足底筋膜炎の原因と治療方法
足底筋膜炎は、足の裏の足底筋膜が炎症を起こし、痛みを引き起こす状態です。
主に足のかかと部分に鋭い痛みを感じることが多く、運動中や運動後、朝起きた時に痛みが強くなるのが特徴です。
足底腱膜炎、足底筋膜炎は同様の症状として扱われています。
痛みが発生するメカニズム
足底筋膜は足のアーチを支える筋腱の組織です。
歩行やランニング、スポーツでの踏み込み動作の際に過度の負荷がかかると、小さな損傷が生じ、それが積み重なることで炎症が起こります。
炎症が進行すると、筋膜が硬直し、日常生活でも痛みが増すことがあります。
どんな初期症状がでる?
初期症状としては、運動後や朝起きた時に足の裏に痛みを感じます。
痛みは一時的で通常に生活していると緩和することがあるものの、スポーツを行うと再び痛みが出る、これを繰り返す方が多く見られます。
重症度について
足底筋膜炎は軽度から重度まで様々な重症度があります。
軽度の場合は痛みは一過性であることが多く、足首のストレッチやゴルフボールを使った足の裏をマッサージなどのセルフケアで改善することが多いです。
重度になると慢性的な痛みが続き、普段の歩行でも痛みを感じるようになります。
症状を放置した場合、足底筋膜の断裂、骨棘(かかとに骨が突起する状態)を伴うこともあるため注意が必要です。
足底筋膜炎のセルフチェック
セルフチェックとしては、スポーツ中やスポーツ後、朝起きた時の踵の痛みや、足底を押して痛みを感じるかどうかを確認する方法があります。
また、足の指を持ち上げて足底筋膜を伸ばしたときに痛みが増す場合、つま先立ちをして痛みがある場合も、足底筋膜炎の可能性があります。
さらに、踵や足底に腫れがあるかどうか確認して下さい。
足底筋膜炎の原因とは?
足底筋膜炎の主な原因は、足底筋膜に過度の負荷がかかることです。
これには、硬い地面での歩行やランニング、空手や剣道のような踏み込み動作、長時間の立ち仕事や運動、不適切な靴の着用などが含まれます。また、足のアーチが高い(ハイアーチ)や、偏平足(フラットフット)のような足の形状の異常もリスク要因となります。
足底筋膜炎になりやすいスポーツ
足底筋膜炎はランニングやマラソン、バスケットボール、サッカー、剣道、空手のなど、足に強い衝撃を与えるスポーツで生じやすいです。また、ジャンプや急な方向転換を伴う動作も、足底筋膜に負荷をかけるため、リスクが高くなります。
その他、どんな人がなりやすい?
足底筋膜炎になりやすい人の特徴としては、足のアーチが高い(ハイアーチ)人、偏平足の人、肥満の人、長時間立ちっぱなしの職業に就いている人などが挙げられます。
また、不適切な靴の使用や運動不足で足の筋力が低下している人もリスクが高くなります。
炎症中に絶対にやってはいけないことは?
炎症が起こっている間は、無理に運動を続けたり、痛みを無視して足を使い続けることは絶対に避けるべきです。
また、過度に足底筋膜を伸ばしたり、痛みを感じる場所を強くマッサージすることも炎症を悪化させる可能性があるため避けてください。
足底筋膜炎の治療法
当院では、まず体全体のバランスを検査して、なぜ足底筋膜炎になったのか、痛みの原因を特定し、足底筋膜の負荷を軽減するための治療を行います。
具体的には、超音波療法や電気治療、筋膜リリースなどの手技療法を用い、筋膜の柔軟性を改善します。また、インソールの提供やテーピングなどで足のアーチをサポートし、負担を軽減するアプローチもあわせて行うことで症状を緩和し、回復に導きます。
治療期間はどれくらい必要ですか?
治療期間は個々の症状や重症度により異なります。
軽症であれば1ヵ月程度で改善が見られますが、重症の場合はスポーツ復帰に3ヵ月以上かかることもあります。
痛みが改善するまでは、治療と並行して体の使い方の見直しや適切なセルフケアを行うことが重要です。
足底筋膜炎の予防法
予防には、適切な靴の選択、足のアーチをサポートするインソールの使用、つま先立ちトレーニング(カーフレイズ)のように足底の筋力を維持することが有効です。また、足底筋膜やふくらはぎのストレッチをして柔軟性を保つことも大切です。
セルフケアの方法としては、足底筋膜や骨間筋をストレッチする運動や、足裏をゴルフボールでマッサージする方法がおすすめです。
炎症がある場合はアイスパックを使って足の痛みや炎症を軽減することも有効です。
市販のインソールに予防効果ありますか?
市販のインソールには、足底筋膜をサポートし、負担を軽減する効果が期待できます。ただし、個々の足の形や症状に合ったものを選ぶことが重要です。必要に応じてスポーツ店に相談すると良いでしょう。
よく頂くご質問
- 治療に保険は使えますか?
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はい、保険適用となります。来院時に保険証をお持ち下さい。
※但し、他院で保険を使って治療を受けていると重複となり保険外扱いとなります。
- 足底筋膜炎は子供でもなりますか?
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足底筋膜炎は成人に多いですが、成長期の子供にも発生することがあります。特に、スポーツを積極的に行う子供や、偏平足の子供や足首が硬い子供はリスクが高いです。
また10歳前後の子供で踵の痛みを訴える場合、踵骨骨端症の可能性もあります。
- まずは整形外科にいくべきですか?
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まずは当院へお越し下さい。
検査後、整形外科に受診が必要な患者さんには、協力医療機関(整形外科)へ紹介状を作成し、精査を行うようお願いしています。