腰部脊柱管狭窄症、画像の「狭さ」だけで諦めないでください|横須賀市の一会整骨院が伝える股関節の伸展可動域という鍵

    腰部脊柱管狭窄症、画像の「狭さ」だけで痛みは説明できません その足のしびれ、諦める前に知っておきたい「股関節」という視点 「MRIを撮ったら脊柱管が狭いと言われました。だから痛いし、しびれるんです」 横須賀市にある当院にも、こう話される患者さんは少なくありません。一見、筋の通った説明に思えます。しかし、狭いから痛い、痛いのは狭いせいだ、というこの図式は、実は必ずしも正しくありません。今日は腰部脊柱管狭窄症について、画像所見と症状のズレ、そして症状の改善に大きく関わる「股関節」という視点からお伝えします。 そもそも腰部脊柱管狭窄症とは 加齢によって背骨が変性し、神経の通り道である脊柱管が狭くなり、馬尾神経や神経根が物理的に圧迫される状態を指します。65歳以上が受ける腰の手術の中で最も多い原因であり、それだけメジャーな疾患だといえます。 狭くなる原因は一つではありません。椎間板が変性して水分量が落ち、高さを失うことで椎間関節に負担がかかり肥厚します。黄色靭帯が分厚くなり、骨棘ができ、すべり症が混ざることもあります。これらが積み重なって、脊柱管を狭めていくのです。 画像の「狭さ」と症状は、実は一致しない ここが今日いちばんお伝えしたいポイントの一つです。平均66.3歳の一般住民938名を対象にMRIで調べたある研究では、77.9%に中等度以上の腰部脊柱管狭窄、30.4%に高度の狭窄が確認されました。画像上「狭い」と判定される人は、無症状の人を含めると決して少なくないのです。 17.5% 狭窄が確認された人のうち、実際に症状として現れている割合はこの程度にとどまります。画像の狭さと、実際の症状の間には、それだけ大きな隔たりがあるということです。 そもそも加齢によって背骨が変性していくこと自体は、ごく自然な経過です。白髪や肌の細かなシワが年齢とともに増えていくのと、本質的には同じことだと考えてください。無症状の60歳以上の方でも、21%に脊柱管狭窄、36%に椎間板ヘルニア、そして96〜100%に椎間板の変性や膨隆が見られます。板の変性そのものは20代ですでに37%、50代で80%、80代では96%と、年齢とともにほぼ全員に現れてくるとされています。 つまり、画像上「狭い」ことと、治療が必要な状態であることは、イコールではありません。狭く映っていることと、実際に症状に困っていることは別問題なのです。 では、症状が出る人と出ない人の違いは何か 鍵となるのは姿勢です。脊柱管の狭さは、実は「動く狭さ」です。腰を反らす動き(伸展)をすると、黄色靭帯が内側にたわみ、椎間板の後方への出っ張りと椎間関節の重なりが深まって、断面積が最小になり神経が直接圧迫されます。逆に体を前に曲げる動き(屈曲)をすると、黄色靭帯が縦に引き延ばされてたるみが取れ、神経の通り道が能動的に広がって圧迫が劇的に緩みます。 これが、前かがみになると歩ける、いわゆる「ショッピングカート徴候」の正体です。カートを押すと自然と前傾姿勢になるため、楽に歩けるようになるのです。 症状にもはっきりとした特徴があります。歩いていると太もも〜ふくらはぎに痛みやしびれ、突っ張り感、だるさ、脱力感が出てくるものの、前屈んだり座ったりすると数分以内にすっと軽くなる。これを間欠性跛行と呼びます。症状の強さは左右で異なることが多く、また特定の神経の走行に沿ってきれいに現れるのではなく、足全体に境界不明瞭に広がるのも特徴です。狭窄のある方の約65%は腰痛も併せて訴えますが、実はその腰痛の強さは、狭窄そのものの重症度とは相関しないとされています。むしろ関係が深いのは、椎体そのものがどれだけ傷んでいるか、そして多裂筋や腸腰筋の脂肪変性です。これらは狭さとは独立して、腰痛に関わってきます。 まず知ってほしい「自然経過」という考え方 脊柱管狭窄症と聞くと不安になる方も多いのですが、急激に麻痺まで進行するケースは実は稀です。保存療法だけでも、3〜10年の経過で33〜60%の方が症状の安定や自発的な改善を経験しているというデータがあります。