変形性膝関節症に筋肉トレーニングが必要な理由

    こんにちは。横須賀市北久里浜駅にある一会整骨院です。今回は、多くの患者さんが悩まれている変形性膝関節症について、特に筋力トレーニングの重要性についてお伝えしていきます。

    変形性膝関節症とは?

    変形性膝関節症(膝OA)は、加齢や様々な要因により、膝関節の軟骨がすり減ったり、変形したりすることで起こる疾患です。日本では推定約2,500万人が罹患していると言われ、特に50歳以上での女性に多く見られます。

    主な症状

    • 階段の上り下りで痛む。特に階段の下りの方が痛みが強い方が多い
    • 長時間の歩行で痛みが出る。これにより旅行や友人との外食に行けなくなるとの悩みを訴える方が多い
    • 正座がつらい。そもそも正座は膝関節の負担がかかる座り方
    • 朝起きた時や長時間座った後に膝が固くなる。初動時痛と言われ、動かし始めは痛いが動かしていると楽になる場合が多い
    • 膝から音がする。膝蓋下脂肪体が硬くなりシャリシャリ、パリッと音がする。

    なぜ膝の痛みが起こるのか?そのメカニズム

    1. 軟骨のすり減り

    健康な膝関節では、大腿骨と脛骨の間に軟骨があり、クッションの役割を果たしています。この軟骨が徐々にすり減ることで、以下のような問題が発生します。

    • 骨と骨が直接当たるようになる
    • 衝撃吸収能力が低下する
    • 関節の動きがスムーズでなくなる

    2. 炎症の発生

    軟骨がすり減ると、骨や関節の組織に負担がかかり、炎症が起こります。この炎症により、

    • 関節液の質が変化
    • 滑膜の肥厚
    • 痛みや腫れの原因となる

    3. 悪循環の形成

    痛みを避けようとして動きが制限することで、

    • 膝周囲筋の筋力が低下
    • 関節の安定性が失われる
    • さらに軟骨への負担が増加
    • 症状が悪化

    という悪循環に陥ってしまいます。

    なぜ筋力トレーニングが必要なのか?

    1. 関節の安定性向上

    膝関節の周りの筋肉、特に大腿四頭筋や大腿二頭筋を強化することで、

    • 関節の安定性が増す
    • 不適切な動きが減少
    • 軟骨への負担が軽減

    つまり変形性膝関節症の症状改善の為には、トレーニングがかかせません。

    2. 衝撃吸収能力の向上

    筋肉には衝撃を吸収する能力があります。

    • 歩行時や階段昇降時の衝撃を和らげる
    • 軟骨への負担を減らす
    • 痛みの軽減につながる

    3. 血液循環の改善

    適度な運動は、

    • 関節周辺の血液循環を促進
    • 炎症を抑える物質の産生を促す
    • 関節の柔軟性を維持する

    4. 体重管理のサポート

    筋力トレーニングは、

    • 基礎代謝を上げる
    • 体重管理に役立つ
    • 膝への負担を軽減

    効果的な筋力トレーニングの方法

    1. 大腿四頭筋の強化

    最も重要な筋肉群の一つです。多くの整形外科ではこの筋肉のリハビリを指導しています。

    座位での膝伸ばし運動

    • 椅子に座った状態で
    • ゆっくりと膝を伸ばす
    • 5秒間保持
    • 10回を1セットとして、1日3セット

    必ず座った状態で行ってください。仰向けで膝を伸ばすように指導される事もありますが、そのやり方だと腰に負担がかかります。

    2. ハムストリングスの強化

    大腿四頭筋より大事なトレーニングになります。普段からハムストリングを意識的に使うことは難しく、多くの方が弱くなっています。また姿勢保持にも大切な筋肉になります。

    膝曲げお尻上げ運動

    • 仰向けに寝ます
    • 膝を90度曲げる
    • 膝が真っ直ぐな状態でお尻を上げます
    • 上げた状態で10秒キープを10回1セット 1日3セット行いましょう

    3. 股関節周りの筋力強化

    横寝での足上げ運動

    • 横向きに寝て
    • 上側の脚を持ち上げる
    • 5秒間保持
    • 各脚10回ずつ

    トレーニングを行う際の注意点

    1. 痛みに注意

    • 痛みを我慢して行わない
    • 違和感を感じたら中止
    • 徐々に負荷を上げていく

    最初から意気込んでトレーニングに取り組む気持ちは大切ですが、自分が思っているより筋肉は弱っています。まずは無理なく、続ける事を対せるにして下さい。

    2. 正しいフォーム

    • 鏡を見ながら行う。鏡がない場合は窓に映る姿でも構いません。
    • 必要に応じて指導を受ける。当院では自宅でも正しく行えるよう治療の前後で繰り返し指導しています。
    • 急な動きを避ける。思わぬ再負傷に繋がりますのでご注意ください。

    3. 継続が重要

    • 毎日少しずつ
    • 無理のない範囲で
    • 習慣化を心がける

    特に最初の2週間から1ヵ月は物足りない程度で大丈夫です。正しく行うことが大切ですので回数にこだわらずに。筋トレが習慣になるように自分のペース配分で行いましょう。

    まとめ

    変形性膝関節症の改善には、適切な筋力トレーニングが不可欠です。ただし、症状には個人差があり、それぞれの状態に合わせた治療が必要です。

    当院では、患者さん一人一人の患者様の状態を細かく評価し、最適な運動プログラムをご提案しています。膝の痛みでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。

    適切な運動療法と生活習慣の改善で、多くの方が症状の改善を実感されています。あきらめることなく、一緒に改善を目指していきましょう。

    最後までお読みいただき、ありがとうございました。何かご不明な点がございましたら、お気軽に当院までお問い合わせください。