股関節の痛み、原因は股関節だけじゃない|変形性股関節症と全身バランスの関係

    変形性股関節症について|横須賀の整骨院なら一会整骨院

    HIP JOINT CARE COLUMN

    変形性股関節症について

    股関節の痛みは、股関節だけの問題ではありません

    歩き始めや長く歩いたあとに、脚の付け根がズキッと痛む。しゃがみ込みにくい。靴下が履きにくくなった。そんなお悩みで来院される患者さんの多くが、レントゲンで「変形性股関節症」と診断されています。診断名を聞くと「もう手術しかないのでは」と不安になる方も少なくありませんが、実際には早い段階で適切なケアを行うことで、進行を穏やかにし、痛みを抱えながらも快適に過ごせる期間を大きく延ばすことができます。今回は、変形性股関節症がどのような疾患なのか、そしてなぜ当院では手術を急ぐ前に徒手療法を大切にしているのかをお伝えします。

    変形性股関節症とは

    股関節は、骨盤側の「臼蓋(きゅうがい)」というくぼみに、太ももの骨の先端である「大腿骨頭」がすっぽりとはまり込む構造をしています。この間にあるクッション役の関節軟骨が、加齢や負荷の蓄積によってすり減り、骨同士が近づいて炎症や変形が進んでいく状態を変形性股関節症と呼びます。一度すり減った軟骨は、残念ながら自然に元通りになることはありません。だからこそ、早期に発見し、進行のスピードをコントロールしていく視点が重要になります。

    原因は大きく二つに分かれます

    明らかなきっかけがなく、加齢や体重、日々の負荷の積み重ねによって軟骨がすり減っていくものを「一次性」と呼びます。一方で、日本人の変形性股関節症の多くは「二次性」に分類され、その大部分は生まれつき股関節の受け皿が浅い「臼蓋形成不全」や、乳幼児期の先天性股関節脱臼が土台にあります。臼蓋が大腿骨頭を十分に覆えていないと、体重の負荷が狭い範囲に集中してかかり続けることになり、軟骨のすり減りが早まってしまうのです。この背景があるため、変形性股関節症は男性よりも女性に多くみられる疾患でもあります。

    進行には段階があります

    変形性股関節症は、前股関節症・初期・進行期・末期という4つの段階を経て進んでいきます。初期の段階では、関節の隙間がわずかに狭くなり始める程度で、この時期にしっかりと股関節まわりの筋力強化や動きの改善、生活習慣の見直しに取り組めるかどうかが、その後の経過を大きく左右します。進行期に入ると軟骨のすり減りがはっきりし、しゃがみ込みづらさや歩行時の痛みが強くなってきます。末期になると関節の隙間がほぼ失われ、人工股関節への置換手術が主な選択肢になってきます。つまり、初期から進行期のうちにどれだけ丁寧にケアできるかが、手術を回避できるか、あるいは手術の時期を先延ばしできるかの分かれ道になるのです。

    なぜ、すぐに手術ではなく徒手療法が大切なのか

    すり減ってしまった軟骨そのものを、施術によって元に戻すことはできません。ここは正直にお伝えしなければならない部分です。しかし、股関節の痛みや動きにくさのすべてが、軟骨のすり減り「だけ」で説明できるわけではないというのが、臨床の現場で日々感じていることです。同じレントゲン画像の進行度合いであっても、痛みが強く生活に支障が出ている方もいれば、ほとんど痛みなく過ごせている方もいます。この差を生んでいるのが、股関節を取り巻く筋肉のバランスや、骨盤・背骨・足元までを含めた「からだ全体の使い方」です。

    たとえるなら、少し傾いた土台の上に建った家のようなものです。土台そのものを一晩で作り直すことはできませんが、柱の傾きや壁のたわみ方に合わせて調整を重ねていけば、家全体にかかる負担を大きく減らすことができます。股関節も同じで、骨盤の傾きや背骨のバランスを整え、股関節にかかる負荷の向きや量を変えていくことで、痛みを軽くし、進行のスピードを緩やかにできる余地が十分にあるのです。手術という大きな決断の前に、この「土台の調整」を試す価値は非常に大きいと考えています。

    一会整骨院が「股関節だけ」をみない理由

    当院では、股関節に痛みを抱えて来院された方であっても、股関節だけを施術することはありません。骨盤・背骨・足元まで、からだ全体を確認しながら施術を進めています。

    ① 骨盤のゆがみ

    まず確認するのが骨盤のゆがみです。骨盤が左右や前後に傾いていると、股関節にかかる荷重の向きが偏り、特定の部分に負担が集中してしまいます。骨盤の傾きを整え、荷重のかかり方を左右で均等に近づけていくことが、股関節への負担を減らす第一歩になります。

    ② 猫背(背骨のバランス)

    次に見るのが背骨、特に猫背の状態です。背骨が丸まって重心が前に落ちると、それを支えるために股関節や骨盤が代償的に傾き、結果として股関節への負担が増えてしまうことが少なくありません。背骨の丸まりを整え、重心を本来の位置に戻すことで、股関節にかかる不要な力を軽減していきます。

    ③ 足の着き方・外反母趾

    さらに、足の着き方や外反母趾の有無も丁寧に確認します。着地のたびに足元でうまく衝撃を吸収できていないと、その負担は膝を通り越して股関節にまで伝わっていきます。外反母趾があると足の親指側でしっかり地面を蹴ることができず、歩き方そのものが崩れて股関節の使われ方に偏りが出ることもあります。足元の着地の仕方を見直すことも、股関節を守るうえで欠かせない視点です。

    このように、股関節の痛みの背景には、足元から骨盤、背骨に至るまで、からだ全体の連動が関わっています。だからこそ当院では、痛みのある股関節だけを揉みほぐすのではなく、骨盤・背骨・足元までを含めた全体のバランスを整えることを大切にしています。

    早期対応が何より大切です

    股関節に限らず、関節は一度変形してしまうと元の形に戻ることはありません。だからこそ、「まだ大丈夫」と我慢を続けるのではなく、違和感を覚えた段階で一度からだの状態を確認しておくことが、将来の選択肢を広げることにつながります。歩き始めの痛みや脚の付け根の張りなど、気になる症状がある方は、進行してしまう前にぜひ一度当院までご相談ください。

    院長 杉田友康

    この記事を書いた人

    院長 杉田友康

    柔道整復師

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