リウマチ、ヘバーデン結節、ブシャール結節の違いについて

    こんにちは。横須賀市根岸町の一会整骨院です。先日、患者様から手の痛みを相談され、リウマチですか?と心配されていたので今回は「リウマチ」と「ヘバーデン結節」「ブシャール結節」について、それぞれの特徴と違いを解説します。
    当然、専門医への受診が確定診断でありますが、簡単に知識を持っておくことで不安な気持ちが少しでもやわらげばいいなっと思っています。

    各疾患の特徴とリウマチとの違い

    関節リウマチとは

    関節リウマチは自己免疫疾患の一種で、免疫システムが誤って自分の関節組織を攻撃することで炎症が起こります。主な特徴は:

    • 朝のこわばりが30分以上続く
    • 複数の関節に左右対称に痛みや腫れが現れる
    • 疲労感や微熱を伴うことがある
    • 30~50代に多く見られるが、60代で発症することもあり
    • 進行すると関節変形や機能障害を引き起こす

    関節リウマチの初期症状は手指の関節の痛みや腫れから始まることが多く、特に第二関節(近位指節間関節:PIP関節)、中手指節(MCP)関節や手首に症状が出やすいのが特徴です。

    ヘバーデン結節とは

    ヘバーデン結節は変形性関節症の一種で、指の第一関節(遠位指節間関節:DIP関節)に発生するこぶ状の隆起です。主な特徴は:

    • 指の第一関節(爪に近い関節)にこぶができる
    • 徐々に進行し、通常は50歳以降に現れる
    • 遺伝的要因が強い
    • 女性に多く見られる
    • 関節の変形と可動域制限を引き起こす

    ブシャール結節とは

    ブシャール結節もヘバーデン結節と同様に変形性関節症の一種ですが、指の第二関節(近位指節間関節:PIP関節)に発生します。主な特徴は:

    • 指の第二関節(中央の関節)にこぶができる
    • ヘバーデン結節よりも発生頻度が低い
    • 関節の使いすぎや外傷が原因となることが多い
    • 関節の腫れや痛み、運動制限を引き起こす

    リウマチと結節の決定的な違い

    リウマチとヘバーデン・ブシャール結節の最も重要な違いは、原因メカニズムです:

    1. 発症メカニズム
      • リウマチ:自己免疫反応による炎症
      • ヘバーデン・ブシャール結節:加齢や使いすぎによる関節軟骨の摩耗
    2. 症状の広がり
      • リウマチ:全身の複数関節に対称性に現れる
      • ヘバーデン・ブシャール結節:主に手指の特定関節に限局
    3. 進行速度
      • リウマチ:比較的早く進行することがある
      • ヘバーデン・ブシャール結節:通常はゆっくりと進行
    4. 全身症状
      • リウマチ:発熱、倦怠感などの全身症状を伴うことがある
      • ヘバーデン・ブシャール結節:通常、全身症状はない

    リウマチが疑われる場合は専門医への受診を

    関節の痛みや腫れが以下の特徴を持つ場合は、リウマチの可能性があります:

    • 朝のこわばりが長時間続く
    • 複数の関節が同時に痛む
    • 左右対称に関節症状が現れる
    • 疲労感や微熱がある

    これらの症状がある場合は、早めにリウマチ専門医や整形外科医への受診をお勧めします。早期発見・早期治療により、関節の破壊を最小限に抑えることができます。

    現在のリウマチ治療は非常に進歩しており、生物学的製剤などの新しい治療法により、多くの患者さんが症状をコントロールし、日常生活を維持できるようになっています。

    ヘバーデン結節・ブシャール結節の対処法

    ヘバーデン結節やブシャール結節に対しては、以下の対処法が効果的です:

    日常生活での対処法

    • 温熱療法:温かいタオルやパラフィン浴で関節を温める
    • 関節への過度な負担を避ける
    • 関節保護のための工夫(太めのペンを使うなど)
    • ストレッチや軽い運動による関節可動域の維持
    • 痛みのある関節をテーピングで巻いて保護する

    医療機関での治療

    • 消炎鎮痛剤の内服や外用
    • 関節内ステロイド注射(炎症が強い場合)
    • サポーターの着用
    • 徒手による施術、リハビリ

    整骨院でできるケア

    • 温熱療法
    • 超音波療法
    • 関節可動域訓練
    • テーピング

    変形が進行した場合や日常生活に支障がある場合は、整形外科で手術的治療を検討することもあります。

    参考文献

    日本整形外科学会・日本リウマチ学会の指針によると、ヘバーデン結節とブシャール結節は変形性関節症の一種で、軟骨の摩耗や骨棘形成により発症します。一方、関節リウマチは自己免疫疾患であり、早期診断と積極的な治療介入が推奨されています(日本リウマチ学会誌, 2020)。

    また、「変形性関節症診療ガイドライン2019」(日本整形外科学会)では、ヘバーデン結節・ブシャール結節の保存療法として、患者教育、運動療法、物理療法などが推奨されています。


    当院では、ヘバーデン結節やブシャール結節でお悩みの方に対して、適切な物理療法やエクササイズ指導を行っています。痛みや腫れでお困りの方は、ぜひ一度ご相談ください。リウマチが疑われる場合は、適切な医療機関をご紹介いたします。

    要約

    関節リウマチは自己免疫疾患で、左右対称に複数関節に炎症を起こし、全身症状を伴います。一方、ヘバーデン結節は指の第一関節(DIP関節)、ブシャール結節は第二関節(PIP関節)に現れる変形性関節症です。リウマチは早期に専門医の診察が必要ですが、結節は温熱療法やストレッチなどで対処可能です。リウマチは免疫の問題、結節は加齢や使いすぎによる軟骨摩耗が原因で、進行速度や症状の広がり方が異なります。

    一会整骨院の場所

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