成長痛の原因・症状・応急処置について

成長痛とは、幼児から思春期の成長期に起こる子どもの足特有の症状や特徴をもつ痛みの総称として、広く使われています。

病名と言うより、幼児期の繰り返す下肢の痛みで、特に骨や関節の治療すべき病気を認めない場合の症状の総称です。

以前はオスグットのような骨端症も説明がわかりやすいように『成長痛』と一括りで説明されていましたが、成長痛と骨端症は別のものです。

成長痛の特徴

  • レントゲンを撮っても、特に異常が見当たらない。
  • ずっと痛い訳ではなく、月1~2回、週1~2回など不定期に痛む。
  • 夕方~夜、寝ている時間や朝方に痛みを訴える。
  • 遊んでいる時や学校、幼稚園での痛みの訴えが少ない。
  • 痛みが出たとしても数時間以内に治まる事が多い
  • 腫れ・圧痛・関節の運動制限などの炎症症状がみられない

骨端症とは?

骨端症とは骨端線が痛くなる子供の病気です。

骨端線とは骨が成長をする時に見られる部位です。

中学生くらいになると成長が止まり骨端線も消失しますが、それまでの間に骨端線の部分へ負荷や機械的な刺激が加わることで骨端症を発症し、痛みや成長障害を引き起こします。

症状名解説
シーバー病10歳前後の男児の踵の痛み
第1ケーラー病7歳前後の男児に多く見られる舟状骨の痛み
第2ケーラー病(フライバーグ病)12~18歳の女性に多く見られる2趾の中足骨頭の痛み
イズリン病8歳~15歳で5趾の中足骨の基部の痛み
オスグット10~15歳の男児に多く見られる、脛骨粗面の痛み
ペルテス病4歳~7歳の女子に見られる股関節の痛み(※)

※ペルテス病について
1歳半から大腿骨頭の成長が終了するまでの間に発症した、大腿骨頭の血行障害により生じる壊死の病気をいいます。男児より女子に多く4歳から7歳に好発されます。
厳密には骨端症ではありませんが、類似の症状が生じるため情報としてまとめさせていただきます。

成長痛はいつ頃から発生しますか?

成長痛は2~14歳の子供に見られます。特に多いのが3~5歳のお子さんです。

18~20歳の成人期でも成長痛が発生することはありますか?

年齢は2~14歳にみられ、好発年齢は3~5歳のお子さんです。海外の報告では4~6歳児の約37%に「成長痛」が認められたと報告されています。

なので18歳以上となると極めて稀なケースか別の疾患が考えられます。

成長痛の原因

成長痛は昔はリウマチ関係と言われていましたが、現在ではそれは否定されていて原因のわからない疾患とされています。

一説にはストレスが原因ではないかと言われています。

例えば、幼稚園や保育園に入学した、進級した、弟(妹)が出来て生活環境に変化が出てきた。

そのような環境の変化をお子さんがストレスと感じて成長痛を引き起こすと考えられています。

どんな症状があらわれる?

来院される多くのお子さんが、夕方から夜間に突然下肢を痛がります。

ケガのような原因もなく、泣くほどの疼痛を訴える児もいますが、疼痛の強さは診断上の関係ありません。

レントゲン上、問題はなく、痛みは数時間以内の一過性でずっと痛みがあるわけではありません。

成長痛が発生する部位

膝が一番多く、次にふくらはぎ、足首、スネ、もも、足の指と下肢にみられます。

片足だけ痛みができることはありますか?

はい。片足だけの場合が多いです。

オスグットと成長痛は違うものですか?

オスグットは骨端症に分類され、骨の成長線に負担がかかり、運動時での痛み、脛骨粗面へに圧痛、炎症、酷くなると骨の膨隆が見られます。

レントゲンでも骨端線に変化が見られます。

成長痛はレントゲンで問題はなく、痛みも数時間の一過性であるため、別の疾患です。

成長痛を見分ける方法

夕方から夜間に下肢への痛みを訴えますが、ケガをしたような原因はありません。

レントゲンを撮影しても骨に異常はなく、痛みは数時間の一時的なものです。

最近、幼稚園に通い始めた、進級したなど環境の変化が原因であると過程されていますが、今は原因不明の疾患と扱われています。

成長痛の治し方

成長痛はケガでなく、炎症もないので特に固定をしたり施術をするということはありません。それこそご自宅で、リラックスした状態でお子さんが痛みを訴える場所を優しくさすってあげる程度で問題ありません。

病院ではシップが処方されますが、炎症もなくケガでもないので特に必要はないと考えます。

成長痛がある場合はまずは整形外科などの病院にいくべきですか?

はい。ケガで骨や筋肉を損傷している場合もありますので、整形外科を受診してください。

整形外科でレントゲン撮影をして骨に問題はなく、ケガのような炎症所見がなければ成長痛と診断されると思います。