ファシア(筋膜)って何?体の痛みとの関係を分かりやすく解説

    こんにちは。横須賀市、北久里浜駅、堀ノ内駅エリアにある一会整骨院です。当院では最近、腰痛、坐骨神経痛の患者様が増えてきています。当院が施術の中で患者様から言われるのが『全部繋がっているんですね!』というお言葉。
    その通り全部繋がっています。その中で筋膜に着目してお伝えしようと思います。

    最近、「ファシア(fascia)」という言葉を耳にする機会が増えていませんか?雑誌でも取り上げられていますね。
    日本では「筋膜」と訳されることが多いため、「ファシア=筋膜」と思われがちですが、実は正確には少し違います。

    ここでは、ファシアの正しい意味や筋膜との違い、またご自宅でできるセルフケア方法について、わかりやすく解説していきます。


    ファシアとは?筋膜とは違うの?

    ファシアとは、体内のあらゆる組織や臓器を包んでいる“膜”の総称です。筋肉だけでなく、心臓・胃・神経・血管など、さまざまな部分に存在します。

    • 英語で「fascia(ファシア)」は、ラテン語で“ベルト”や“紐”を意味する言葉が由来です。
    • 日本では「筋膜」と訳されることが多いですが、実際には筋膜だけではなく、すべての“膜”を含む広い意味を持っています。

    ✅ 筋膜はファシアの一部であり、正確には「myofascia(マイオファシア)」と呼ばれます。
    ✅ ファシア全体を表す言葉としては「membrane(メンブレン)」が適切です。


    ファシアをイメージしてみましょう

    「膜ってどんなもの?」とイメージしづらい方は、ご自身の“目”を鏡で見てみてください。

    まぶたの裏から白目にかけて、血管の通った透明な膜がありますよね? これは「結膜」と呼ばれる膜で、これもファシアの一種です。膜同士が滑らかに動くことで、目の動きがスムーズになります。

    このように、ファシアは滑らかに動くことで、私たちの身体のスムーズな動作を支えてくれているのです。


    ファシアと液体成分の関係

    ファシアが正常に機能するためには、潤滑の役割を果たす液体成分が不可欠です。

    • 目では「涙」がその役割を担い、滑らかな動きを助けます。
    • 筋膜では「基質(主にヒアルロン酸)」が潤滑剤の役割を果たします。

    この液体が不足すると、膜の滑りが悪くなり、動きにくさや痛みを感じやすくなってしまいます。


    ファシアの癒着と痛みの関係

    ファシアの滑りが悪くなると、「癒着」が起こります。癒着とは、膜同士がくっついて動きにくくなる状態です。これが進行すると、痛みのセンサー(侵害受容器)が刺激され、次のような症状を引き起こします。

    • 可動域の制限
    • 張り感
    • 動作時の痛み(寝違え・ぎっくり腰など)

    超音波(エコー)で見ると、異常な膜は白く厚く映し出されることがあります。


    ファシアが癒着する原因とは?

    以下のような日常生活のクセや環境が、ファシアの癒着を引き起こす原因になります。

    • 運動不足
    • 猫背や長時間の同じ姿勢(デスクワーク・スマホ操作など)
    • ケガや手術による組織の損傷
    • 精神的ストレス

    現代人は、こうしたファシアへの負担がかかりやすい生活環境にあります。


    トリガーポイントとの関係

    癒着したファシアには、「トリガーポイント」と呼ばれる痛みの原因部位が形成されやすくなります。

    • 「トリガー(引き金)」+「ポイント(点)」という意味で、まさに“痛みの引き金”になる場所です。
    • トリガーポイントは、慢性的な肩こりや腰痛などの原因にもなります。

    自宅でできるファシアのセルフケア

    ファシアの癒着を防ぐためには、日常的なセルフケアがとても重要です。

    ✅おすすめのセルフケア方法

    • 指圧のように強く押すのではなく、
    • **「皮膚をずらしながら、患部をゆっくり伸ばしたり、軽くひねったり」**する方法が効果的です。
    • この時呼吸を一緒に加えると効果的です。

    ファシアを整える施術「ファシアリリース」とは?

    ファシアリリース(Fascia Release)は、筋膜や膜の滑走を改善し、痛みや不調を和らげるための施術方法です。以下のような方法があります。

    1. 注射療法(ハイドロリリース)
       異常部位に生理食塩水を注入し、膜の滑走を促進します。
    2. 鍼治療(トリガーポイント鍼)
       痛みのポイントに鍼を刺して刺激を与えます。
    3. 徒手療法(fascia slide & release®)
       皮膚を大きくずらすマッサージで、ファシアの滑りを改善。
    4. 低負荷の反復運動
       筋肉に強い負荷をかけず、軽い動きで膜の滑走を促します。

    当院では、3.4の方法を組み合わせて、症状の改善を目指しています。


    「ファシアはがし」と「ファシアリリース」の違いは?

    よく聞かれる「ファシアはがし」という言葉。実は「ファシアリリース」と同じような意味で使われています。

    ただし、「はがし」という言葉から“痛そう”“強引”という印象を持たれる方も多いと思いますが、私は「はがし」も「リリース」も同じ表現だと認識しています。


    用語の違いを整理しましょう

    用語内容
    ファシアリリース筋膜を柔らかくし、可動域を広げる専門的な手技
    ファシアケア日常的に筋膜の健康を維持するためのストレッチや習慣
    ファシアマッサージリラックスを目的に筋膜をほぐすマッサージ
    • リリースという言葉が一般的なのは、より患者様がイメージしやすいようにセラピスト側が用いているように感じます。
      自分で行うのはケア、治療のために行う手技がリリース、リラックスの為に行うのがマッサージです。

    おわりに

    ファシアの理解は、痛みの原因を知るうえでとても大切です。
    「なんとなく体が重い」慢性的な症状がある場合は、ファシアの癒着が関係しているかもしれません。
    施術の1つとしてファシアに着目して、今後様々な情報が出てくるのを期待しましょう。

    横須賀市で慢性腰痛でお困りなら一会整骨院へ

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