麻痺や急性の膀胱直腸症状がない限り、まず第一選択となるのは保存療法。これが現在の考え方です。 保存療法の柱として効果が確立されつつあるのが、骨盤の後傾を促して腰椎が反りすぎるのを抑える運動制御、そして前傾姿勢を保ちながら行う有酸素運動です。これらを組み合わせて週2回、約6週間続けることで、1年後の手術移行率が約3分の1まで減ったという報告もあります。やるべきことをやれば、手術の手前で食い止められる可能性があるということです。 本題です。動かすべきは腰だけではありません ここからが、当院として最もお伝えしたい内容です。脊柱管狭窄症に対して最も重要なのは、実は腰そのものではなく、股関節の伸展可動域です。 腸腰筋や大腿直筋といった股関節の前面にある組織が硬くなり、股関節が十分に伸びなくなると、歩行のたびに足りない伸展を腰椎が肩代わりしてしまいます。つまり、股関節の伸展可動域が出ないと、一歩ごとに腰で代償して反ってしまい、自分自身で脊柱管を狭くする方向へ体を持っていってしまうのです。 逆に、股関節の伸展可動域を十分に取り戻すことができれば、腰椎が無理に反る必要がなくなります。狭くなる局面そのものを減らすことができるのです。腰の反りや骨盤のコントロールも大切な要素ですが、当院がまず注目するのは股関節です。どれだけ股関節の伸展を引き出せるかが、狭窄症の経過を大きく左右すると考えています。 いくら腰そのものを丁寧に施術しても、画像に映っている狭さそのものを変えることはできません。しかし、画像の狭さと共存できる体をつくることはできます。その最大の鍵が、股関節の伸展なのです。 ケース紹介:歩くと足がしびれてきた70代男性の場合 「少し歩くと足がしびれて、前かがみになると楽になる」というご相談で来院された70代の男性がいらっしゃいました。仰向けで股関節の伸展可動域を確認すると、左右とも明らかな硬さがあり、うつ伏せで膝を伸ばしたまま股関節を伸展する自動運動でも、可動域の乏しさが見られました。腸腰筋・大腿直近筋のストレッチと、股関節の運動に連動させた腰椎まわりの筋緊張リリースを組み合わせたアプローチを行ったところ、その場で股関節の伸展可動域が明らかに改善し、うつ伏せでの自動挙上もスムーズに行えるようになりました。もちろん、これは一度の施術で狭窄そのものがなくなったわけではありません。しかし、股関節が動くようになることで、腰椎への負担が減り、歩行時の症状が軽くなる方向へ体を導いていくことができます。 当院が大切にしていること 当院では、腰部脊柱管狭窄症の症状に対して、腰だけを揉みほぐすような施術は行いません。まず股関節の伸展可動域を評価し、腸腰筋や大腿直近筋といった股関節前面の組織の硬さを丁寧にほぐしたうえで、股関節の運動と連動させながら腰椎まわりの緊張をリリースしていきます。股関節の運動と脊椎の伸展は連動して起こる、という運動連鎖の考え方に基づいたアプローチです。 そのうえで、施術だけに頼るのではなく、ご自宅でできる運動療法もあわせてお伝えしています。正直なところ、運動の効果は一度行っただけでは長続きしません。それでも、股関節の伸展可動域を保つための運動は、続けることで確実に体を助けてくれます。だからこそ私たちは、施術と運動療法の両輪でサポートすることを大切にしています。 MRIで「狭い」と言われて不安な気持ちを抱えている方も、画像の数値だけで将来を決めつける必要はありません。狭さと上手に付き合いながら、歩ける体、動ける体を一緒につくっていきましょう。 院長 杉田友康 院長 杉田友康 柔道整復師 足のしびれ・歩行時の痛みでお悩みの方へ 一会整骨院では、股関節の可動域評価から丁寧にカウンセリングを行い、お一人おひとりに合わせた施術と運動療法をご提案しています。 ご予約はこちら 一会整骨院 〒239-0807 神奈川県横須賀市根岸町5-21-38 奥山ビル1F右 TEL:046-845-9171 診療時間:午前8:30〜12:30/午後15:00〜20:00(水曜・土曜は午前のみ) 休診日:日曜・祝日 駐車場2台完備(近隣の横須賀オートパーキング57・58をご利用ください) ※当院は予約優先制です