こんにちは。一会整骨院の杉田です。股関節の痛みを訴える患者さんは当院より前に整形外科へレントゲンを撮ってから来院される方が大半です。医師から告げられる症状名で一番多いのは臼蓋形成不全。つまり股関節が通常より浅い状態と思ってください。
臼蓋形成不全は、股関節の骨盤側(臼蓋)が十分に発達せず、大腿骨頭(太ももの骨の先端)をしっかり覆えていない状態を指します。このため、股関節の安定性が低下し、関節にかかる負担が増え、将来的に変形性股関節症へ進行するリスクが高まります。
先天的・後天的な要因
臼蓋形成不全には大きく分けて2つの原因があります。
- 先天的(発育性)要因
生まれつき臼蓋の発達が不十分な場合で、乳児期に超音波やX線で診断されることが多いです。日本人女性に多い傾向がありますが、乳児期の臼蓋形成不全は軽度の場合、臼蓋と骨頭が正しい位置にあれば、成長とともに自然に改善することが期待できます。 - しかし、脱臼や亜脱臼が認められる場合、または形成不全の程度が強い場合は、自然治癒しないこともあります。
- 自然治癒を促すためには、赤ちゃんの下肢の動きを制限しないようなおむつや服装を選ぶ、抱き方やミルクを飲ませる姿勢に注意するなど、育児環境を整えることが大切です自然に改善することも多いとされています。
- 後天的要因
成長期や成人後に、骨盤や股関節への負担、特定の運動や生活習慣、骨盤のアライメント異常(例:骨盤前傾)などによって発症する場合があります。後天的なケースでは、骨と骨の衝突(インピンジメント)や不適切な動作が原因となることもあります。
手術と保存療法の適応
- 保存療法の適応
痛みや機能障害が軽度の場合は、運動療法や筋力強化、日常生活指導などの保存療法が推奨されます。保存療法は、股関節周囲の筋肉を鍛えることで関節への負担を軽減し、症状の進行を防ぐ目的があります。 - 手術が必要な状態
保存療法を行っても痛みや機能障害が強く、日常生活に支障が出る場合や、関節の変形が進行している場合は、手術(例:寛骨臼回転骨切り術や人工股関節置換術)が検討されます。手術適応の判断には、X線画像での評価(CE角やSharp角など)や症状の程度が重要とされています。
当院での施術の有効性
当院では、股関節だけでなく全身のバランスを重視した施術を行っています。
- 股関節周囲の筋力トレーニング
弱った筋肉を鍛えることで、股関節の安定性を高めます。 - 足首や骨盤矯正、背骨のアプローチ
骨盤や背骨、足首のアライメントを整えることで、股関節への負担を分散し、症状の改善を図ります。 - 個別の運動指導
患者さん一人ひとりの状態に合わせた運動、トレーニングを提案し、日常生活での再発予防につなげます。
これらの施術は、単に股関節だけを診るのではなく、全身の連動性や姿勢を整えることで、臼蓋形成不全による症状の軽減や進行予防に役立ちます。
参考文献(引用論文)
- 変形性股関節症に対する保存療法の効果とその作用機序ならびに手術療法への移行基準(日本股関節学会誌)
- 臼蓋形成不全による二次性変形性股関節症患者に対し理学療法を実施した研究(理学療法学)
- [研究論文] 先天的臼蓋形成不全と後天的臼蓋形成不全
要約(240文字)
臼蓋形成不全は股関節の受け皿が浅く、大腿骨頭の被覆が不十分な状態です。先天的要因と後天的要因があり、保存療法が基本ですが、進行や強い痛みがあれば手術も検討されます。当院では全身のバランス調整や筋力トレーニングを組み合わせ、症状の改善と進行予防を目指します。
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