高齢者に多い「背骨の圧迫骨折」とは?治療法や見逃しがちなサインについて

    こんにちは、横須賀市、一会整骨院の杉田です。

    今回は、高齢者に特に多くみられる「背骨の圧迫骨折(最近は“椎体骨折”とも呼ばれます)」について、わかりやすくお話しします。


    突然の腰痛…それ、圧迫骨折かもしれません

    以前のブログでも触れましたが、高齢者の方が「最近、急に腰が痛くなって…」という場合、まず疑うべきは圧迫骨折です。特に骨粗しょう症が進んでいる方に起こりやすく、レントゲンでも診断は可能ですが、MRI検査が診断に非常に有効です。

    ただし、すべての圧迫骨折が強い痛みを伴うとは限りません。中には痛みもなく、自分でも気づかないうちに骨折していた、というケースもあり、これは「いつの間にか骨折」と呼ばれます。


    圧迫骨折の症状はさまざまです

    圧迫骨折は、発症のタイミングや骨の状態によって主に以下の4つのパターンに分けられます。

    • 急性期の激痛型:寝返りもできないほどの強い痛み。
    • 遷延痛型:時間が経っても、寝起きや動作のたびに痛みがある。
    • 慢性型:しばらくしてから足の力が入らなくなる。
    • 後弯変形型:背中が丸まり、姿勢が崩れることで背中に痛みが出る。

    多くの場合は自然治癒しますが、全体の約2割の方は痛みや変形が慢性化する傾向があるため、注意が必要です。


    治療法は?コルセットと骨セメント治療

    ■従来の治療:コルセット装着

    昔から行われているのが、体幹を支えるコルセットやギプスを数か月間装着する方法です。副作用も少なく安全性が高い一方、痛みが治まっても背骨が曲がらないように、3~4か月の着用が勧められます。

    最近の研究でも、「装着した方がより良い経過が期待できる」という報告が出ており、無理なく続けることが大切です。

    ■新しい選択肢:骨セメント治療

    「骨セメント」と呼ばれる医療用樹脂を骨折部位に注入する方法もあります。以下の2つの手法があります:

    1. 直接注入法:針を刺してセメントを注入する。
    2. 風船やステントを使う方法:骨の中に空間を作ってからセメントを注入。

    いずれも急性の強い痛みがある方に効果があり、動作時の痛みを大きく軽減することができます。

    ただし、背骨の変形による慢性的な痛みや、**神経症状(麻痺など)**がある場合には、この治療法だけでは不十分で、固定術という別の手術を併用する必要がある場合もあります。


    骨セメント治療のリスクは?

    まれに、注入したセメントが神経や血管に漏れることで合併症が起こる可能性がありますが、経験豊富な医師のもとで行えばリスクは非常に低いとされています。

    むしろ注意したいのは、骨セメント治療を行った背骨の上下に再度圧迫骨折が起こるケース。このため、術後も骨粗しょう症の継続的な治療が欠かせません。


    見逃さないで!「いつの間にか骨折」のサイン

    圧迫骨折は胸椎と腰椎の境目付近に多く、一つの骨が潰れると連鎖的に周囲の骨も折れやすくなるのが特徴です。

    こんな症状があれば、圧迫骨折のサインかもしれません:

    • 背中や腰が丸くなってきた
    • 背中を伸ばしづらくなった
    • 身長が縮んだ気がする
    • 背中が重だるい
    • 呼吸が浅く感じる、胃腸の調子が悪い

    まとめ:早期発見と予防がカギです

    圧迫骨折を放置すると、姿勢が崩れたり、内臓を圧迫したりして日常生活に大きな影響を与えます。慢性的な痛みによって動くのが億劫になり、寝たきりのリスクも高まります。

    「なんとなく背中や腰が重い」「姿勢が気になる」という方は、まずは、お近くの整形外科でチェックを受けてみてください。

    骨粗しょう症や圧迫骨折と診断され、痛みがある場合でも当院で治療を受けることが可能です。
    むしろ、数か月安静にしていると全身の筋肉が弱くなり、関節も硬くなり、廃用性委縮の危険も高くなります。

    腰の痛みでお困りなら一会整骨院へ

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