巻き肩の原因・症状・応急処置について

    巻き肩とは、肩が前方内側に入り込んでいる状態です。

     巻き肩になると、本来なら耳の直線上にある肩が、耳よりも前方に出てしまいます。 

    巻き肩が発生する原因の多くは姿勢に悪さによるものです。

    長時間のデスクワークやスマートフォンの使用など、前かがみの姿勢を続けることで胸部の筋肉が縮み肩甲骨が前方に引っ張られます。

    また、上半身の筋肉のバランスによっても引き起こされることがあります。胸部の筋肉が過剰に発達している一方で背中の筋肉が弱い場合、肩甲骨が前方に引っ張られます。

    肩の周りの筋肉の柔軟性が低下している場合も、巻き肩の原因となります。

    スマホ巻き肩とはなんですか?

    スマートフォンの使い過ぎ、画面の見過ぎが原因で肩が巻き肩となり、猫背姿勢になっている状態です。

    スマホの普及率が96%を超えている現代ですので、その数と比例するように巻き肩で悩む方が増えています。

    巻き肩によって生じる不調とは?

    巻き肩になることで下記のような不具合が生じます。

    • 姿勢が悪くなる(猫背姿勢になる)
    • 肩が上まで上がらなくなる(四十肩や五十肩に発展する)
    • スポーツ動作時に痛みや動かしにくさが生じたり、ケガのリスクが向上する

    また、巻き肩になると下記の部位に痛みが発生するようになります。

    • 肩関節の前面(大結節、結節間溝)
    • 肩関節後面(QLS神経の通り道)
    • 肩関節外側面(三角筋沿い)

    痛みが生じる部位は患者さんによって異なりますが、当院の患者さんの傾向としては上記の箇所に痛みが発生するケースが多いです。

    巻き肩の治し方【当院のアプローチ】

    当院では肩関節だけでなく、手や腕の筋肉へのアプローチ、骨盤から背骨全体をみて施術を行っています。

    例えば、建築関係、調理関係と手を酷使される方の場合、手や前腕の筋肉の使い過ぎが大胸筋を緊張させて巻き肩となるケースが臨床上多く見られます。

    また普段の姿勢が悪く、背骨が丸まり肩甲骨が外偏位して巻き肩になっているケースでは、骨盤や背骨の調整だけでなく、弱っている筋肉へにトレーニングも必要となってきます。

    どの治療を行うかは患者さん1人ひとりの状況によって変わってくるので、一概に巻き肩をこう治すと決まりきった施術方法はありません。

    一人ひとりのお体の状況にあわせて、最適な治療を行いますので、巻き肩にお悩みの方はお気軽にご相談ください。

    どのくらいの期間で治りますか?

    巻き肩の治療には筋肉の器質的な変化が必要であるため、巻き肩の改善にはおよそ3~4ヶ月かかります。

    よく頂くご質問

    巻き肩と猫背の違いとは?

    巻き肩とは、肩甲骨が前方に突き出すことで胸郭が圧迫され、背中が丸まった状態です。

    一方、猫背とは、頭部や肩が前方に突き出し、背中が丸まった状態を指します。

    一見同じような姿勢に見えますが、定義は違います。

    しかし、巻き肩も猫背の原因は不良姿勢、運動不足、筋肉の偏りですのでアプローチは施術のポイントは似てくるケースが多いです。

    四十肩や五十肩への影響はありますか?

    はい。

    巻き方は四十肩、五十肩に大きな影響を及ぼします。

    四十肩、五十肩になる方は巻き肩だけでなく、背骨の動きも硬く、僧帽筋下部の筋力低下や前鋸筋の筋緊張が強くなります。

    さらに骨盤の後傾もみられ、背骨全体が丸くなった猫背姿勢に多く見られます。

    日常生活で高く手を挙げるは少なく、運動不足のデスクワークやスマートフォン操作で不良姿勢が続く方は注意が必要です。

    片側だけ巻き肩になることもありますか?

    利き手や良く使う肩がより巻き肩になる人はいますが、片方が巻き肩でもう片方は正常という人は臨床上確認できておりません。

    寝る時はどんな姿勢がおすすめですか?

    仰向けで高すぎない枕で睡眠を取ることをお勧めしています。

    枕は特別に高いものでなく、量販店で売っている大きいバスタオルを2枚用意して自

    分に合わせて畳んで高さを合わせるようにして下さい。

    睡眠時、横向きやうつ伏せで寝てしまうと、寝返り打つことなく朝を迎えることになり体が偏った状態で硬くなります。

    人間は睡眠中、20回以上寝返りをうつと言われ、寝返りを打つことで筋肉や関節の拘縮を防ぐ効果があります。

    そのため、寝る時は仰向けをおすすめします。