こんにちは、神奈川県横須賀市根岸町の一会整骨院です。今回は長期的に悩まされれる「親指の腱鞘炎」についてご説明します。スマートフォンやパソコンの普及に伴い、この症状でお悩みの方が増えています。当院に来られる患者様の中にも「親指を動かすと痛い」「朝起きると親指が固まっている」といった症状を訴える方が少なくありません。このブログでは、親指の腱鞘炎の原因、リスク要因、メカニズム、そして当院での効果的な治療法についてご紹介します。
親指の腱鞘炎とは?
腱鞘炎(けんしょうえん)は、筋肉と骨をつなぐ「腱(けん)」とその周りを包む「腱鞘(けんしょう)」に炎症が起こる状態です。特に親指の腱鞘炎は「ドケルバン病」や「母指CM関節症」として知られ、以下のような症状が現れます:
- 親指の付け根や手首部分の痛み
- 親指を動かすときの引っかかり感やひっかかり音
- 朝起きたときの強いこわばり感
- 物をつかんだり、ひねったりする動作での痛み
- 親指の付け根部分の腫れや熱感
親指の腱鞘炎になりやすい人とは?
1. 特定の職業・活動をされている方
- デスクワーカー:長時間のパソコン作業でマウスやキーボードを使用
- スマートフォン重度使用者:親指でのスワイプやタイピングを頻繁に行う
- 料理人:包丁を使った細かい作業や、ものを切る動作の繰り返し
- 楽器演奏者:特にピアノ、ギターなど指を多用する楽器
- 手芸・工芸従事者:編み物、刺繍、木工など細かい手作業
当院で来院される患者様で多いのは、調理関係のお仕事の方が多いです。地域によっては農作業や漁師の方におおいかもしれませんね。
2. 身体的特徴
- 女性:男性に比べて腱鞘が狭く、ホルモンの影響も受けやすい
- 40代以上:加齢による組織の変性が影響
- 妊娠中・出産後の女性:ホルモンバランスの変化と体液貯留が要因
- 関節の過可動性がある方:関節が通常より柔らかく、不安定な方
3. 基礎疾患をお持ちの方
- 関節リウマチ:自己免疫疾患による炎症
- 糖尿病:血行不良や代謝異常による組織の変性
- 甲状腺機能障害:代謝や組織の状態に影響
医学的に見た親指腱鞘炎のメカニズム
親指の腱鞘炎が発症するメカニズムは、医学的に以下のように説明されています

1. 解剖学的背景
親指は「母指」とも呼ばれ、他の指と比べて特殊な構造をしています。親指の付け根(CM関節)は鞍関節という特殊な関節で、多方向に動く自由度を持っています。この自由度の高さゆえに、親指は大きな負担を受けやすい構造となっています。
2. 炎症の発生プロセス
繰り返しの動作や過度の使用により、以下のようなプロセスで腱鞘炎が進行します:
- 機械的ストレス:反復動作による腱への摩擦と微小損傷
- 炎症反応:損傷部位への炎症性細胞の集積
- 浮腫(むくみ):炎症による組織液の増加
- 腱鞘の肥厚:炎症が続くことによる組織の線維化と肥厚
- 狭窄(きょうさく):腱が通る管(腱鞘)の狭まり
- 腱の滑走障害:腱の動きが阻害され、痛みや引っかかり感が発生
特に親指には主に以下の2つの重要な腱があり、これらが腱鞘炎の主な部位となります:
- 長母指外転筋腱・短母指伸筋腱:ドケルバン病の原因となる腱
- 長母指屈筋腱:ばね指(親指のトリガーフィンガー)の原因となる腱
一会整骨院での親指腱鞘炎治療アプローチ
当院では、親指の腱鞘炎に対して科学的根拠に基づいた総合的なアプローチを行い、早期回復を目指しています。
1. 精密評価と原因特定
まず初回来院時に、以下の評価を行います:
- 詳細な問診:発症時期、悪化・軽減要因、日常生活での影響
- 徒手検査:フィンケルシュタインテストなどの特殊検査
- 関節可動域測定:親指と手関節の動きの制限確認
- 筋力評価:親指周囲の筋力バランス評価
- 日常動作分析:どのような動作で症状が悪化するかの分析
2. 急性期の炎症コントロール
炎症が強い急性期には、以下の治療を組み合わせて痛みと炎症を効果的に抑制します:
- 物理療法:超音波療法、干渉波電気刺激療法による深部組織の炎症抑制
- 冷却療法:アイシングによる炎症と腫れの軽減
- テーピング:適切な固定による過度の動きの制限と負担軽減
