猫背の原因・症状・治療方法について
名前の通り、背骨が猫の背中のように丸まっている姿勢の状態です。
本来骨盤から背骨は軽いS字状の湾曲となりますが、そのS字状が背中が丸まったC字状の状態です。
猫背であるかどうかの見た目のチェックは以下になります。
- 肩が内に巻かれている状態
- 背中が丸まっている状態
- 首が正しい位置より前に出ている状態
これらのような姿勢の方を猫背と判断しています。
また、年齢別では、高齢者のように背中全体が丸まっている方や比較的若い方だと上部胸椎から丸まって首が正しい位置より前に出ているケースもあります。
また猫背の人はお腹に横しわが出来ている方もいます。
猫背のメカニズム
本来骨盤から背骨は軽いS字状の湾曲となりますが、そのS字状が背中が丸まったC字状の状態です。
多く場合は、学生時代から社会人にかけて長期間に渡って普段の姿勢が悪く、足を組んで座っていたり、ゲームやスマホを長時間行うことで猫背となっていきます。
猫背の姿勢が長時間続くことで筋肉のアンバランスが起きてしまいます。
筋肉のアンバランスによって猫背が起こる場合の例↓
例えば、腹筋上部が使われず弱ってくる事で肋骨角が90度以上開いてしまい、胸椎が後弯(背中が丸まる)し、猫背になってしまう。
これは骨盤と胸郭(肋骨と胸の骨で構成されている)の位置関係が猫背にとても関与して、腹筋を含め体幹筋のアンバランスが猫背になるケースです。
別の例ですと、大胸筋が短縮(硬くなる)することで肩が前方に引っ張られて、反対に僧帽筋下部が弱くなることで猫背となるケースもあります。
猫背の原因
日常生活でのデスクワーク、スマートホン、パソコン作業、料理・掃除など、あらゆる動作は体の前側で行う作業です。
そのような作業を続けていると、大胸筋は短縮し、腹筋下部、僧帽筋下部は衰えて肩甲骨が正しい位置に保てなくなります。
また普段の姿勢で足を組む、ソファーの座る姿勢が背骨自体をC字状に湾曲させ、その状態が長く続くことで猫背の状態が形状記憶されてしまいます。
猫背だと楽に感じるのはなぜ?
猫背になっている方は、体が湾曲した状態がリラックスした状態であり、心地よい状況になっています。
これは、正しい姿勢を忘れて、猫背が通常の姿勢だと脳が認識してしまっている状態です。
体幹筋が弱く、正しい姿勢を維持すること自体に力や意識を使う必要があるため、定期的に体を矯正し、体を正しい状態に導き、脳の認識をあらためる必要があります。
猫背になりやすい人とは?
小学校高学年から社会人にかけて、普段の姿勢から猫背の姿勢を取り続けている人。これは猫背の状態が普通の状態と認識してしまう為です。
また高齢者で圧迫骨折で背骨自体がつぶれてしまい、猫背になってしまう方。
筋力の低下でいい姿勢も保つことが出来ず、背中が丸まってしまう方。
膝の痛みや股関節、腰痛をかばい猫背になる方もいます。
猫背を放置するとどうなる?
猫背が原因で頭の位置が前になるストレートネックになってしまいさらに猫背を助長させてしまいます。
頭は体重の1/10と重く、本来正しい位置であれば骨で頭を支えることが出来ますが、前に行くことで肩や背中の筋肉に頭の重さの2~4倍の負担がかかり、肩こり、頭痛、良性頭位めまい症の原因になります。
猫背の不良姿勢が続くと、日常生活での筋肉、関節への負担も増悪し腰痛、変形性膝関節症、股関節痛、外反母趾に繋がります。
また胸郭が硬くなり、横隔膜が動きにくくなり肺活量の低下、腹部の圧迫による消化吸収への悪影響もでてきます。
見た目の影響として、写真写りは対人での印象はいい姿勢の方よりは見栄えは悪くなるでしょう。
猫背の治し方【当院のアプローチ】
骨盤、背骨、肩甲骨、頭を正しい位置に矯正します。
大胸筋、中殿筋、大腿部外側、腸腰筋は緩め、内側ハムストリング、大殿筋、体幹や腹筋下部、僧帽筋下部はトレーニングを行います。
また普段から足を組まない、両足でしっかりと体重を乗せて立つ、正しい歩き方をお伝えしています。
よく頂くご質問
- どのくらいの期間で改善しますか?
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根本的な改善には3~4か月かかります。これは筋肉の器質的な変化を考慮した期間です。
自分で姿勢を正しくする意識はすぐに出来ます。21日間、姿勢を意識することでその状態が定着しやすくなります。
- 自分で矯正することはできますか?
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完全に治すことは難しいと思いますが、治療の際にエクササイズをお伝えしています。日々続けることで、自分でもケアすることが出来ます。
猫背の改善には、自分での努力も不可欠になります。
- 高齢でも改善は可能ですか?
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圧迫骨折や変形がある場合は、猫背の姿勢が改善することは難しいです。
しかし、痛み等の症状は治療を重ねるごとに良くなっていきます。
「年だから」と諦めず一度ご相談下さい。