熱すぎるお湯は逆に血圧上昇の原因になることも)
    2. 血流の改善
      • 血液循環が活発になり、体全体の代謝が促進されます
      • 血液の粘度が下がり、スムーズな流れが生まれます
    3. 自律神経系への影響
      • 副交感神経の活動が優位になり、血管の緊張が緩和します
      • 心臓への負担が軽減し、リラックス状態に導かれます

    内臓への作用

    1. 消化器系の活性化
      • 腸の蠕動運動が活発になり、消化・吸収機能が向上します
      • 肝臓の代謝機能が高まり、解毒作用が促進されます
    2. 腎臓と排泄機能
      • 腎臓の血流が増加し、老廃物のろ過機能が向上します
      • 発汗作用と合わせて、体内の毒素排出を促進します
    3. 内分泌系への影響
      • 副腎からのコルチゾール(ストレスホルモン)の分泌が抑制されます
      • リラックス状態を促す神経伝達物質の分泌が増加します

    2. 朝一番の注意点

    • 急な動きを避け、ゆっくりと体を起こす
    • ベッドから起き上がる際は、横向きになってからゆっくり起き上がる
    • 起床後すぐの重い物持ちは厳禁
    • 簡単なストレッチや腹式呼吸で体をほぐしてから活動開始

    その中でも腹式呼吸はお勧めです。冬場だけでなく、腹式呼吸を行うことで腰痛だけでなく慢性痛の改善に効果があります。

    腹式呼吸が腰痛に良い理由

    1. 体幹筋肉の強化と安定性向上
      • 腹式呼吸を行うと、横隔膜と腹筋群(腹横筋、内外腹斜筋、多裂筋、腸腰筋)が活性化します
      • これらの筋肉は腰椎を支える「インナーマッスル」であり、背骨の安定性を高めます
      • 腹圧が適切に保たれることで、背骨への負担が軽減されます
    2. 深部筋肉の活性化
      • 腹式呼吸は腰部深層の筋肉(多裂筋や腸腰筋など)も自然に活性化させます
      • これらの筋肉は背骨の重要な安定性を担い、腰痛予防に重要な役割を果たします
    3. 姿勢の改善
      • 正しい腹式呼吸を習慣化すると、日常的な姿勢が改善されます
      • 胸を張り背筋を伸ばした自然な姿勢が維持でき、腰への負担が減少します
      • 姿勢不良による筋肉の緊張や疲労が軽減されます
    4. 血液循環とリンパ流の改善
      • 腹式呼吸に伴う横隔膜の動きは、腹部と腰部の血液・リンパ液の循環を促進します
      • 血流が改善することで、腰部組織への酸素や栄養素の供給が増加し、老廃物の排出も促されます
    5. 自律神経のバランス調整
      • 深くゆっくりとした腹式呼吸は、交感神経の過剰な興奮を抑え、副交感神経の活動を促します
      • リラックス状態になることで、筋肉の緊張が緩和され、痛みの感覚も和らぎます
    6. 内圧の適正化によるクッション効果
      • 正しい腹式呼吸により、腹腔内圧が適切に保たれます
      • この内圧は腰椎にかかる負荷を分散させる「エアクッション」のような役割を果たします
    7. 背骨の可動性向上
      • 横隔膜の動きに合わせて脊柱も微細に動くため、背骨の柔軟性が維持されます
      • 背骨の自然な動きが促されることで、硬さや固着が改善されます
    8. ストレス軽減と痛みの感受性低下
      • 腹式呼吸により副交感神経が優位になると、脳内のエンドルフィン(天然の鎮痛物質)の分泌が促進されます
      • 心理的なリラクゼーション効果も高く、痛みへの過敏反応が和らぎます

    3. 冬場特有の生活動作での注意

    • 雪かきや霜取りなど、普段しない動作に要注意
    • 滑りやすい路面での歩行に気をつける
    • 重い冬物衣類の着脱時は腰を捻らない
    • 寒さで体が縮こまった状態での急な動作を避ける

    4. 日中の過ごし方

    • デスクワーク時は30分おきに軽い体操
    • 暖房で乾燥する室内では、適度な水分補給
    • 同じ姿勢が続く時は、クッションなどで腰のサポート
    • 寒さで動きたくなくなりがちですが、適度な運動は継続

    5. おすすめのストレッチ&運動

    • 猫背伸ばし運動(四つん這いでの背骨のストレッチ)
    • 寝ながらの膝抱え運動
    • ハムストリングのストレッチ
    • 腹式呼吸

    症状別の注意点

    しびれが強い方

    • 冷えによってしびれが悪化しやすいため、特に下半身の保温に注意
    • 靴下は締め付けすぎないものを選択
    • 足先のマッサージを定期的に行う

    痛みが強い方

    • 寒さで筋肉が緊張しやすいため、温めることを意識
    • 無理な動きは絶対に避ける
    • 痛み止めに頼りすぎず、早めの受診を

    当院からのアドバイス

    症状の悪化を感じた場合は、我慢せずに早めのご相談をおすすめします。特に以下のような場合は要注意です:

    • 朝起きた時の痛みが強くなった
    • しびれの範囲が広がった
    • 日常生活動作が著しく制限される

    定期的なケアと適切な生活習慣の見直しで、冬場のヘルニア症状の悪化を防ぎましょう。

    ご不安な点がございましたら、お気軽に当院までご相談ください。 一人ひとりの症状に合わせた具体的なアドバイスをさせていただきます。

    【ご予約・お問い合わせ】

    一会整骨院

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