- セルフケア指導:自宅での炎症管理方法の指導
最近ではアマゾンで安価にサポーターが購入できるので患者様自身に購入をしてもらっています。ステンレスの支柱が入っているサポーターであればよいですが、単に締め付けているだけの手袋タイプは効果がないので購入に際は気を付けて下さい。
3. 回復期の機能改善
炎症が落ち着いた回復期には、腱の動きを改善し再発を防ぐためのアプローチを行います:
- 徒手療法:腱の滑走性改善のための軟部組織モビライゼーション
- 関節モビライゼーション:手関節と親指関節の適切な動きの回復
- 超音波療法:組織の治癒促進
- 筋力トレーニング:親指と手首周囲の筋バランス改善
- ストレッチング:柔軟性の回復と維持
4. 生活指導のアドバイス
再発防止のための生活習慣改善指導も重要な治療の一部です:
- 作業姿勢の改善:パソコン操作時の手首と親指の位置
- 休憩の取り方:定期的な小休憩と簡単なストレッチの導入
- 補助器具の提案:エルゴノミクスキーボード、マウス、スマホグリップなど
- 職場環境の調整:デスクの高さや機器の配置
出来る限り親指に負担のかからないよう工夫しています。また日常生活では引っ越し用のグローブをはめて家事をすることで握力をそこまで使うことなく家事を行うような指導もしています。
5. 自宅でのセルフケアプログラム
治療効果を最大化し再発を防ぐための自宅ケアプログラムをご提供します:
- 自己マッサージ法:親指付け根の適切なマッサージ方法
- セルフエクササイズ:筋力と柔軟性を維持するための簡単な運動
- 生活の中での負担軽減法:日常生活での親指保護の工夫
特に虫様筋のトレーニングは腱鞘炎の改善に効果的ですので、お伝えしています。
当院での治療を受けることのメリット
一会整骨院での親指腱鞘炎治療には以下のようなメリットがあります:
- 早期回復:適切な評価と複合的アプローチにより、通常2〜4週間で症状の明らかな軽減が期待できます
- 根本改善:単に痛みを抑えるだけでなく、発症原因に対するアプローチで再発を防ぎます
- 生活の質の向上:患者様一人ひとりの生活スタイルや仕事環境を考慮した現実的なアドバイス
- セルフケア能力の向上:ご自身でのケア方法を学ぶことで長期的な健康管理能力が身につきます
症例紹介:早期改善に成功した親指腱鞘炎の例
40代女性、事務職 スマートフォン使用とパソコン作業が多く、3ヶ月間続く右親指の痛みで来院。朝のこわばりと親指を曲げる際の引っかかり感を強く訴えていました。
治療内容:
- 週2回、計6回の通院
- 超音波療法と干渉波電気療法による炎症コントロール
- 腱滑走エクササイズと徒手療法
- コンピューターマウスの変更と作業姿勢の調整
- 自宅でのケアプログラム指導
結果: 3週間で朝のこわばりが消失、6週間で日常生活での痛みがほぼなくなり、仕事でのパフォーマンスも回復しました。現在は月1回のメンテナンス通院と自宅でのケアを続けており、再発なく経過しています。
まとめ:早期の適切な対応が重要です
親指の腱鞘炎は、早期の適切な対応によって効果的に改善できる症状です。しかし、放置すると慢性化し、治療期間が長引くことがあります。
以下のような症状がある方は、ぜひ一度当院にご相談ください:
- 親指を動かすと痛みがある
- 朝、親指のこわばりを感じる
- 親指に引っかかり感やカクカク感がある
- 親指の付け根に腫れや熱感がある
横須賀市根岸町の一会整骨院では、最新の医学的知見に基づいた治療と、患者様一人ひとりに合わせたオーダーメイドのケアプランをご提供しています。親指の腱鞘炎でお悩みの方は、お早めにご相談ください。
【参考文献】
- 日本整形外科学会誌「上肢腱鞘炎の病態と治療」
- 理学療法学「手部腱鞘炎に対する保存的治療の効果検証」
- Journal of Hand Therapy「Evidence-Based Management of De Quervain’s Tenosynovitis」
- 手の外科学会誌「母指CM関節症の疫学と保存的治療の現状」
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