肩こりにおける「第1肋骨(第一肋骨)」へのアプローチがなぜ重要か


こんにちは。神奈川県横須賀市・一会整骨院院長の杉田友康です。今回は、肩こりにおいて「第1肋骨」に対する施術・評価がなぜ有効なのかを解説します。多くの整骨院や整体院が肩こり=僧帽筋・肩甲挙筋・肩甲間部への施術がメインになりがちですが、実は「第1肋骨」が肩・首・肩甲帯に大きな影響を与えているケースが少なくありません。
また肩こりだけでなく、首から腕の痺れの患者さんに対しての大切なアプローチになります.
1.第1肋骨とは/構造的特徴
まず、第1肋骨の基本的な構造と、なぜ肩こりと関係するのかを整理します。
- 第1肋骨は、首から胸郭へと移り変わる移行部の位置にあって、頸椎・鎖骨・肩甲帯・胸郭筋膜・筋肉付着など、さまざまな構造が重なる部位です。
- 特に、前・中斜角筋がこの第1肋骨の上に付着し、また肩甲帯・肩甲骨の運動との関連筋(例:前鋸筋など)も関与します。前・中斜角筋は「第1肋骨・第2肋骨を挙上させる」作用があります。ウィキペディア
- また、解剖学的には「第1肋骨の上方移動(あるいは位置変化)」が起こると、付着筋・神経・血管・筋膜のストレス源となりやすいという報告があります。Rehab Hero+1
つまり、「肩や首まわりの筋肉・筋膜・姿勢」に影響を与える構造的な中継点として第1肋骨が存在すると言えます。
2.肩こりと第1肋骨の関連メカニズム
では具体的に、「肩こりの人に第1肋骨がどのように影響しているか」を整理しましょう。
● 斜角筋-第1肋骨の作用
前・中斜角筋が過緊張・過剰収縮していると、第1肋骨を引き上げる・あるいは「第1肋骨が動きにくくなる」状況が生まれます。Rehab Hero+1
第1肋骨が“固定”または“挙上”状態になると、次のような影響が出ます:
- 頸部の側屈・回旋・伸展動作が制限されやすくなり、それによって頸部~肩甲帯に「こり感」「筋緊張」が出やすくなります。Erik Dalton Blog+1
- 第1肋骨の動きが制限されると、呼吸時・肩甲帯運動時に連動する筋膜・筋肉が“代償”を強いられ、肩の筋緊張・肩こりが慢性化しやすいです。Rehab Hero
● 肩甲帯・胸郭・神経・血管との関連
さらに、第1肋骨周辺には以下の構造が近接しています:
- 神経(腕神経叢、頸神経根)
- 血管(鎖骨下動脈・静脈)
- 筋膜・付着筋群(斜角筋・前鋸筋・肩甲挙筋など)
これらの構造が、第1肋骨の機能異常(挙上・固定・側方変位)により、機械的・神経的な負荷を受け、「首〜肩〜肩甲帯の痛み・こり・違和感」を引き起こす可能性があります。実際、「第1肋骨機能障害」が頸・肩の痛みに関わるという研究があります。PMC+2annalskemu.org+2
● 姿勢・運動連鎖としての影響
さらに、肩こりが単なる肩の筋肉だけの問題ではなく、頸部~胸郭~肩甲帯~上肢という連鎖的な運動構造の中で起きているという観点からも、第1肋骨は“連結点”として意識すべき構造です。例えば、前かがみ姿勢・スマホ首・デスクワーク姿勢では、斜角筋が過緊張を起こしやすく、第1肋骨の動きが制限され、その結果肩~首のこりが起きやすくなります。
3.一会整骨院でのアプローチ:なぜ第1肋骨施術が選択肢になるか
では、実際に当院での施術・評価についてお伝えします。
✅ 評価ポイント
- 第1肋骨の動き(左右差・挙上具合・回旋側の制限)を手技的に確認。例えば、斜角筋の過緊張・第1肋骨の“固定感”・頸部から肩甲帯にかけての筋膜トーンの違いをチェックします。
- 肩こりの症状だけではなく、頸部可動域・呼吸時胸郭の動き・肩甲帯の連動動作(肩の挙上・外転・回旋)を併せて確認。第1肋骨が制限されていると、これらに影響出ることがあります。
- 他院や整形外科で改善しなかった肩こり・首こりの患者さんで「斜角筋~第1肋骨~肩甲帯にかけての緊張」が強く残っているケースが少なくありません(当院での臨床観察です)。
✅ 施術・ケア内容
- 第1肋骨の“動き”を改善するための手技(モビリゼーション・筋膜リリース・斜角筋ストレッチ等)を実施。実際、研究でも「第1肋骨モビリゼーション」が頸部痛・放散痛に有効という結果があります。annalskemu.org+1
- 斜角筋・前鋸筋・肩甲帯付近筋(肩甲挙筋・僧帽筋上部線維など)のストレッチ・トーン調整。これにより第1肋骨の連動を良好にします。
- 呼吸・胸郭の動き・姿勢(特に頭部前傾・肩前方位・丸肩)を改善するエクササイズや生活指導。第1肋骨の動きが良くなると、肩こりの改善にもつながります。
- 再発を防ぐために、姿勢・デスクワーク時の習慣・肩甲帯のセルフケア(ストレッチ・肩甲骨のリトラクションなど)を取り入れます。
✅ なぜ当院でこのアプローチが効果的か
当院では、他院・整形外科で改善しなかった「慢性的な肩こり・首こり・肩甲帯のしつこいこり」で、上記のような第1肋骨を含むアプローチによって改善された例が多くあります。特に「肩こりを繰り返す」「肩〜首〜肩甲骨にかけて慢性的にこる」という方には、筋だけでなく構造(第1肋骨を含む)を整えることが鍵になると感じています。
4.まとめ:
- 肩こり=肩の筋肉というだけでなく、頸部~胸郭~肩甲帯~第1肋骨という動きの連鎖を視野に入れることが重要です。
- 第1肋骨が「動かない」「挙上して固定されている」状態になると、斜角筋・肩甲帯筋・筋膜などに代償負荷がかかり、肩こり・首こりの慢性化につながります。
- 当院では、単に筋肉をほぐすだけでなく第1肋骨の動きを改善する手技・ストレッチ・姿勢・生活習慣改善を組み合わせることで、肩こりの根本改善を図ることができます。
- 特に「何度も肩こりがぶり返す」「肩・首・肩甲骨まわりがいつもこっている」「他院で肩こり改善しなかった」という方には、第1肋骨を含めた評価・施術が有効な可能性があります。
ご一読有難う御座いましたm(_ _”m)
院詳細
| 店舗名 | 一会整骨院 |
|---|---|
| 営業時間 | 午前8:30~12:30 午後15:00~20:00 水曜日、土曜日は午前診療のみ |
| 定休日 | 日曜、祝日 |
| 住所 | 〒239-0807 神奈川県横須賀市根岸町5-21-38 奥山ビル1階右号室 |
| 交通 | バス停「妙真寺」徒歩5分 |
| 駐車場 | 2台 |
| 電話番号 | 046-845-9171 |
